p TWW 1-04"Five Votes Down" とりびあ〜ん

The West Wing:とりびあ〜んコーナー
1-04:Five Votes Down(5票流れる)


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★My Impression(管理人VicePresidentの感想)
    
★A View from the Hill(客観的な見方)
    選挙はとにかく高くつく、とサムは言う。下院議員のオバノンは農家の助成金を確保するための再審議を、カッツェンモイヤーはメトロ社の連邦税免除をそれぞれ求めてくる。ジョシュはかろうじて下院議員の議席を勝ち取ったカッツェンモイヤーと会う。「下院議員は宣誓したその日から再選されるために週1万ドルを稼ぎ出さなければならない。次の選挙の時に NRA(※)ににらまれたら私は確実に負ける」ジョシュは議員に言う「銃規制法案に賛成票を投じなければ、あなたは予備選挙で負けます。再選を考えるまでもないですよ」。「私に民主党候補の対抗馬は出ないだろう?」とカッツェンモイヤーは返す。「出ますよ」とジョシュ。「あなたが52%の票を得て当選した地区で大統領は59%の票を獲得している。だからお礼をしに行こうかと思ってたところなんですよ。ウィスコンシンのオー・クレール(Eau Claire)に大統領専用機のエアフォースワンがやってきたらきっと大騒ぎでしょうね」 ジョシュは続ける。大統領はきっとお気に入りの地方検事補(ADA=Assistant District Attorney)の肩に腕を回すでしょう。そうするとそれはあなたの政治生命の終わりを意味する。大統領はいい人ですよ。ジョシュはまだ続ける。人を憎んだりなんかしない。「そのために僕がいるんだ」
    一方、レオは黒人議会の議長でありながら銃規制法案に反対しているマーク・リチャードソンと話し合わなければならない事で頭が痛い。銃規制は私の中で最優先事項の議題だ、とレオは言う。それよりもホワイトハウスの権力維持の方を優先しているんじゃないのか、とリチャードソン。だが緊急治療室(ER)に運ばれる人間のほとんどは黒人だろ、とレオは返す。「こういった銃が流れるのはスコッツデール(フェニックス州の町)とかではなくデトロイトやフィラデルフィアだ。世代を問わずアフリカ系アメリカ人は麻薬と貧困に生活を蝕まれている」 リチャードソンはホワイトハウスが麻薬問題に気づいていたとは意外だな、と皮肉る。「銃規制法案の作成に忙しくて気づいてないのかと思ったよ」さらにリチャードソンは税金の無駄遣いだ、と言う。
    この件に関して、完全とは言えないが、幾つかの制限を設けることで法案は通った。だがこの銃規制法案の通過に功績があったと称えられたのは、反対派をやり込めた、ホインズ副大統領だ。

  • (※)NRA(National Rifle Association=全米ライフル協会)・・・映画「ベン・ハー」('59)などで知られる大物俳優チャールトン・ヘストンが会長を務めていたが4月24日に退任を表明。ヘストンはコロンバイン高校での銃乱射事件直後、家族の反対にもかかわらず協会総会を強行開催したため批判を浴びた。マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」にも登場しムーア監督の質問に怒って席を立つ場面も収録されている。ヘストンはまた、銃の権利を声高に宣言し2003年現在の大統領である 共和党のG・W・ブッシュと大統領選で熾烈な争いを繰り広げた民主党のアルバート・ゴアを名指しで批判した。NRAは95年までは加入者が横ばい状態だったがそれ以後増え続け今では360万人の会員が同協会に加盟している。また、ブッシュ(シニア)元大統領は同協会の終身会員である

    ★American History X(アメリカン・ヒストリーX)
        第36代大統領リンドン・B・ジョンソン(1908-73)なら民主党員と取引などはしない、とジョシュ。代わりにこう言う「私に投票してくれたら代わりに君の名前を覚えてあげよう」。ミューラルルームは主に外交の接待の間として知られている。壁の風景画は「北アメリカの眺望」という、1834年Jean Zuber社(Jean Zuber et Cie)によって焼き付けられた画だ。副大統領の部屋の壁には第16代大統領エイブラハム・リンカーンの肖像画が かかっている。

