TWW2-16 -Somebody's Going to Emergency, Somebody's Going to Jail-

WRITER	：	AARON SORKIN, PAUL REDFORD
DIRECTOR	：	JESSICA YU
US TRANSMISSION DATE 21 February 2001 UK TRANSMISSION DATE 25 September 2001(E4) JP TRANSMISSION DATE 31 January 2004

THE WEST WING

2-16 :
E P I S O D E # 38
2004/01/31 on NHK

SOMEBODY'S GOING TO EMERGENCY,
SOMEBODY'S GOING TO JAIL（刑務所へ行く者、緊急事態に陥る者）
脚本化組合賞（Writers Guild of America, USA）ノミネート

WRITER ： AARON SORKIN, PAUL REDFORD
DIRECTOR ： JESSICA YU

US TRANSMISSION DATE
21 February 2001
UK TRANSMISSION DATE
25 September 2001(E4)
JP TRANSMISSION DATE
31 January 2004

-STORY-
父親の浮気、それも28年も前から続けられていたという秘密を知ったサムは、仕事の重責も重なって、肉体的にも精神的にも参っていた。そんなある日、サムの元にドナの親友のステファニー・ゴールトという女性が、かつて赤狩りの容疑で投獄され、そのまま獄死した祖父の恩赦を求めてやって来る。彼女は祖父の無念を晴らして病気で死期が近い父親に安らぎを与えたいのだ。かつて卒業論文の中で恩赦の重要性を説いていた事まで持ち出されたサムはその件を引き受けるもののシチュエーションルームで待っていた国家安全保障問題担当補佐官のナンシー・マクナリーから「この事件から手を引いて」と言われる。一方レオは毎月恒例で、普段彼らと会う事のない団体と話し合う機会を与える「チーズの日」を開き、スタッフに役割分担を割り当てる。トビーには世界貿易機関に抗議する団体との話し合いを、CJには平等世界と地図の作成をそれぞれ割り当てる。
そして真実を知ったサムが再びステファニーの前に立つ・・・・・・。

INTO THE MAIN TITLE:★★★★☆

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-TEASER-
～　Don Henryの"New York Minute"がステレオから流れる　～

夜明け前の薄暗いワシントンDC、ホワイトハウスは静かそのもので普段のざわめきは微塵も感じられない。広報部のオフィスではメッセンジャーのスタッフが手紙を置いていっている。ロビーでは勤務についていた警備員が交代している。そんな早朝のホワイトハウスに早くもレオがやって来る。

Lying here in the darkness
I hear the sirens wail
Somebody’s Going to Emergency,
Somebody’s Going to Jail.

トビーの部屋ではサムがカウチの上で横になって眠っている。

If you find somebody to love in the world
You better hang on tooth and nail
The wolf is always at the door

トビーの部屋で眠っているそのサムを早朝出勤したレオが見つけて、部屋に入る。

In a New York minute, everything can change
In a New York minute, things can get a little strange

レオがサムを起こし、サムは目覚める。

In a New York minute, everything can change
In a New York minute

サムが今日の曜日を尋ねるとレオは金曜日だ、と答える。

And in these days
When darkness falls early

どうやら昨夜からずっと寝ていたらしい。僕のオフィスにはカウチがないんですよ、とサム。

～　Don Henryの"New York Minute"が流れているステレオをサムが切る　～

くしゃくしゃになったシャツを着替えようとするサムはレオにどうしてこんな朝早くに出勤したのか尋ねる。それは世界貿易機関（WTO＝World Trade Organization）に抗議する抗議者のデモ隊およびそれを止めるために配備された半径4ブロックにも及び、ペンシルバニア大通りをM番から21番にまで及ぶ警備網を敷いたメトロ警察の警官隊を避けるためだ。途中、世界地理協会（NGS＝National Geographic Society）の周りで警察が検問をやっているのを見て引き返したりしてあちこち回り道をしてようやく出勤できたというわけだ。二人はレオの部屋に入る。今度はレオが恩赦の推薦状に関してサムに尋ねる。サムは恩赦司法局（OPA＝Office of the Pardon Attorney）と司法省、そして主席法律顧問のトリビーからの恩赦の推薦状を検閲し、それを大統領に提出することになっているのだ。今回その恩赦数は18にも及びそのいずれもが郵便詐欺や証券詐欺などで有罪になったものだ。レオはサムがその事件を法廷に持ち込んで再審議をするのではないかと疑うがそんな事はしない、とサムは言う。レオはシャツを着替えるよりもまず家に帰ったほうがいいとアドバイスする。実はレオはサムに関する噂をジョシュから聞いていたのだ。 サムの父親は浮気をしていた。そして、私の父親もそうだった、とレオは告白する。

