THE WEST WING
2-21:
E P I S O D E # 43
2004/03/13 on NHK
18TH AND POTOMAC
(ポトマック18番通り)
-STORY-
地下室でジョーイからかなり不利な世論調査結果を聞くがバートレットらには落胆する暇も無く次々と問題が浮上する。海を挟んだハイチでバザン 大佐によるクーデターが起き、大統領に当選したばかりのデサリン大統領をかくまうかどうかでアメリカが他国の問題に干渉するべきかどうかの議 論が持ち上がる。結局彼をかくまう道を選ぶが大使館員の避難が予想以上に困難だったためその遅延によって軍用機内でハイチ兵3人を射殺する事に なりバートレットは苦悩する。一方大統領スタッフたちは地下に限られた者だけが入れる会議室を設けてそこでTV番組で質問されるであろう事柄に 対する答えを検討し始めるがそこでも次々と問題にぶつかる。さらにこれだけ様々な事柄を検討していたにもかかわらずバートレットに再選の意思 があるのかどうかという肝心の問題については何も話し合われていない。そんな彼らの喧騒をよそにチャーリーはミセス・ランディガムと彼女の新車 購入についていろいろおせっかいを焼いていたが、その夜彼はある一本の電話を受け取り顔色が青ざめる。

WRITERAARON SORKIN
STORYLAWRENCE O'DONNELL JR
DIRECTORROBERT BERLINGER

US TRANSMISSION DATE
9 May 2001
UK TRANSMISSION DATE
6 November 2001(E4)
JP TRANSMISSION DATE
13 March 2004
-TITLE'S MEANING-
The place where unbearable "TRAGEDY" happened.

-EPISODE OUTLINE-
Before official announcement...

-QUOTING-
1, You think without the Seal, people are gonna forget he's the President?

2, This is a phenomenally important case, it's historic, it has to be won. And we're fighting with paper clips and a slingshot.

3, I work next door to the Oval Office, sir. Caesar's wife must be above reproach.



INTO THE MAIN TITLE:★★★★★

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-TEASER-
午前1時20分、ホワイトハウスの柱廊をバートレットがレオと話しながら歩いてオーヴァルオフィスの方へと歩いて来る。話題の中心はジョーイの事 でジョシュが彼女を地下栽培農作物の世論調査の名目で呼んだ事をレオがバートレットに話す。土の中で育つ農作物のことだがジョシュはアメリカ 人 のビーツ好きを調査させようと言ってた。が、バートレットは笑わない。レオがジョシュの仕事振りを褒めるとこれから地下に行ってその世論調査 の 調査結果を聞く事になっているとバートレットに知らせる。何故地下かと言うと理由は真夜中に7人がミーティングを開いているところを見られたく ないからなのだが、地下でミーティングを開いているところを見られるのはいいのか、とバートレットが意地悪くつっこむ。

トビーと地下に向かいながら世論調査の数字の無意味さをぼやくサム。この調査の対象にされたのが架空の人物であることは少し学校で学んだ者な ら すぐに分かるだろうし信用問題に関する数字は概してあてになるものではない。サムの愚痴を聞きながらトビーは部屋の前にいるシークレットサー ビスに合言葉の「射手座」と言うとシークレットサービスが彼らを部屋の中に入れる。中には既にジョシュ、CJ、そしてジョーイと通訳のケニーが 待っている。ジョシュはドア近くの階段に立ち、CJは大きな机の上の端っこの方に座り、他のメンバーは全員席に着いている。バートレットらが来 る前に、ここでサムがトビーの質問を遮ってジョーイに先ほど愚痴っていた事を話す。架空の人物という設定で真実味が薄いこんな調査には何の意 味 もないだろ?ことさら信用問題に関しては。まるで元CBSでアンカーマンを務めていたウォルター・クロンカイト並みの支持率じゃないか!ジョー イ は「えぇ」とだけ答えるのでサムもそれ以上何も言えずに静かになる。その静けさを破ってジョシュが何かいいニュースはないか尋ねると「アメリ カ 人はやはりビーツがお好き」との事だ。そこにバートレットとレオが入ってきたので全員立ち上がる。ジョシュがバートレットにジョーイとケニー を紹介するとレオがジョーイに世論調査結果を示した文書のコピーはないかと尋ねる。ない、とジョーイ。つまり彼女が持ってる一枚だけという ことだ。その言葉にレオが安心し、全員が席に着いて彼女とケニーの方を向く。そして話を始めるが、ジョーイの手話をケニーが訳しているところ を バートレットが途中で遮りケニーのラストネームを室内のスタッフに確認する。誰も答えられないがレオは大丈夫だと言う。だがこれは極秘にやら な ければならない事だ。この室内での会話がリークされるような事が絶対にあってはならない。しかし「ケニーとは11年の付き合いで、私を信用する なら彼も信用することです」とジョーイが言い、ジョシュも大丈夫だと後押しするのでバートレットも納得し、先を続けさせる。

ジョーイ(ケニー):ミシガン州に住む1170人の有権者を対象に、ミシガン州知事が重病を隠していたという架空の設定を与えて世論調査を行った ところ、結果が出ました。(読む)「州知事が自分の健康問題を隠していたことにも問題ない、という事に賛成しますか?」。賛成が17%、反対が 83%です。「州知事が重病を患っていると知った今、その州知事に投票しますか?」。71%が投票しないと言っています。投票しないと答えた人の 大半は55歳以上の女性で、その内の78%の女性がMSを患っている候補者には投票しない、と答えています。

フロリダを失ったわね、と調査結果に落胆した様子のCJが言う。

ジョーイ(ケニー):大統領、一番問題なのは74%の人がMSが身体に致命的な病気だと信じている点です。

バートレット:まんざら外れでもないかもしれんぞ。

ジョーイ(ケニー):62%の民主党員があなたには投票しません。自らをリベラル派だと言ってのけた人の65%が、嘘をついたあなたには投票しま せん。

バートレット:(間を置く)ジョーイ、何か他に一つぐらいいいニュースはないのか?