    ★Behind the Camera(カメラの後ろで)
        この回を監督したマイケル・レフマンは「Hudson Hawk」('91)、「Meet the Applegates」('91)(脚本も担当)、「Airheads」('94)、「The Truth About Cats & Dogs」('96)、「My Giant」('98)も監督している。また「エド・ウッド」('94)では製作を担当。パトリック・キャデルは、クリント・イーストウッド主演の「シークレット・サービス」('93)に出演した事があり、ハリソン・フォード主演の 「エア・フォース・ワン」('97)では政治コンサルタントとして名を連ねている。

    ★Cast and Crew Comments(出演者らのコメント)
        「どのテレビ局も問題点をバランスよく映し出すよう言ってくる」とジョン・ウェルズはBernard Weinrubの言った。「銃規制に関してだけはそのようにしないけどね。率直に、街中にオートマチック銃が溢れているのに関係者が誰もいないなんて論理的におかしい話だしね」
        「脚本に銃規制についての話があったら・・・」と、ローレンス・オドネルはFaye Fioreに付け加えて言う。「週1の”The West Wing”に演出するにあたって 最も貴重なのは銃規制反対について情熱的で、知性的な文書の製作だ」

    ★Cigarettes and Alcohol(煙草とお酒)
        レオの妻のジェニーはシャンパンが好きだが、中でもDom PerignonとCristalがお気に入りだ。ディナーの間、サムとジョシュはビールを飲んでいる。

    ★Critique(論評)
        バートレット大統領が鎮痛剤を飲んで「疲れきってた」あの場面は最高に滑稽だ、とRadio Timesのジェーン・ラックマンは言う。「ジョシュとサムが中身のない話に夢中だった事に気づいたところもそうだ」

    ★Cruely to Animals(動物虐待)
        カッツェンモイヤーが「私の地区の人間の事は分かってるだろ」と言うと「あなたの有権者はウージーでウズラ狩りしたりするんでしょ?」とジョシュ。

    ★Denial, Thy Name Is Toby(拒みし者よ、汝の名はトビーなり)
        トビーは去年まで株を一つも持ってなかったが、今はインターネット会社の株を5,000ドル持っている。それが今では125,000ドルにまで膨れ上がっている:セオドア・マクレガーがインターネット株の未来について通商委員会で証言した後に71%も株価が上がったのだ。トビーは、同じ地区で育ったテッド・マクレガーに証言するよう手配した。サムは不正が全く無い事をアピールするべきだと 提案するがトビーは今年の年収を1ドルに減らし、それによって納税者の負担を和らげる、といった措置を拒みたがる。

    ★Did You Know?(ご存知?)
        ホワイトハウス職員も首席補佐官(レオ)や副大統領(ホインズ)のように、アルコール依存症患者の通うAA(Alcoholics Anonymous)ミーティングに出てる、などという事があるのだろうか?答えはイエスだ、とクリントン政権の首席補佐官ジョン・ポデスタは言う。「誰かが私のところにやって来て”私はアルコール依存症でAAミーティングに参加しています”と言ってきたら事態をよく見て受け入れるだろう。私はそんなに非難されるような問題だとは思わないね。 これは自分の政敵や報道陣に如何に早く先制攻撃を仕掛けるか、という事なんだよ。その辺は我々のほうがずっと詳しいよ」

    ★Logic, Let Me Introduce You to This Window(論理の世界へあなたを・・・)
        1-01"Pilot"に出てきたレオの家は郊外にあり芝生が生えている。この家は通りにあり都会のように見える(家から副大統領のオフィスまで行って戻ってくるのに45分かかる、とレオが言ってる事からも家は市内にあるに違いない)。トビーは1993年のDodge Dartを運転していると主張していたがこの車が生産されたのは1963年から1976年の間までだ。