サム：親父はカクテルのウェイトレスをひっかけたんじゃないんですよ、レオ。サンタモニカのアパートに愛人を持っていたんですよ・・・

レオ：あぁ。

サム：・・・28年間も。

レオ：どうして分かったんだ？

サム：僕の親父はスペインで育った男よりも間が抜けてるんですよ。だからどうして今まで捕まらなかったのか不思議なぐらいなんです。

サムがミーティングで会う約束をすると二人は廊下を歩き始める。レオはやはり家に帰ったほうがいい、と言うがサムは恩赦のリストの最終チェックをするつもりでいるためまだ残る。

サムが広報部のオフィスに入るとすでにジンジャーも出勤しており、彼女はサムに挨拶してから受話器を取る。

ジンジャー：（電話の相手に）どうも、ジンジャーです。6時35分に広報部のオフィスを開けました。

-ACT ONE-
レオがこれからルーズベルトルームで行うスピーチ内容を熟考しているのをジョシュは憂いている。毎月公開している「大きなチーズの塊の日」のスピーチはジョシュをはじめスタッフ全員が聞き飽きてうんざりしているからだ。ジョシュには可哀想なことにそれでもレオはスピーチを止めないつもりでいる。ところで今朝の出勤の際にジョシュは例の世界貿易機関の抗議デモにかなり足止めされてきたようでそれを回避しようと朝早に出勤したレオの予感は的中していた。そして「チーズの日」の割り当てとしてそのデモ隊と話し合う役目をトビーに任せるつもりであると聞きジョシュは自分が任されなかった事に喜ぶ。それよりもアメリカは世界貿易機関に加盟しているが本部と世界銀行はスイスのジュネーブにあるのだからデモを行うならジュネーブでするべきですよ、とレオに愚痴るジョシュ。ルーズベルトルームに着くと30人はいるスタッフを黙らせ早速スピーチを始めるレオ。だが開口一番、チーズの日の考えの元になった第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの名前を口にするや否やスタッフから一斉にため息が漏れる、もっともレオは気にしていない様子だが。そのレオの名スピーチを遮ってCJがチーズの日の割り当てに文句をつける。彼女が割り当てられたのは「平等社会の地理製作協会」とのミーティングだ。アシスタントのラリーが「NIH（National Institutes of Health＝国立衛生研究所）によるサメの軟骨を使用してのガン治療の研究基金報告」と交換しないかと持ちかけてくる。もう一人のアシスタントのエドは「ワシントンDCを州にする市民会」を、ドナは「ケンプヒメウミガメ（Kemp's Ridley＝学術名：Lepidochelys kempi）を守る会」を担当することになっているが・・・首席補佐官に面と向かって文句を言えるのは上級職員ぐらいのものだろう。そこへその上級職員の一人であるトビーが世界貿易機関のデモ隊に文句を言いながらルーズベルトルームに入ってくる。今のデモ隊はかつて陸運局（DMV＝Department of Motor Vehicle）の周りで組織されたデモ隊とは比較にもならない。レオのスピーチを遮ってトビーは喋り続ける。警察はインターネットでデモ地の情報を握っているのでデモ隊に先回りして素早い対応で待ち構えている。だからこの連中はアマチュアなんだ。そのアマチュアと会え、とレオ。おおよそ100人の世界政策研究会（WPS＝World Policy Studies）がフォーラムを出していて彼らにトビーと自由な意見交換をしてもらいたいのだ。ジョシュの後押しもある、とレオはさりげなく付け加える。選択肢は他にも二つありますよ、とジョシュ、手におえない暴徒たちと会うかそれとも地図オタクたちと会うか。あるいはもっと給料の高い仕事に就くかだな、とトビー。抗議集会では通信社だけを入れることにしていてカメラは持ち込ませていないそうだ。きりのいいところでレオがチーズの由来について本格的に話し始める。アンドリュー・ジャクソンがホワイトハウスの玄関前に2tのチーズの塊を置いた。レイク・タホ並みの小麦ですね、とジョシュが茶々を入れる。そこにスタッフの一人がドナにこっそりとメモを渡し、ドナはジョシュに断ってから部屋を抜ける。

