THE WEST WING
1-05: THE CRACKPOTS AND THESE WOMEN
(変わり者と女たち)
WRITERAARON SORKIN
DIRECTORANTHONY DRAZON

US TRANSMISSION DATE
20 October 1999
UK TRANSMISSION DATE
7 February 2000(Sky), 15 February 2001(C4)
JP TRANSMISSION DATE
8 November 2002, 19 September 2003
-STORY-
ジョシュはNSCの職員から核攻撃の避難所の情報を知らせてくれるためのカードを渡されるが他のスタッフはもらっていないと知って大ショックを受ける。レオが、毎月主催してる ”チーズの日”を今回はサムとCJに割り当てる。サムはUFOを信じる男の話を、CJは狼をはじめとした動物の保護を訴える団体の話をそれぞれ聞くことになる。トビーはバスケの 試合でも、ラリー・ポズナー邸での資金集め、銃規制においてもとことんバートレットと対立し、とどめにマンディーから広報部長の第1候補が自分ではなかったと知らされて自信を失っていく。 カードをもらってから気分の悪いジョシュは10ヶ月間サボっていたセラピーに通い、ふと姉の死を直視することになる。バートレットが、娘のゾーイがドイツのハノーヴァーからやってくると 知ってお祝いパーティーを開く。そのパーティーでトビーとジョシュはついにバートレットにわだかまりをぶつける。


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-TEASER-
ある夜、大統領とそのスタッフがシークレット・サービスに護衛されている中でバスケットボールをしている。バートレットが息を切らせているので チャーリーやジョシュは休んだほうがいいと言うがバートレットは引かない。トビーは遠慮なく言う、負けてベンチに引っ込む事は恥ではありません よ。

トビー:完璧です、完璧なメタファー(暗喩・隠喩)ですよ?大統領。あなたが死んだ後詩人たちはこんな詩を書くでしょう「ジョサイア・ バートレットの伝説」。彼らはあなたを悲劇の人物に仕立て上げ、素晴らしい側近を持っていながら彼の良き 天使の声は勝利への執念によってかき消された・・・と書きますよ。

バートレット:それは私の追悼演説か?

トビー:正直に言っていいんですか?


すると突然バートレットが、グラント君と呼ぶ背が高くスポーツマンのような体をした黒人選手をチームに補充する。ジョシュもトビーも大統領の やり方に呆れる。その黒人選手はデューク大学(ベスト4進出らしい)のバスケットボールチームに所属している選手なのだ。前にもこんな事があっ た。トビーがCJとダブルスを組んでいた時に、大統領は年に何回も優勝トロフィーを貰っているステフィ・グラフをウィーンのアメリカ領事館の 職員だと言ってパートナーにしていたのだ。またズルするんですか?とトビー。今度入ってきたロドニー・グラントは大統領健康維持評議会の会長 なのだそうだ。トビーは無視して彼からゴールを奪ってやると意気込むがあっさりブロックされる。大統領健康維持評議会会長 の名は伊達ではないようだ。バートレットはブロックによるトビーのミスゴールを見て「この事も詩人に書かせろよ、バイロン!」とトビーを からかう。トビーはチャーリーにグラントのマークにつくよう言う。

-ACT ONE-
ミーティングの連絡をはね退けられるとドナは新しい彼氏の話をジョシュにするがジョシュは全く相手にしない。その後、会議が終わったらNSC (National Security Council=国家安全保障局)の職員と会ってくれ、とレオからの伝言を伝えるドナ。

ドナ:何の用件?

ジョシュ:さあね。でもここはホワイトハウスだからそんな大した事じゃないだろ。

ドナと別れるとすぐさまCJがやってきてニューヨーカーの記事に出てた天然痘の話をする。

他のメンバーが揃っているルーズベルトルームではこれから始まるであろう出来事にマンディー以外の全員がため息をつく。彼らによれば、 ホワイトハウスのスタッフが日頃あまり気にしないような連中がやって来て彼らと話をするのだそうだ。レオの案だがほぼ毎月 やっているのでスタッフはもう飽き飽きしている。レオが入ってきながら話を始めるとトビーが反抗のため息をつく。レオによれば、第7代大統領 アンドリュー・ジャクソン(1767-1845)はホワイトハウスの前に2トンにも及ぶ大きなチーズを置いてお腹を空かせた人々が自由に食べられるよう にしたのだと言う。つまりホワイトハウスを国民の物とする意図があったのだ。その精神を我々も踏襲して人々の話を聞こうではないか!・・・ ・・・スタッフの顔は暗い。そこへジョシュが入ってきて、「また”変人さん(Crackpot) いらっしゃいデー”ですか?」と言ってレオに頭を叩かれる。ジョシュとレオがレオの部屋に入るとNSCの職員ジョナサン・レイシーが待っていた。 ジョシュは彼にカードを渡されるが、そのカードは核攻撃が起こった際の避難所をカードの所有者に教えるというものだった。同僚も持ってるんで すか?とジョシュは尋ねるが返事はない。ジョシュは少し驚くが慌ててカードを財布にしまい部屋を出、部屋の外のスタッフの動きに目をやってか らまた歩き出す。