ジョーイ:ありません。


-ACT ONE-
オーヴァルオフィスで軍関係者のロビーとジェイクからハイチで起こった暴動についての最新情報を受け取っているバートレットとレオ。首都のポ ル トープランスには400人のテクニカルアドバイザと監視員、65人の非武装の特殊部隊から成る国連の監視団がいる。米州機構(OAS=Orgganization of American States)からは200人出ている。バザン大佐率いる軍隊がカルフール・リベルテ(Carrefour and Liberte)広場を無許可で包囲 し、新しく誕生するはずだったデサリン大統領を応援する支持者の集会を阻止しようというものだ。だが武力による反乱に反発する支持者たちに発 砲 して死者が二人出ている。加えて新任法務大臣のレネ・デュカセが逮捕され、首席裁判官の家の周りを軍が包囲している。ハイチの軍関係者が言う に それは身辺警護だそうだがバートレットの軍事顧問と情報部に言わせれば「自宅軟禁」も同じだ。さらに厄介なことにハイチ軍はポルトープランス の 、事実上全ての警察署の前に駐留しており国家警察から実質的な権限を奪おうとしている意図が読み取られる。だがそれよりも何よりも重要な事に 、 選挙で選ばれて大統領になるはずだったデサリンの姿がどこにも見当たらない。彼は夕方の4時に出席するはずだった、ギルバート・タスとの儀礼上 の会合にも姿を見せず、彼の党と自宅にあたってみたが応答がないのだという。軍は隣国のドミニカに逃げたと発表しているがドミニカは否定して いる。現地も混沌としておりアメリカの情報部でもこれ以上の情報は掴めず、これでは何が何だか分からないといった状況だ。大使館の職員は最低 限 の人数を残して非難させたほうがいい、とレオは提案するがジェイクは反対する。たとえ要職に就いていない大使館職員といえど大使館から非難さ せ ようものならそれはアメリカがデサリン政権を信用していない明確な証拠になる。だがあいにくデサリン政権どころかその本人がいないときている 。 バートレットは9人の被害者を出したコロンビアの救出作戦失敗の二の舞は踏みたくない。大使館職員の避難命令を出し、大使館に海兵隊を送り込ん でフィッツウォレスに報告するよう命じる。

地下の秘密室前まで来たジョシュが入り口に立っているシークレットサービスに合言葉「射手座」を言って中に入れてもらうと中ではすでにトビー 、 CJ、サムらが今後の出方について話し合っているところだった。ジョシュは席に着き、CJ、トビーらと一緒に階段前に立って話しているサムの話を 聞く。15分間TV番組に出演して病気だったことを打ち明け、謝罪する、というサムの提案をCJは素っ気無さ過ぎる、と切り捨てる。さらにアビーも 隣に座らせたほうがいいとCJは言うがサムは逆に、妻のアビーを隣に座らせると夫のバートレットが弱く見えてしまうと考える。ケネディーの机、 イーストルーム、会見室、とにかくどこの部屋にしようかサムが名前を挙げていくがまたしてもCJが反発する。嘘をついてきたことを告白するのに 大統領の紋章の前でそれを行うのはまずい。なら紋章が無ければ皆、彼が大統領であることを忘れていてくれるのかな、とサム。とにかく30分の特 別番組で、後から編集されるを避けるため生放送で放送させる、とCJが明言する。放送日は局が5月の視聴率調査週間での調査に躍起になる木曜を 避けて水曜日にしたほうがいいだろう。サムとCJの間には緊張したものがうっすらと走るが二人とも口には出さないでいる。そこへ今まで黙ってい たトビーが口を開き、明後日の水曜日の夜にNBC局の「Dateline NBC」の30分間の特別番組をミューラルルームから大統領とファーストレディが一 緒になって放送する、とはっきり言う。さらにできる限りマスコミをコントロールするために、続いてCJの会見を行う。ABC局「Primetime」の ダイアン・ソーヤーや大量破壊兵器(WMD=Weapons of Mass Destruction)の件で(ブッシュ大統領に)インタビューした経験のあるNBCのティ ム・ラッサート、同じくNBCのニュース番組「Dateline NBC」の司会を務めるストーン・フィリップスなどなど、誰がインタビューをしようととに かく西半球にいる記者を全員見える位置に置いておきたいのだ。医療の専門家についても48時間で探してこなければならないがそこにサムが遮って 「大統領は再選に出馬の意思がおありですか?」と尋ねてくるであろう記者のこの質問にも答える準備をしなければならない、と言う。その言葉に 全員が虚を突かれたような表情になるがCJがイライラしながら「そりゃぁテッド・バクスターだって同じ事聞いてくるでしょうよ、サム」と返すCJ 。とにかくその質問についての答えの検討も必要だ。

チャーリーとミセス・ランディガムが話しながらロビーを通ってオーヴァルオフィス前の秘書室まで歩いてくる。話題は彼女が新車を買ったという 事でチャーリーがそれについて、彼女にとっては余計な、アドバイスをしていたところだ。スピーカーの数はチャーリーの希望が8に対し2個。サブ ウーファーもなければ、ボートを乗せたりキャンピングカーを引っ張ったりもしないので牽引装置もついていない。と、そこにジョシュがひょっこ りやって来る。

チャーリー:ミセス・ランディガムが今日新車を買うんですって。

ジョシュ:本当に?

