The West Wing:とりびあ〜んコーナー
1-03:A Proportional Response(比例報復)


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★My Impression(管理人VicePresidentの感想)
    
★A Little Learning Is a Dangerous Thing(生兵法は怪我の元)
    ジョシュはCJを「バークレー出身で被害妄想の強いフェミニスト」と呼び、CJはジョシュを「2学期連続で優等生名簿に載り損ねたハーバード大卒のファシスト」と呼んでやり返す。

★A View from the Hill(客観的な見方)
    ジョシュがチャーリーに尋ねた質問事項にはこういうのもある「政府の転覆を図ったことはありますか?」、チャーリーはもちろん否定する。そのチャーリーに「何でやろうとしないの?」とサム。

★American History X(アメリカン・ヒストリーX)
    「我々は超大国としての力を振舞えるんです」とレオは言うが大統領はそんな振る舞いが実のある結果をもたらすとは思ってない。大統領は、ベイルート、ソマリア、ナイロビ大使館爆破によるアメリカ人への攻撃は反撃に無気力なために引き起こされたと考えている。 「人を殺すことが抑止力に繋がると思ってるんですか?」(Ratcheting up the body count's gonna act as a deterrent=直訳:死体を数えるのに歯止めをかける、事が抑止力として働くのか?)と怪訝そうに尋ねるレオ。「あなたはその気になれば神の如く、アメリカの強大な軍事力を意のままに操ることができます。唯一の超大国の王として。」さらに付け加え、 「だがそうするためには世界中すべての人間を殺す用意がなければなりません。まず最初に私を殺すべきですよ。」とレオ。
    ブルールーム(青の間)は宴会用の間で、名前の由来にもなっているサファイアブルーのファブリックで装飾されている。そこにはクリストファー・コロンブス(1451-1506・・・インド大陸を見つけようとして今のアメリカ大陸を発見。インド大陸だと思っていたためにそこに いた先住民を「インディアン」と名づけた事はよく知られている事実)とアメリゴ・ベスプッチ(1451-1512・・・南アメリカ大陸東岸の航海で、南十字製などの観測を通じ新大陸、いわゆるアメリカ大陸の認識に達したとされる。「アメリカ」という名は彼にちなんで名づけられた事はもうお分かりでしょう)の胸像と5代目合衆国大統領ジェームズ・モンロー(1758-1831)の肖像画がある。

★Behind the Camera(カメラの後ろで)
    この回を監督したマーク・バックランドはTWWの他にも「NYPDブルー」('93)、「Maximum Bob」('98)、「フェリシティ」('98)、「Sports Night」('98)、「Providence」('99)、「Scrubs」('01)なども監督している。

★Cast and Crew Comments(出演者らのコメント)
    マーティン・シーンはボブ・ブレイクリーにこう語った「私は人生の中に暴力は無いと信じている」。「私は世界でも最高の軍事力を持つ指導者を演じており、その男はその権力を行使するのに鬱になっている。」
    「バートレットは、アラブ世界のトラブルに 身を置くとしばしば復讐心に燃え上がる。」とシーンはIrish American誌に説明した。「私は軍事介入よりも外交手腕の道をいつも選ぼうと奔走している。だが我々は別の世界の第3勢力を喜ばせなければならない。」

★Cigarettes and Alcohol(煙草とお酒)
    大統領はシチュエーションルームでタバコを吸っている。

★Critique(論評)
    「これほどハイペースで会話が進むアメリカのドラマを耐えて見続けることの出来る人は殆どいないでしょう。」とRadio Timesは言う。「スピードアップした一種のバレエのようなもので登場人物が素早く動き回り、廊下を渡り、ウォーキング&トーキング(Walking&Talking)が絶え間なく続く・・・。 このシリーズは世界中で大ヒットし、見る側があのふらつくような登場人物のハイペースな動きに翻弄されたのかもしれないが、何より一番疲れたのはスタッフのほうだ。何故1300万人のアメリカ人が全エピソードを見るのか、あなたも分かるだろう。