-ACT TWO-
バートレットとスタッフが会見室で会見の予行演習を行っている。幾つかの質問が終わり、トビーが銃規制についての話し合いをしようとするが バートレットは拒む「(時計を見ながら)10時のお説教タイムか?」。何度も言われ、しぶしぶサムに銃規制について質問させるがあっさりと一蹴 する。大統領は楽勝だと踏んでいるがトビーはそうではないと考え二人が声を荒げて衝突する。その会見室の外ではジョシュが思いつめた顔をして 立っている。
サムの秘書のキャシーがやって来て例のチーズの日の人間たちが来た、と言う。サムは会見に集中する振りをして逃げ出したいがレオがそれを許さ ない。会見の予行演習も終了し、いざ、変人さんたちと会いましょう。サムが会うのはUSスペースコマンドの職員で、彼は彼らが観測して得たデータ をもとにUFOが存在を信じ、政府にもUFOにもっと目を向けるよう言いに来たのだ。朝の6時35分にホノルルの航空管制局が、カリフォルニアの方に 向かって太平洋上に沿って未確認飛行物体が飛んでいくのを捉えた。海軍と空軍のジェット機もそのエリアにいたが視界に捉えた事はないという。 さらに、こういった事は何度も起こっているにもかかわらず何の説明もなされないという。

ボブ(USコマンドの人):こういった事は大統領に知らせるべきだとは思いませんか?

サム:いいえ。

ボブ:何故か尋ねてもよろしいですか?

サム:航空防衛指令を出すのには何段階かあるのにレーダー管制官が最高司令官に知らせたら何段階かすっ飛ばす事になるでしょう。

ボブ:つまり?

サム:つまりはペンタゴン、ひいてはあなたもセラピーが必要でしょう。

さらに、マウイ上空を未確認物体が飛んでいるというだけで予算を割くことは出来ない、とサム。大統領のシール付きペンを渡してお開きにする事に する。

マンディーは大口資金提供者であるラリー・ポズナーの邸宅で行われる資金集めを推し進めたいがやや反対ムードが強いので味方を探そうとする。 CJに当たると、予備選挙の時にロベルト・ベニーニにプールに突き落とされたけど構わないわよ、だそうだ。だが選挙権が無かった彼にDonna Kara n(ダナ・カラン)のドレスをズブ濡れにされたので文句タラタラだ。

ルーズベルトルームで著名な経済学者たちと会議をしていたバートレットだが側近から、娘のゾーイ・バートレット(Elizabeth Moss)が ジョージタウン大学に通うための寮探しに、とドイツのハノーヴァーから今夜のディナーにやって来ると聞いて大喜びだ。会議を終わらせ執務室に スタッフを集めるとバートレットが今夜のチリは私が作る、と言う。スタッフの返事は弱弱しくバラバラだ。すると床の合衆国の最高権力者の紋様を 指してからもう一度尋ねる。今度はみんな乗り気だ。
そしてそのままミーティングに入り、マンディーはラリー・ポズナーの邸宅で資金集めをしたいと提案するがトビーは反対する。資金集めの24時間前 に大統領は映画やテレビの暴力性についてスピーチする予定なのだ。一方でハリウッドを攻撃して翌日に献金を募ることなんか出来るわけがない。 ハリウッドなら何でもアリだ、とバートレット。その映画が暴力性を帯びているのならみんなで見ないようにすればいい。そうすれば彼も そういう映画は作らなくなるだろう。問題は解決だ。

トビー:その戦略は麻薬には通用していませんよ?