ミセス・ランディガム:えぇ、誰にも言いたくなかったんだけどね。何で男の人って男がいないと女性は車が買えないと思うの?

ジョシュ:そんなぁ、それは偏見ですよ、ミセス・・・・・・ところで延長サービス保証書は手に入れましたか?

ミセス・ランディガム:いーえ。

ジョシュ:やっぱり女性だ。

チャーリーと同じように牽引装置をお勧めしてから、呼ばれたレオの部屋へと向かうジョシュ。そのレオはタバコ会社に対する訴訟費用の内訳を見 て怒り心頭で、ジョシュがなかなかやって来ない、とマーガレットに八つ当たりまでする。ジョシュが部屋に入ってくるとマーガレットを追い出し て今度はジョシュにその怒りの矛先を向ける。レオが手にしているレポートの内容はこうだ。司法省には31人の弁護士とスタッフがいるが他方タバ コ会社は1893人の弁護士と2783人のサブスタッフがついている。これは誤植じゃないんだろ?と数字を疑うレオ。さらに費用面において政府は870 万ドルを人件費に使用してきたのに対しタバコ会社の費用は1億9200万ドルにも上る。さらに彼らの交通費には6130万ドルが費やされているがこ れは政府の総予算の倍にあたる。司法省の予算を管理しているのは通商、司法、国務の各委員会で、その中の民主党で一番力が強いのはリッターだ 。ジョシュはレオからそのリッターに会って話をして、何が問題化を突き止めてこいと命じられる。話を変えて、レオが地下の話し合いの様子を 尋ねる。ジョシュは今日中に答えが見つかるだろうがいずれにせよ大統領の再選への意思表示の検討も早めに行われなければならない問題だと話す 。それも今日中にははっきりするだろう、とレオは言うがジョシュは本当にそうなるのか少し疑問そうな顔をする。ジョシュとしてはバートレット 本人と話し合った方が速やかに答えにたどり着けるだろうと考えている。だがそれをレオに伝える前にレオはマーガレットから渡されたメモを見て 出て行ってしまったのでそれ以上言う事はできなかった。

-ACT TWO-
柱廊からバートレットとチャーリーが並んでやって来ているのをオーヴァルオフィスの窓際から見ていたレオがそこからオーヴァルオフィスへ と入っていく。ハイチの危機についてそのレオから情報を受け取るバートレット。ジェイク・ブラットからの情報によればデサリンのボディガード が二人撃たれ、肝心のデサリンは今大使館の方に向かっているとの事だ。ジェイク・ブラットが何故そこにいるのかバートレットは疑問に思うが彼 はデサリンの就任式に出席するつもりだったのだ。だが暴動が発生し、今は彼がデサリンを車のトランクにかくまっているのだとレオが説明する。 退避命令を出した大使館職員はC-9機が現在滑走路で待っているところだ。レオはデサリンを助け出すべきだと主張する。さもなければ捕えられた デサリンは20分の簡易裁判で有罪判決を宣告され、生涯を獄中で過ごすか革命軍によって処刑される事になるだろう。だが軍部関係者のロビーは反 対する。ハイチ内部の問題にアメリカが介入するべきではない、と。もしデサリンをかくまおうものならバザン大佐と対立する事になる。そうなれば 彼はアメリカと対立することを強みにハイチでの地位を着々と築き上げていくだろうし、犯人探しの名目でアメリカ大使館を包囲し、さらに大使館 職員を人質にするのは必至だ。それでも彼を助け出すべきだ、とレオは強く言い続ける。デサリンは自由選挙に勝ち、アメリカはそれを見届けたのだ 。もし軍部が自由選挙の勝利者を殺せると考えたらハイチではもう2度と本当の選挙は行われなくなるだろう 。そもそも デサリンを選挙に出馬するように強く勧めたのはバートレットらアメリカだ。その彼が今車のトランクにかくまわれているのだ。その時チャーリー から電話を通された軍部関係者の一人から、その車が大使館前にまで来ている、との知らせが入る。バートレットは「通せ」と命令を下す。命令を 伝えてからしばらくの時間が経過し、無事大使館に入れた事を確認するとバートレットはレオを見て頷く。

地下室での話し合いではホインズ副大統領を記者会見に出すべきかどうかという議論が持ち上がっている。サムはそれに賛成する。今こそ副大統領の 存在を強調する絶好の機会だ。何故なら彼はそもそも大統領の病気を知っていたうえで副大統領職を引き受けたのだから彼が事前に病気問題を把握 した上で事を処理していた事になるからだ。だがCJは副大統領である彼を会見に出すことでかえって病気の深刻さが浮き彫りになってしまうと考え る。それに副大 統領がその事を知りながら誰にも言わなかった事が問題視される事になるだろう。それに対してまたまたサムが反論する。ホインズはMSを知る者の 中でもかなり最初の方に知らされた人物のうちの一人だ。だから彼がいれば大統領の健康問題を知っていながら党任候補になったという意思表示に なるはずだ。だがそれにもCJが不安を述べる。知ってたか知らなかったかの質問を、大陪審の陪審員のつもりになった記者から山ほど浴びせられる 事になる。狭い室内で議論を続けていたサムだがついに溜まった不安を怒りに変えてCJにぶつけ、CJもあからさまに反抗的な態度を取る。そこに一 人の男が入ってきてCJにメモを渡すと、ハイチで進展があったらしく記者会見に出るためCJはさっさと出て行く。残ったトビーがサムに疑問を投げ かける。

トビー:サム、ジョサイア・バートレットは大統領として機能できるのか?