★Denial, Thy Name Is Mandy(拒みし者よ、汝の名はマンディーなり)
    マンディーがジョシュに贈ったプレゼントは彼らの(彼らが最初に出会った)写真だ。誰かがジョシュの顔にマーカーで塗り潰している。「それは私よ」とマンディー、「あなたを嫌いだった時にやったの」。「それ出会ってからずっとだよ」 とジョシュが付け加える。

★Did You Know?(ご存知?)
    バーバンクにあるワーナーブロススタジオのサウンドステージ28番、ホワイトハウス(TWW)の休憩室は、関係者によれば、殆ど本物のホワイトハウスそっくりである。「本物のオーヴァルオフィス(大統領執務室)を見に行った時」リチャード・シフは言う「あんまりスタジオのセットと同じ造り だからカウチに飛び乗って足上げたんだ」。シフにとってこの日のハイライトは??「ビル・クリントンの愛犬バディに会ったんだ。あれはクールだよ!」

★Logic, Let Me Introduce You to This Window(論理の世界へあなたを・・・)
    チャーリーは妹を養うために大学に通っていない。彼の母親は彼が20歳の時に亡くなったがその時はまだ大学に入ってなかったようだ。彼の母親が死んだ後であれば、アルバイトをする必要も無く妹を養うことができただろう。なぜなら 彼女は警察官で、勤務中に殺された。よって彼女の子供たちには死亡給付金(Death Benefit)と保険(Insurance)を受け取る義務があるからだ。もし彼が週7日、日に20時間勤務の現在の仕事ではなく大学に入っていたならば妹を養う時間すらもあっただろう。

★Notes(注目)
    「比例報復は未来に向けての選択肢の幅を狭めるものではない」これはバートレットは、多くの視聴者が思ってるような、型にはまってただ感情に振り回されるようなリベラルな人間ではない、という事を最初に暗示したものだ。復讐に飢え、力を持つという責任についてのこのエピソードはアメリカの 過去20年間の外交政策の一片である、ととることができる(ぞっとするような出来事である2001年9月11日の事件の余波をご覧頂きたい)。ジョン・エイモス(フィッツウォレス役)は素晴らしいし、長雨によって悲惨な状況がひっくり返るような事はない。    大統領が着けていたネクタイは彼の孫娘(1-01"Pilot"参照)からプレゼントされたものだ。大統領の私設秘書はかなりハードな仕事だ、とジョシュはチャーリーに説明する。王様や首相などを含め、大統領の時間を割こうとするような連中をガンといってはねつけなければならない時もあれば目に見えなくなるような存在にならなければいけない時もある。伝統的に この仕事に就く者の条件としては20から25歳ぐらいの、学問に精通してて責任感があり分別のあるような人間がいい。前に就いていた人の名前はテッド・ミラーだ。大統領がチャーリーに声を張り上げた後、ジョシュが、今日はタイミング的に悪い日だよ、と言う。「大統領はいつもは本当に優しい人で礼儀を非常に重んじる人なんだ」(これは大体真実だが2-02"In the Shadow of Two Gunmen Part2"を参照あれ) ダニー・コンキャノンはホワイトハウスの記者を務めて7年になり、サムが一晩3000ドルのコールガールと付き合っている事を知っている。

★Office Gossip(噂話)
    ジョシュはドナが今ホワイトハウス内で何が起こっているのかを全て知っている、と確信した後彼女から、CJがジョシュを探している、聞かされる。「私にも休憩室や荷馬車に潜んで聞いた断片的な情報しかないんだけど、それによると サムが何か女性問題でトラブルを起こしていてCJがそれを聞かされてなかったから怒ってる・・・って事はない?」

★Oh, Donna!(愛しのドナ!)
    なぜ誰かが部屋にいることを知らせてくれなかったんだ?とジョシュがドナに尋ねると、最初の時(CJ)は知らなかったし今(マンディー)は気にもしてなかったの、と返される。