    ★Notes(注目)
        「議会はゲロするほど嫌いだ」演説している大統領の後ろにあるPRACTICAL IDEALISMという集会の中心のテーマがこれだ。聴衆が聞き入っている、 政治の妥協点や聴衆が得られる物の値段についての演説もだんだんペースが落ちてきている。この演説は、大統領という人間が単なるお飾りに 終始しないという、非常に映像に映えた例だ。    マンチェスターにある大統領の農場の資産価値がシークレットサービスの改造で75万ドルにまで跳ね上がった。CJの報道によればこの農場にはヘリ ポートやベランダから世界大戦を指揮する事も可能だと言う(3-01"Manchester"Part1参照)。ホインズもレオのようにアルコール依存症から回復 中だ。ホインズは、3人の上院議員、秘書官2人、連邦判事が1人に官庁の長官1人から成り週1回行われるAA(Alcoholics Anonymous=アルコール 依存症患者救済協会)ミーティングを持っている。
       レオはリチャードソン下院議員とリンカーンメモリアル(※)の外で会う。ジョシュと カッツェンモイヤーが会ったのはポトマック川の堤防の近くにある議事堂の前だ。

    (※)Lincoln Memorial(=リンカーン記念碑)・・・記念碑を建てるという話は リンカーンの死後すぐに持ち上がった。建設地として最終的に選ばれたのはワシントンDCにある、新しく建てられたばかりのポトマック公園だ。 この町の都市計画を担ったピエール・ランファンがこの町の建設予定の最後に加えた変更点はワシントンモニュメントと議事堂の間を通る ショッピングモールの西口だ。ピエール・ランファン(Pierre Charles L'Enfant 1754-1852)はワシントンDCの都市計画を担ったフランス人で 都市計画のすべてを自分の支配下に置こうとしたために1年で解雇されたが計画そのものは引き継がれ、メトロの駅の名前にもなっている。 建築士のヘンリー・ベーコンとフランス人の彫刻家ダニエル・チェスターが彫像の彫刻の要点を設計し、1914年に工事が始められた。

    ★Office Gossip(噂話)
        ジョシュはみんなからおめでとうを言われる。ドナによれば、資産公開の25ドル以上の高額贈答品部門でジョシュが最優秀賞をもらったというのだ。内訳は、彼の大ファンのサラ・ウッシンジャーから貰った1198ドルのViennatelli(訳が分かりません)のシルクのスモーキングジャケットだ。また345ドルのアンティークの細工を施したシガレットホルダーも2位に入り、それもサラ・ウッシンジャーからだそうだ。そしてこの品物が 贈られたのがジョシュとマンディーが別れる前の話だとマンディーも知り、二人が別れるに至った・・・と我々も知る。

    ★Oh, Donna!(愛しのドナ!)
        ドナはジョシュにいくつかミーティングがあることを知らせるがジョシュは既に知っている。「こういう事を言っておけば思い出すかもしれないでしょ」と彼女が言うと「確かに」ジョシュが返す「こういう事を言うのは膨大な時間とエネルギーの無駄遣いだよ」。

    ★Politics of Expediency(ご都合主義の政治)
        ジョシュは友人のクリスウィックを、彼が下院議員に当選する際に手助けした。しかしながらウィックは大統領との写真撮影の機会を最初の1回しか与えてくれなかったことにがっかりしている。彼が言うには、ホワイトハウスとの関係は一種の”流通”の手段である。「それじゃ大量殺人兵器の販売を規制する法案に反対したのは大統領のテーブルに呼ばれなかったからなのか?」ジョシュは怒りを抑えながら尋ねる。 ウィックが大統領とチェスをしながらブランデーを飲んでいる傍にホワイトハウスのカメラマンを連れてくる、という事で彼らは同意する。

    ★Quote/Unquote(本編の引用)
        
    CJ:失礼、トビー。ランチに行くのにお金が足りないのでよろしければ(笑いながら)12万5千ドル貸して下さいません?