サム:僕は医療の専門家ではありません。

トビー:(立ち上がる)そうだな。

サム:トビー、大統領は党に対する責任と未来と義務があります。ですから彼が出馬しないのならその時はホインズを指差して「次はこの男だ」と 彼を擁立すべきなんです。

トビー:ホインズがこう尋ねられたら?「その間バートレットは大統領として機能できるのか?」。

サム:彼なら「もちろん」と言うでしょう。

トビー:その彼がこう言ったら?「私は医療の専門家ではありません」。

ジョシュがレオに言われた通りにビルを出たばかりのアンディ・リッター上院議員と肩を並べて歩きながら話し合っている。ハイチの大統領が車の トランクに押し込められたまま大使館に入った事にいたく驚いているようだがそんな事はジョシュにはどうだっていい。彼はタバコ訴訟の件で来たの だ。司法省がこの2,3ヶ月の間にリッターの委員会に提出した3000万ドルの予算案を大統領は何とかして通過してもらいたがっている、とジョシュは 説明する。訴訟に勝つには訴訟を続ける金が必要なのだ。だがリッターが言うにはこの委員会の議長は予算案の通過を決める投票を行うつもりはない との事だ。その議長であるカルムバックは悲しいかな、ステイシー・アールの「Dancin' With Them That Brung Me」というタイトルの曲を引用し てリッターは表現する、He's gonna dance with the girl that brung him. 彼は選挙期間中にタバコ会社から46万ドルの献金を自分の活動する 委員会(PAC=Political Action Committee=政治活動委員会)に受けていた。仮に投票を行ったとしても8対7で敗れるだろう。15人のうち8人は 共和党員なのだが奇跡的にこのうちの二人が見方に加わっているその一方で民主党からも同じく二人が離反しているため結局8対7なのだ。ジョシュ はその離反者が誰なのかを尋ねる。その二人はウォーレンとロシターだとリッターは説明する。だが彼らは南部の出身ではない、彼らは信念上の問題 で反対の立場をとっているのだ。これは歴史上かつてないほど重要で、絶対に勝たねばならない訴訟だ。なのに僕らはおもちゃの紙と鉄砲で戦って いるようなものですよ、とジョシュは言い、いつそれに気づくのかと思ってたよ、とリッターは返す。

トビーのオフィスではドナが座って彼を待っている。そこにトビーが地下室から戻ってきてドナに「これからショッキングな事を言うがショックを 受けてる暇はないぞ」と伝え、続けて8年前に大統領がMSと診断されていながらそれを今まで隠し続けてきたことを明かす。助手職の中でもミセス・ ランディガムやマーガレットらよりも一番最初に彼女にこれを打ち明けたのはその事を既に知っている上司のジョシュがこれから24時間この問題に かかりきりになるだろうからその下で彼女にも懸命に動いてもらわねばならなくなるからだ。ドナはショックを受けているようでもなく、バートレ ットの現在の健康状態を尋ねてからさっと仕事に戻る。

チャーリーがパソコンを見ながらミセス・ランディガムが新車を購入した事にまだケチをつけている。一人で車を買いに行った事、それがまず第1の ミスですよ、とチャーリーが説教する。その理由は、一人でだとディーラーにいらない物まで売りつけられるからだ。例えば牽引装置とか、とミセス ・ランディガムが返す。

チャーリー:あれが無ければどうやってキャンプをするんですか?

ミセス・ランディガム:だからキャンプなんてした事無いんだってば。

チャーリー:僕もですよ、ですから連れてってください。僕はトランジスタラジオでオリオールズの野球中継を聞きながら座って釣りをしています ので。

ミセス・ランディガム:私は何してればいいの?

チャーリー:熊でも追い払ってればいいじゃないですか。

いくら払い、どれだけ値切ったのかチャーリーがしつこく尋ねるとミセス・ランディガムは、値切ったりなんかはしていません、とはっきり言う。 チャーリーは彼女が定価で新車を購入したことに驚き、一緒に店について行って値下げさせますよ、とまで言う。普通は定価で買う人なんていません よ。私が買ったわ、と彼女は言う。加えて一定額以上の贈り物を受け取ることは政府の職員には許されていないの、とジョシュが知ったら泣きそうな 事を言う。そしてそれは値引きについても同じ事が言える。と、そこへCJが入ってきてレオの居場所を尋ねるとチャーリーはシチュエーションルー ムにいる、と答える。

シチュエーションルームにレオを含め軍部関係者がひしめき合っているのは緊急事態の証拠だ。そこに国家安全保障問題担当補佐官のナンシー・マク ナリーも到着するが、国家安全のプロよりも騎兵隊が欲しいな、とレオが皮肉を言う。ハイチにいる正確な人数は刻々と変わるため正確にはまだ掴 めていないが概算でいいから調べてほしい、とナンシーが言う。最後に調べたところによれば兵士が500人、そのうちの300人はアメリカが売ったAR- 15を持っている。それもそのはずで彼らは2,3時間前まではこちら側にいたからだ。だがそれだけではなく他にも120ミリ砲とミサイルを搭載したブ ラッドリー歩兵戦闘車まで備えている、とナンシーは言う。かたやこちら側の即席の戦力はと言えばM-14とベレッタを持った37人の海兵隊のみだ。 レオは銃撃戦に発展した場合の状況を尋ねる。ナンシーは、彼らはお飾りの兵士じゃない、こういう状況を想定した訓練を数多く積んでいる、と レオを少しだけ安心させる。だがフィッツウォレスに電話しながら、大使館が占拠されたらそれだけよ、とも言う。