★Politics of Compromise(政治の妥協点)
    前の晩のディナーで大統領は、北アフリカの半分を吹き飛ばしてやる!と言う一方、ファーストレディ(最初に言及された)にも怒鳴った。青天の霹靂(1-02"Post Hoc, Ergo Propter Hoc"参照)から3日後、(統合参謀本部)議長が比例報復の内容に適したシナリオを 用意した。このシナリオのターゲットは弾薬庫、人気の無い鉄橋にシリアの情報局だ。だがシリア側にしてみればその報復内容は予想の範疇で建物は空っぽになっている。ならば他に取るべき方法には何があるのか、と尋ねると大統領は「比例的でない報復だ。世界中にこう伝えろ:アメリカ人を殺したら全面報復をもって迎えるぞ!」。彼はダマスカスを絨毯(じゅうたん)爆撃するつもりなのか? バートレットは「お座なりだと思わせるような間に合わせのシナリオ」ではなくよく練り上げたシナリオを用意しろ、と命令を出す。そして用意されたシナリオはハッサン空港の攻撃などがある。市民の被害も数千人に及ぶだろう。外国諸国には過剰反応だと取られるだろう、とフィッツウォレスは言う。「50セントの罪に対して5000ドルの罰を与えるようなものですよ」結局大統領は比例報復という選択肢 を選んだ。

★Quote/Unquote(本編の引用)

レオ:黒人の青年が大統領に仕える事に何か問題があるかな?

フィッツウォレス:私は老人で黒人だが大統領に仕えてる。給料はちゃんと出るんだろ?公平に彼に接してもいるんだろう?

レオ:あぁ。

フィッツウォレス:なら一体何が問題なんだ?

★References(ご参照あれ)
    ペンタゴンは国防省(Depart of Defense)の本拠地だ。American College Training Program、ペリクレス(490-429BC...アテネの政治家で、民主主義の全盛期やアクロポリス(パルテノン神殿がある古代ギリシャ都市の城砦)の建立といった問題に多大な責任を負っていた)、チャールマンジ (742-814...中世のフランク族の王様)、FBI(1908年に当時の司法長官チャールズ・ボナパルトによってつくられた)。ジョシュが部屋に入るとCJが机の上に足を乗せて座っていた。この図は映画「卒業」('67)を元にしたものだろう。また暗に「The Dating Game」を表しているのかもしれない。

★Sex and Drugs and Rock'n'Roll(セックスと麻薬とロックンロール)
    ジョシュは、サムは彼女をコールガールだと知らずに彼女の家に行ったが法的に違法な事やモラルに反した事、倫理を犯すような事に参加してはいない、と主張する。CJは「マスコミに知れ渡ったらどうなると思う?」と返す。

★The Conspiracy Starts at Closing Time(陰謀はこれからだ・・・)
    民主党の下院議員であるバートラム・コールズがクロムウェル空軍基地の仕官数名とともにラジオ局に出演し、大統領の弱さをつついた後「大統領がこの基地を訪れたら生きては帰れないだろう」と言った。ジョシュとサムはまともに取り合わない。 法で裁けりゃな、とレオ。裁けますよ、とトビー。「大統領を脅迫して、それを大勢の人間に言ったんだから陰謀罪でしょう?軍人もいたんだから反逆罪ですよ!」トビーは司法省に尋問させたがっている。

★The Encyclopedeic Mind of Josiah Bartlet PhD(バートレット博士の博識ぶり)
    2000年前、大統領は言う、ローマ市民というだけで世界のどこでも敵を恐れることなく闊歩できた。その市民の身の危険を脅かすような天罰は何一つとしてなかった。「古今東西世界最強の軍事力を持って報復するような事が無いよう 、アメリカ人が地球を無傷で歩きまわれるよう世界に警告すべきだろう?」と言う。大統領はストレスから自分の無力さに喜んで苦しんでいるわけではない((ちと翻訳に苦しいトコロ))(彼の言う「Amateur Hour」は2-02"In the Shadow of Two Gunmen Part2"でも口をついて出る)

★Token(アメリカの象徴?)
    National Association for the Advancement of Colored People(先進有色人種国家協会??)の批評によりプロデューサーたちは彼らのキャスティング方針を再評価することとなった。「我々が見るのはいつも白人ばかりだ」とアーロンは言う。「我々はNAACP (National Association for the Advancement of Colored People=全米黒人地位向上団体)から憤りながら肩をつつかれて指摘されるような事はない」そこでチャーリーが誕生したのだ。「”アメリカの”TVドラマっぽく見せる必要があったんだ」とアーロンは続ける。



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