トビーは続ける。ハリウッドを攻撃しても空振りに終わる事が多いし、ハリウッドで俳優・監督・脚本家・プロデューサーの国籍を調べあげたリスト を持ってくる者がいたらそれこそかつての赤狩りを彷彿とさせるでしょうね、とトビー。私はジョー・マッカーシーみたいか?とバートレット。 結局トビーは言いたい事がうまく伝わらないうちにミーティングが終わる。

ミーティングが終わるとジョシュがサムを呼んでサムの部屋に行く。サムは先程の、UFOを注意しろと言っていた男の話をするがジョシュが遮り、 逆に尋ねる。ジョシュも先程から悩んでいたカードの事だ。だがサムは何の話か分からない様子だ。ジョシュの顔は青ざめている。そのカードを 貰ったのはほんの一握りの人物だけだったのだ。サムに、何でもないよ、と告げ部屋を出るジョシュ。

-ACT THREE-
ルーズベルトルームでは、今度はCJが”彼ら”の相手をしている。今度の団体は狼保護を訴えている。彼らはプルーイーという名の狼を例に出して 話を進める。彼らの雰囲気はどこかズレていて、毎日報道陣を笑わせているCJお得意のユーモアも彼らには効かない。その上、狼専用道路の建設費用 として9億ドルの費用を求めてくる。これには、ジョークが効かずに途中からしかめっ面をしていたCJも思わず笑い出す。

マンディーはトビーの部屋を訪れしつこくラリー・ポズナーの件の説得を試みるがトビーはまったく相手にしない。とうとうマンディーも頭に来て、 デビッド・ローゼンが広報部長の第1候補だった事を告げて出て行ってしまう。トビーは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、呆然としている。
廊下でCJと会うと以前にも話した、広報部長の第1候補、の事について話を聞くトビー。すると何度も同じ事を聞いているCJにまた”偏執狂”と 言われる。銃規制やハリウッドの件で大統領を説得するのにCJに手助けを請うトビー。

トビー:今の私は授業中に手を上げても先生に指してもらえない生徒と同じだ。

ジョシュが見慣れない部屋の中に立っている。奥のドアから出てきたのはジョシュのセラピストのスタンリー氏だが彼自身ジョシュの来訪に驚いて いる。それもそのはずで、ジョシュは数ヶ月間セラピーをサボっていたのに今日突然現れたからだ。二人は腰を下ろし、ジョシュがスタンリーに、 最近シューベルトの「アヴェ・マリア」を聴いている、と打ち明ける。なぜなのか・・・子供の頃に姉がよく聴いていたからだと思う、とジョシュ。 亡くなったお姉さん?と尋ねるスタンリー。姉の名はジョーニー。彼女は指揮者を夢見てよくこの曲を聴いていたのだという。そして唐突に今朝 NSCから渡されたカードの話を、もちろんNSCの事は伏せて、する。驚いた事にそのカードに含まれていない人間は、ジョーニーに、トビーにCJに サムに・・・。ジョーニー?スタンリーは尋ねる。いえ、ジョーニーの話をしてたからつい・・・、とジョシュ。様々な事柄が錯綜し混乱して、 ジョシュはその場を去ろうとするがスタンリーはジョシュが姉の死を直視していない事を突く。どうしてジョシュの姉は亡くなったのか。

ジョシュ:そんな大した事じゃないんです。(一点を見つめて座る)姉が僕のお守りをしていた時に火事が起こったんです。

スタンリー:どうして火事が起こったんだね?

ジョシュ:正直・・・思い出せないんですが・・・ポップコーンか何かを作っていたんです。

スタンリー:それで家が家事に?

ジョシュ:はい。

スタンリー:ジョーニーは君のお守りをしていたんだね?

ジョシュ:そうです。

スタンリー:何故君は死なずにすんだんだね?

ジョシュ:(間を置いて)家から逃げたんです。

スタンリー:君は小さな子供だったんだ、ジョシュ。逃げ出して当然だよ。

ジョシュ:(虚ろな目をして)はい。

-ACT FOUR-
ホワイトハウスに戻って来たジョシュは自分の部屋で「アヴェ・マリア」を聴いている。ドアをノックする音がするがジョシュの耳には届いていない 。ノックしても返事がないから、とCJが入ってきてジョシュを大統領の娘ゾーイのお祝いのチリパーティーに誘う。ジョシュは天然痘の話をしたか と思いきや唐突に、NSCから渡されたカードにCJやサム、トビーらが含まれていない事をCJに教える。その事でずっと悩んでたのね。CJはようやく 理解する。それはそうよ。核攻撃が起こった時に広報担当が必要だと思う?とCJ。「あなたって時々優しいのね」。ジョシュは納得する。冷戦が 終わって核の脅威が過ぎ去れば次に懸念すべきなのは天然痘のような伝染病だ。天然痘はかつて猛威を振るっていた伝染病で治療を施さないと死亡率 は30%にも及ぶ。ワクチンが非常に効果的なのだがその数はたったの7本しかない。ニューヨークで100人が感染したらHIVがただの風邪に思えるぐ らいのとてつもない脅威になる。ワクチンを作ればいいのよ、とCJ。CJは先にチリパーティーに行くために部屋を出る。