-ACT THREE-
USSエンタープライズと水陸両用キャリアがフロリダのメイポートから出港し、36時間以内に現地に到着するものと見られ、軍用機は半径300マイル (≒480Km)から400マイル(≒640Km)の戦闘区域に12時間以内に入る予定である・・・という内容の定例の会見をCJがいつもどおりこなしている が記者の質問ラッシュもいつもどおりに激しい。次々とやって来る質問をテキパキとかわしていき、アメリカのハイチ侵攻に関する質問にも全く別の 話を2つして論点をはぐらかすCJ。だが質問に対する答えにはそぐわなくとも重要な論点であることに変わりはない。その一つ目はまず民主制の選挙 で国民によって大統領に当選した人物が同じ民衆からなる民兵に反旗を翻されたこと、そして二つ目は大使館の職員と彼らの救出に向かった海兵隊員 の身の安全の確保だ。そして2,3時間で戻ってくると言って、質問に答えてくれない事で不満を募らせる記者が大勢いる会見室を後にするCJ。キャロ ルに付き添われながら人を待たせているミューラルルームの方へと足早に向かう。部屋には既にTV局の重役ポール・ハケットが秘書のボニーと一緒 に待っていた。何かあったら外からドアをノックしてくれるようボニーに頼むとCJは友人であるハケットと向き合うように座る。彼はこのホワイト ハウスに2,3 00回は来ていたが今日は初めて地下から通されたと言う。それは何故か?会見室で大勢待たせている記者たちを避けるためだ。そしてCJはすぐさま 「明後日の水曜日の夜に30分の枠が欲しい」と単刀直入に切り出す。ハケットはハイチの暴動の件かと思っているがそうではない。詳しい事は同じ 日の朝に伝えるからインタビュアーを選んで10時間で準備してくれるよう頼む。ハケットはそこで事の重大性に感づく。出演するのは大統領とファ ーストレディで今いるミューラルルームからの放送予定なのだ。だがインタビュアーならともかくとして彼の局のロゴは出せない。他の2つの局とCN Nでも流すというのにそのTV番組の中に彼の局(他局)のロゴが入っているなんて事は当然いいはずがない。声を大きくしてダメ出しするCJにハケ ットが二人だけの間ということで一つ尋ねる。「水位が高くてあっぷあっぷの状態なのか?」「いいえ、ちょうど今まさに頭のところよ」。局の人 間と話しておくよ、と請け負うハケットにCJが最後に一言伝える。水曜の朝にそれとなくリークを始めるつもりだがその前に漏れないように、と。

ある会議室の一室ではジョシュが民主党の離反者の二人、ウォーレンとロシターに会ってタバコ訴訟の件で話し合っている。ジョシュは皮肉めいて 二人がタバコ会社と裏で繋がりがあると言うが彼らは、それは違う、とはっきり言う。前にも聞いたように彼らはイデオロギー(信念)上の問題で 反対しているのだ。ウォーレンとロシターは元連邦検事だったため鋭い指摘をしてくる。今回原告側が訴訟の根拠としているのはタバコ会社が1950 年以来国民を嘘という名の陰謀でずっと騙し続けてきた、という事だがそれを司法省がどのように証明するのか?ジョシュは訴訟の原告でも被告で もない自分には詳しく答えられないが仮に自分が彼らの立場であったとしても立証はそう難しいことではない、と言う。タバコ会社が欺瞞を働き続け てきたという事実を知らない国民はいないのだから。だがそう簡単には進まないだろう、とロシターが説明を始める。何故なら1964年以降になって 歴代の公衆衛生局長官はタバコについての警告を発してきたし1966年以降議会はタバコのパックに警告ラベルを貼るよう指示を出してきた。それを 今ごろになって「騙されてきた」なんてわめくのは馬鹿げてる。

ジョシュ:つまりタバコを吸ってニコチン中毒になるような人は愚か過ぎて生きられない、と言いたいんですか?

ロシター:いや、愚か過ぎて裁判所の保護を受けるに値しない、と言いたいんだよ。

司法省は、タバコ会社がタバコが死や病気を引き起こす事を国民より遥か昔から知っていた、という証拠を押さえている。もちろんこの地球上の中で もタバコ会社の7人のCEOたちは最後の最後までニコチンに中毒性があるという事実を否定し続けるつもりだろうが。だがウォーレンたちからすれば 勝てる見込みのないのにジョシュらがこの問題に打ち込むのは対抗勢力の資金源を断とうとするためであり、これは立派な「ゆすり」行為に当たる。 だからこの予算案が小委員会を通過することはありえないのだ、とウォーレンは言う。だがジョシュに諦めの顔色は見えない。そのジョシュが帰り際 につぶやく。今の時刻3時から夕方の7時までに新たに3000人の人がタバコを吸い始め、その内の2800人は18歳以下だろう、と。