    トビー:今は文字通り、世界中全ての人間が憎いよ。


    ★References(ご参照あれ)
        バートレットがステージを降りていくときに流れていた音楽はJ・YellarとM・Agarの「Happy Days Are Here Again」(サムが言うには、銃規制 のスピーチに流す曲としては少し余計だ、ということだ)だ。世界の最高峰に君臨する宝石・貴金属の会社を設立したハリー・ウィンストン社 (※1)、電信会社のウェスタン・ユニオン(※2) 、ジュリアード音楽大学(1905年創立)、全米ライフル協会(NRA)・・・上記参照、イタリアのファッションデザイナーであるジョルジョ・ アルマーニ(Giorgio Armani)(※3)、ニュージャージーのホーランド・トンネル (※4)にフットボールのNFL。CJが手にしてくるくる回していたのはMagic 8 Ballだ(ホインズの一人勝ちにチームが沈んでいた場面)。

    (※1)ハリー・ウィンストン社(Harry Winston)・・・ ハリー・ウィンストンは1896年に生まれ、父のヤコブは宝石商だった。幼い頃、質屋のガラクタから800ドルのエメラルドを見つけ出すほど、宝石 の価値を見出す才能を持っていたと言われている。1920年にニューヨークの五番街に「The Premier Diamond Company」を設立。わずか一代に して世界に冠たるダイヤモンド帝国を築き上げ「King of Diamond」の異名を持つほどになった。大粒で極上の宝石を最大限に生かす工夫をし 、宝石を留める貴金属部分が殆ど見えない、宝石が直接肌に透け、あらゆる角度から光を反射して輝くワイヤーセッティング方式の「ウィンストニアン ・スタイル」を確立。これがハリー・ウィンストンのジュエリーの典型的なデザインとなった。
        1958年、ルイ14世やマリー・アントワネット までもがかつて所有していた、持ち主に不幸をもたらすという世界最大(45.52カラット)の青いダイヤ【ホープ(希望)】を手に入れスミソニアン 博物館に寄贈。63年には八角形の【ポルチュギース(ポルトガル)・ダイヤモンド】(127.071カラット)を、64年には世界最大級の無傷に近い ダイヤモンド原石の完璧な結晶体【オッペンハイマー】(253.7カラット)を同博物館に寄贈している。
        宝石を見てほしいとして自身の顔を 生涯マスコミに公開しなかった、という逸話もある。死後、1枚だけ写真が公開された。

    (※2)ウェスタン・ユニオン社(Western Union)・・・電信送金の会社として1871年の創設 から100年以上の歴史を誇る。外国への送金を行う、という市場に関してはMoneyGram Payment System社と2社だけの寡占状態にある。Western Unionは Concord EFS社と共にFirst Data社の傘下にある。同様にMoneyGram Payment System社はViad Corp社の傘下にある。この2社は410億ドルにも上る 、この海外送金ビジネス市場の90%のシェアを占めている。また両者はこのビジネスにより30%近い利益率を上げている。

    (※3)ジョルジョ・アルマーニ(Giorgio Armani)・・・「イタリアモード界の帝王」の帝王 とも謳われている最高級ブランド。「シンプル且つ芸術的なライン」と「素材の良さと縫製技術の高さ」がウリだ。

    (※4)ホーランド・トンネル(Holland Tunnel)・・・辞書を引いて頂ければ分かりますが Hollandはオランダの事ですがここでは、ハドソン川を横断してニュージャージーとマンハッタンを結んでいる3つの交通路のうちの一番南側にあるトンネル を指す。名前のHolland(オランダ)は、現在のニューヨークに相当する当時(17世紀)の土地にオランダ人が入植した事にちなんでいる。

    ★Sex and Drugs and Rock'n'Roll(セックスと麻薬とロックンロール)
        キッチンを通ってホテルの外に出る時に、バートレットは仲睦まじそうなカップルを見つけ「彼女にはいい部屋を取って晩御飯をおごってあげなさい 」と助言する。
        大統領は背中の痛みを治すためにヴィカディンとパーコセットという鎮痛剤を飲んでいる。

    ★The Conspiracy Starts at Closing Time(陰謀はこれからだ・・・)
        義理の兄から貰ったアルマーニのクラバット(ネクタイ)を大統領は義理の兄には知らせずに救世軍に寄付した、という事は伏せてくれとCJは報道陣に言う。



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