別の部屋では既にパーティーが始まっている。バートレットがサムとチャーリーにバスケの極意を伝授しているが彼等はあまりまともに聞いていない 。ズルされたのだから聞く耳もたないのも当然かもしれないが。CJはトビー、キャシー、ドナに彼女が話し合った狼の話をしているが、トビーは バートレットを見つけると途中で抜け出す。バートレットのそばに座ると、最近考え方が噛み合わない事を打ち明け、デビッド・ローゼンが広報部長 の第1候補だったのかを尋ねる。そうだ、とバートレット。気が楽になりましたよ、とトビー。

バートレット:私は諦めずに彼の所に行ったんだが彼はソロモンブラザーズ銀行の共同経営権を取ったんだが・・・おかげで助かったよ、トビー。 君がいなければ私は道に迷ってどこにもいけないだろう。私は君をがっかりさせることもあるし、それが分かるんだ。私が怒るのは君のほうが正しい 場合が多いからだが・・・君がCJに何と言おうが、君はクラスで手をあげてる子供じゃない。君は賢くて素晴らしい人間だよ、トビー・・・。こない だのバスケをした夜に言った事は本気だったのか?私の中の悪魔が頭の中に響く良き天使の声をかき消している、って?

トビー:ええ、本気です。

バートレット:だから私は偉大な人間になれないのか?

トビー:そうです。

バートレット:君の言うとおりだろうな。

トビー:ですが、大統領。大統領の中の悪魔と天使の戦いはつきものなんですが、長い歴史の中で初めて同等の戦いになりそうな気がするんです。

バートレット:ありがとう、トビー。さぁ、もう行け。

キッチンでは大統領の娘のゾーイがチリを作っている。そこへジョシュ、そしてチャーリーがやって来る。ジョシュはチャーリーがゾーイをお嬢さん と呼んでいるのは堅すぎると言う。ゾーイがチャーリーにバートレットのレシピで作ったチリの味見をさせるとジョシュは部屋から出て行く。 チャーリーによればオレガノが足りないそうだ。

ジョシュがバートレットとレオの所にやって来ると二人に迎え入れられるジョシュ。この女性たち(These Women) には敵わないな、とレオ。女性人を見渡して、CJは50年代の女優に見える、と言う。愛らしくてバイタリティに満ち溢れている。 トビーと口論するマンディー。ベトナム戦争で二人息子を亡くしながらも政府のために一日も休まず勤務しているミセス・ランディガム。それにドナ 、キャシー、マーガレット。
ジョシュがついに悩んでいた事を打ち明ける。ジョシュは喜んで大統領に仕えるし、一生忘れられない名誉だがNSCのカードを財布から取り出す。

ジョシュ:これは降参の白旗ですよ。僕は悲劇の時には友人を慰めたいし、勝利の時には一緒に祝いたい。常に彼らの目を見て 行きたいんです。レオ、(カードを差し出して)これはお返しします。僕は友達と一緒にいたいし、家族とも一緒にいたい。それに彼女たち(These Women)とも。

バートレットがジョシュの肩に手を回す。反対側に目をやるとチャーリーとゾーイが部屋に入ってくる。チャーリーがバートレットに合図をやると バートレットは皆を静まらせる。ファーストレディはパキスタンにいるが代わりに娘のゾーイが来てくれた。彼女はジョージタウン大学に入学し 医療を専攻するつもりだ。今日はレオの”チーズの日”で、みんなは嫌がるが毎回考えを変える者が何人かはいる。かつて天然痘を撲滅出来たのだ からもう一度出来るだろう。

バートレットの合図で皆が乾杯する。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Moira Kelly as Mandy Hampton
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J.Cregg
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradly Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Elisabeth Moss as Zoey Bartlet
David Fabrizio as Jonathan Lacey
Nick Offerman as Jerry
Nicholas Cascone as Loomis
Rachel Singer as Marge
Juwan Howard as Rodney Grant
Janel Moloney as Donna Moss
Devika Parikh as Bonnie
Melissa Fitzjerald as Carol
Kim Webster as Ginger
Suzy Nakamura as Cathy
Nicole Robinson as Margalet
Renee Estevez as Nancy
Kathryn Joosten as Mrs.Randigham
Timothy Busfield as Danny Concannon



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