シークレットサービスを護衛にアビーが地下室のドア前にまでやって来て、護衛の女性が「射手座」と合言葉を言うと外に立っていた別のシークレッ トサービスがドアを開けて彼女一人を中に入れる。ミレニアムイベントの準備室に使われていた事があったという薄暗い地下室内では既にサムが 待っていた。二人が席に座ると、サムはバインダーから書類を取り出して彼女にこれからの事を説明する。明後日の晩にアビーが30分のTV番組内で 言うであろう医学的な質問についてあらかじめ彼女に直接聞いておこうというものだ。法律に関することは問われない、とサムは言う。放送局にはC Jの方から事を伝えてある。局側にしてみてもこの特ダネを逃すことはできないから必ず同意してくる。だから後数日はオリバー・バビッシュ指揮の 元でサムが彼女から話を聞き出すという形になる。それでは早速話を伺うことにするサム。アビーもやがて話し始めるがサムには理解できない医学 用語をふんだんに使ってくるのでサムが「ミセス・バートレット」と話を遮ろうとする。だがアビーは「ドクター・バートレットよ」と二人の間柄 をはっきりと正させる。そして何故夫と一緒に質問を受けないのかサムに尋ねる。TVのインタビューでは夫であるバートレットと一緒に出るだろう に一人ずつ訊き出そうとするのは何故か?それは、アビーの考え通りだが、二人の話を照らし合わせるためだ。そしてさらにサムの質問は続く。

チャーリーとミセス・ランディガムが向かい合うように互いのデスクの前のイスに座って彼女は仕事を、チャーリーは何かの紙を目で読んでいる。 そしてチャーリーが何かを言おうとした時、ミセス・ランディガムが話し始める。チャーリーが読んでいる連邦政府が定めた政府職員のための倫理 規定集、その最後の方の記述の部分である2635項目に「ホワイトハウスの職員は20ドル以上の贈り物を受け取ってはならない」と定められてあるで しょ。だから彼らが19ドルの値引きを申し出てくれるならそれで買うわ、とミセス・ランディガム。そこにレオが入って来てオーヴァルオフィスへ とチャーリーが誘導する。
レオが空港の滑走路でハイチ兵3人を射殺した、とバートレットに報告する。ハイチ軍の兵士がアメリカの軍用機に乗り込んできた、その際にアメリ カエアフォースC9に不法侵入し、武器を捨てろ、と何度か通告した。だが従わなかったので隔壁内にいた3等軍曹の二人が彼らを射殺し、遺体を滑走 路に捨てて緊急離陸したとの事だ。バートレットは激怒する。これはあってはならない事だ。大使館の非重要職員を素早く非難させようとしたのは こういう事態を避けるためだ!命令を下したのは6時間前だぞ!バラバラに散っていた職員全員を集めるのに時間がかかった、とレオは説明するが バートレットは敵であるとはいえ3人の命を奪ってしまった事にショックを受けている。だがそれでも所詮は敵だ。彼らがアメリカ軍の飛行機内に足 を踏み入れたのならそれは攻撃とみなさなければこちらがやられてしまう。その場合は自分たちのみを守るために彼らを撃ってもいいという名目が 成り立つ。地上ルートの方では現在裏ルートでカナダ大使とドミニカの情報部を通して情報を入手している。それならバザンの要求は何か?彼の目 的はデサリンだった。財務大臣だった時に人道援助用に充てられるべき1800万ドルを彼が着服したというのだ。レオは電話でマーガレットに国務長 官に繋ぐよう指示を出し、バートレットは再選についての話し合いもすべきだと提案する。話し合いを行うのは今夜9時に公邸で、だ。レオが電話口 でスコットという人物に米州機構での緊急会議での開催を要請するよう頼む。

-ACT FOUR-
ハイチで暴動が起こっている様子が流れるTVのあるオーヴァルオフィス前の秘書室ではミセス・ランディガムが帰りの支度をしている。そこへ現れ るバートレット。働き者で規則に忠実な彼女をボブ・クラチットと呼び、早速新車を買ったのかと尋ねる。バートレットは先ほど彼女がチャーリーに 言ってのけた一文の補足を、彼女が聞くのを断れないと知りながら、勝手に始める。あの2635項には続きがあって好意による値引きは贈答品の対象 外となるのだ。その部分もちゃんと読みました、と彼女は答える。なら何故彼女はその行為による値引きを受け取らないのか?オーヴァルオフィスの 隣で働く者、彼女曰く「シーザーの妻」、は非の打ち所がなくてはならない、という事だそうだがバートレットはふと何かに気づいたような表情に なり眼鏡を外す。もしかしたら彼女は自分にぜいたくだと言われたくないから新車を買う事を黙っていたのか・・・?ミセス・ランディガムはいつ もの強気な表情とは違い、この時ばかりは非常にしおらしく見える。そんな彼女にファーストネームで尋ねるバートレット「ドロレス、新車は初めて なのか?」。周りの目を少し気にしながら「そうです」と答えるミセス・ランディガム。自分の主人のヘンリーならなじみで信用もあるコンコルドの Calvin Hillyで買っていただろう。そんな彼女に支払われるはずだった分の額を小切手にしてプレゼントしようとバートレットは申し出るが彼女は 自分のお金で買いたいのだと言う。色は美しいブルーで、いらないといっているのに勝手についているエアコンなんかもある。バートレットも嬉しそ うに車の話をする彼女を見て顔がほころぶ。そしてひと時の歓談を楽しむと今から取りに行くというその車でもう一度ホワイトハウスに戻ってきて ほしいと頼む。バートレットもまた彼女に言うべき事があるのだ。

地下室でのアビーとサムの話し合いはまだ続いているがアビーが一方的に医学用語を使って話しているためサムの目はトロンとしている。そこへやっ て来てたバビッシュにも医学用語を尋ねるアビーだったが興味もないと彼は言ってのける。その彼がサムに外してくれるよう頼むとアビーをミセス ・バ ートレットと呼ぶので彼女もまたサムに言ったように「ドクターです」とはっきり言う。選挙中に自分をミセスと呼んでいたほうが女性受けすると 思っての事だったが今思えば逆に女性たちを馬鹿にしていたのかもしれない、とアビーは振り返る。そんな彼女の呼び方には頓着しないバビッシュは アビーに、バートレット家に仕えるパット・カーという弁護士ではなく、自分自身の弁護士をつけるよう忠告する。彼の作った候補が8人いるので 大統領やパットらと一緒に決めて欲しいのだと言う。アビーは水曜日の放送終了後にでもすればいいと思っているがバビッシュは文字通り「今すぐに 」と忠告する。アビーはサムから法的な質問は出ないと聞いたばかりなので弁護士を雇えという忠告に耳を疑わずにいられない。だが実際のところ 話が進んでいけばやがて法的な質問に発展する可能性も大いにあり得る。だからバビッシュは弁護士同伴でTVに出るように勧めているのだ。ハーマ ン・ヴィクラムはバートレットの元主治医で彼は大統領にプレドニゾンを注射していた。そして4年前からは彼に代わりアビーがインターフェロンの ベータ1-bを投与していた。いわゆるベタセロンというものだ。だが彼女はヴィクラムを伴わずに処方箋を書いている。アビーは他の医師を巻き込む わけにはいかないと考えていたそうだが今はそれが問題になってきているようだ。彼女はバートレット用にではなく自分用に処方箋を書いている。 選挙中だったからかあちこちで処方箋を書いて回っていた、ダンウィッチ、アリゾナのフェニックス、ミズーリのセントルイスなど。この場合彼女 はニューハンプシャー、アリゾナ、ミズーリの三つの州で医療倫理に違反している恐れがある、とバビッシュは言う。それを聞いたアビーも内心は 穏やかではないがそれは表には出さずにいるがバビッシュは続けて目の前にある資料を読む。医師として職業倫理に背く行為をしたものは懲戒処分を 受ける場合がある、と。だがあの状況ではそれが最善の処置だった、とアビーは言い返す、加えて、自分の施したケアに落ち度はない、とも。だが バビッシュは彼女が記録をつけてないと知り、さらに目の前の資料を読み上げる、記録をつけるのを怠った場合も同様に処分を受ける場合がある、と 。アメリカ医師会の倫理規定にも、たとえ家族にでさえも勝手な治療行為は厳禁、とあるのだ。だが影では皆やっている、とアビーは強気に言い返す がそれでもバビッシュの追求は彼女の心情を考慮しないかのように弱まらない。それどころか逆に、夫に浮気の有無を聞いたことがあるか、といった 質問ですら構わず尋ねる。何故ならアビーが家族の健康問題に勝手に首を突っ込んでもいいというのならバートレットが浮気をして何かの病気にかか っているかもしれない、といった事まで尋ねなければならないと考えられるからだ。アビーは当初よりも弱い声で、しかし真っ直ぐな目で「何があっ ても夫の隣にいたい」と言う。バビッシュも自分の弁護士をつけるよう繰り返し彼女に頼むと「ありがとうございました、ドクター・バートレット」 と言って地下室の部屋を出て行く。

夜になり、ホワイトハウスのジョシュの部屋も机の上のランプがついている以外は真っ暗な状態である。そのジョシュも両手を額の上に押し付けなが ら両腕を机の上に乗せて座ったまま動かないがやがてドナが入ってきてバインダーを整理してから声をかけると彼も現実世界に戻る。今日一日中 タバコ問題に関わっていてホワイトハウスにいなかったジョシュにドナが大統領からの通達で今夜9時に公邸でミーティングがある、と伝える。ジョ シュはそれが「あの問題」である事に気づき、ドナに対してそのミーティングが超党派諮問委員会に関する事だ、といろいろ言い訳がましく説明する がそんなジョシュにドナが言葉を差し挟む「射手座」。ジョシュはしばらく固まっていたがやがて彼女に、大丈夫か、と気遣う。だがジョシュの予想 に反して彼女は気丈に振舞う。彼女は既に地下室の会議室の隣の空き部屋にカウチを二つとまくらとふとんをいくつか持ち込んでいると言う。CJが 会見中である事を確認するとレオが今すぐ呼んでいると伝えられるジョシュ。

ジョシュが尋ねたとおりCJが会見を行っている。米州機構はハイチの暴動に関する緊急会議の開催に同意はしているがまだ確定はしていないようだ と発表している。記者からの質問には最低限の答えだけを返して早々とその場を引き上げるCJ。会見を終えて外に出ようとする彼女にレオから召集 がかかっていると伝えるキャロル。

レオの部屋で落ち着かない様子で待っていたトビーが、レオが戻ってくるや否や「正気の沙汰じゃない」とまくし立てる。ここで我々がこの政権の 未来を決める重要な戦略を練り上げているというのに肝心の大統領が再選に対する意欲をまだ見せていないからだ。今夜中にでも話し合わないと、と 言うとレオが「今夜話し合う」と言うのでトビーはひとまず静かになる。そこへジョシュが入ってくるがトビーだけを外に引っ張り出す。

ジョシュ:ドナに話しましたね。

トビー:あぁ。

ジョシュ:どうして僕にやらせてくれなかったんですか?

トビー:おまえがまだ話してなかっただけだ。

ジョシュ:(間を置く)それで彼女はどういう風に受け止めました?

トビー:もし国民全員が彼女が受け取ったような反応をしていたらいいのにな。ホワイトハウスの職員が同じように受け取っていてもそれはそれで いい事だ。

ジョシュ:僕のためですか?

トビー:私のためだ。

二人がレオの部屋に戻るとレオがジョシュにタバコ訴訟の件についてジョシュに尋ねてくるのでジョシュが答える。予算を管理している小委員会の議 長が予算の決定に関する投票を行うつもりはない事を。仮に行ったとしても8対7で負ける。共和党の二人は賛成しているが民主党のウォーレンと ロシターがイデオロギー上の問題で反対しているため結局8対7で負けることになる、とジョシュは説明する。レオは荒々しく二人のケツを蹴飛ばし てやればいいと言うがジョシュが言うに、ロシターが司法委員会にいることだ。彼を怒らせて、訴訟を前に司法委員会を敵に回すのは得策とは言えな い。トビーは頭に手を置きながらその様子を伺っている。

レオ:はっきり言っておくぞ。我々は目的に向かって立ち止まらず、臆せず、迂回せず、延期せず、姑息にせず、曖昧にせず、また取引しない 外からのどんな妨害工作がこの2,3日、2,3週間、2,3ヶ月の間にあったとしても目標に向かって突き進むだけだ

そこへCJが部屋に入ってくる。

トビー:いつそれを決めたんです?

レオ:たった今だ。


やつら二人をどやしつけてやれ、とジョシュに向かって言うレオ。そしてCJにどうするつもりなのか尋ねると水曜の夜にミューラルルームから生放 送する事にした、と伝えるCJ。このインタビュアーなど10時間以内に準備するよう伝え、CNNでも流すことを決めたのでまだ決まっていない大統領の 再選問題についても早く話し合うべきだと言う。だが今夜それについて話し合われると聞いてCJは少し胸を撫で下ろす。そこへようやくサムも入っ てくると早速アビーから教わった医学的知識を披露してみせるがレオは聞いていない。もっとも今の彼らに、内耳神経の三半規管にリンパ液が蓄積 される事によって起こるのが一般的に「めまい」と呼ばれる症状である・・・・・・事などどうでもいいに決まっている。サムはせきをきったよう に大統領の再選問題について今すぐ話し合うべきだとレオにまくし立てるがやがて今夜話し合われると聞いて納得する。しばらくして午後9時までに 、話し合いを行う鋭気を養うために何か腹ごしらえをするように促すレオ。それを受けてスタッフが次々と出て行くがジョシュだけはレオに呼ばれ たので彼について行く。タバコ会社の訴訟に対してこちらがひるんではならない。奴らのケツを思いっきり蹴飛ばしてやれ!ジョシュもCJに会見で 大統領からの声明文を発表させるようにしたいと言う。”大統領は議会に対し、司法省がタバコ訴訟に関する訴訟費用を提供するように呼びかけて いる”。”これはアメリカ国民のための訴訟だ”とレオも付け加える。さらにジョシュも付け加える”タバコ会社の怠惰によって何千人ものアメリ カ国民を死に追いやった欺瞞に対して訴訟費用を出し渋っている歳出委員会のメンバーに、バートレット政権はベンチに座って見ているようなこと はしない!”。ジョシュは完全に元のやる気を取り戻したかのようにそのまま勢いよく部屋を出て行く。

一方レオはそのままオーヴァルオフィス前の部屋に行き、受話器を持ちながら佇んでいるチャーリーを見て不思議に思い、話し掛ける。

チャーリー:レオ・・・ポトマック18番通り(18th and Potomac)で事故がありました。ミセス・ランディ ガムはここへ車を運転して帰る途中でした。

レオ:何があったんだ?

チャーリー:酔っ払い運転の車がその通りを赤信号を無視して猛スピードで突っ切ってきたんです。

レオ:チャーリー、彼女は無事なのか?

チャーリー:いえ・・・亡くなりました

非常に長い間を置き、レオはその事実を何とか受け止めると訃報を知らせるためシークレットサービスの待機している柱廊の方からバートレットの いるオーヴァルオフィスへとゆっくり向かっていく。その足取りは非常に重く、どう切り出そうかと考えているようでもある。オーヴァルオフィス のドアの手前で長い間仕事をしているバートレットを見つめながら足を止めていたがやがてドアを開け、中に入るとバートレットの方まで歩いていく 。ドアの向こうでは二人の男が会話を交わしているようだが笑みは見られない。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J. Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Oliver Platt as Oliver Babish
Anna Deavere Smith as Nancy McNally
Stockard Channing as Abigail Bartlet
Marlee Matlin as Joey Lucas
Bill O'Brien as Kenny Thurman
Gregalan Williams as Robbie Mosley
Glenn Morshower as Mike Chysler
John Rubinstein as Andy Ritter
Peter Michael Goetz as Paul Hacket
Richard McGonagle as Warren
Robert Walden as Rossiter
Ana Mercedes as Sally
Roger Ontiveros as Sidney
Wendy Haines as Abbey's Agent
Victor McCay as Henry
Thomas Spencer as Military Aide
Mindy Seeger as Kris
Andy Milder as Mark
Ariel Felix as Bobby
Charles Noland as Steve
Kris Narmont as Katie
Devika Parikh as Bonnie
Melissa Fitzjerald as Carol
NiCole Robinson as Margaret
Kathryn Joosten as Mrs. Landingham



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