悪夢のミーティングを逃れ、ロビーから少し入った廊下のところにやって来たドナは友人のステファニー・ゴールトと再会して抱き合う。ホワイトハウスに初めてやって来たというステファニーは何故か小声で話しているがドナは普通の口調で話すように勧める。ドナは、大統領が外出する10時になるまではしばらくジョシュの部屋で待ってほしい、と言って彼女を部屋まで案内する。今ジョシュを含めスタッフの何人かはルーズベルトルームでチーズの悪夢を体験しているためいつもより人の数は少なく見える。ジョシュの部屋でイスに座った二人は早速話を始める。まずはドナがレオ主催の「大きなチーズの塊の日」についてステファニーに説明する。毎回こんな説明するなんて信じられないけど、とレオの固執ぶりに呆れながらドナは説明する、第7代合衆国大統領のアンドリュー・ジャクソンがホワイトハウスの玄関前に2tにも及ぶ大きなチーズの塊を置いた。その精神でレオ・マクギャリーはある上級職員たちに、普段ホワイトハウスに耳を傾けてもらえない人々や団体とのミーティングをセッティングさせているのだ。この悪夢を体験したことのないステファニーは目を輝かせているが途端に本来の目的に戻りドナに尋ねる。ドアを閉めたドナは、彼女から頼まれた件をサムに言う機会がなかった、と説明する。ステファニーは、サムの意見には大統領も耳を傾けるだろうから彼に是非とも話を通してもらいたがっているのだ。だがドナは正直なところ気が進まない。最近父親の浮気を知り、仕事の重責も重なって精神的にも疲れている今のサムにもし断らせるような事にでもなるのでは、と考えると気が気でない。だがステファニーの父親の命は今にも尽きようとしているため何とか事を急いでほしい。ドナはステファニーの真剣な顔を見て一転、何とかサムに掛け合ってみると約束する。そしてサムに会ったときに次のように言うといい、とアドバイスする。「あなたには大統領に顔が利くほどの影響力がある、と聞いたんです」。ステファニーは彼女自身がサムと会うという事に驚くがドナは「チーズの日」だから全然構わないわよ、と安心させる。

-ACT TWO-
バートレットが、1兆ドルを超える誤差ばかりを出す、当たりもしない経済分析報告を占い師と霊媒師と一緒に嫌々聞くことにしながらチャーリーと一緒にオーヴァルオフィスへと入っていく。バートレットの兄のジョナサン・バートレットから図書館の建設予定地に関するファックスが届く予定だと知らされる。バートレットは、ジョナサンに子供の頃トランクの中に閉じ込められ、海産食品と一緒にずっとそこにいたという苦々しい過去を明かす。そう悪くもないでしょう、と淡々と返すチャーリー。彼にはどうでもいいことらしい。それよりもバートレット図書館の法律顧問ネーダ・ワリンと話したジョナサンによれば図書館の建設予定地が歴史建造物（納屋、橋など）保存法に明らかに違反するというのだ。その法案にはこうある「人気のない、1900年以前に建てられた農場や牧場などの建造物は神によって破壊されるまで所有者のものとして保存される」。いかにも馬鹿らしい法案でバートレットは人事のようにその法案にサインした州知事を「肩掛けのフランネルを着た、チーズを食べたり牛乳ばかり飲んでるオヤジ」と言ってバカにする。それを聞いたチャーリーは気まずそうに目をそらす。その様子に気づいたバートレットがメガネを外して尋ねる。「私なのか？」「そうです」。・・・・・・というわけで第2の候補地に大統領の方からゴーサインを出してほしいそうです、と報告するチャーリー。バートレットは分かったと言うがすぐに考えを翻してジョナサンに、自分で決断を下す、と伝えてくれと頼む。

広報部のオフィスに戻ってきたサムは約束を取り付けていたドナと会い、彼女の友人のステファニー・ゴールトを紹介され挨拶を交わす。3人でサムのオフィスに入って話を始める。ドナはウィスコンシン大学にいたときに嫌気がさしたボーイフレンドが同じだったという縁でステファニーと仲良くなった、と話す。現在彼女はマクスウェル学校で国際関係の助教授を務めていて今この町にいるのは皮肉にも世界貿易機関（WTO）にマクロ経済学の観点から世界通貨の危機が近いうちにやってくる、とアドバイスしに来たのだそうだ。そしてサムから尋ねられステファニーはおもむろに「私の祖父はダニエル・ゴールトです」、と切り出す。サムは信じ難い顔をしているが彼もドナもそれが誰でどんな事をした人物かという事を知っている。FDR （フランクリン・デラノ・ルーズベルト）の特別経済担当補佐官で国務省の東ヨーロッパの特別連絡員だった人物だ。サムは続けたくないがドナはその先の話を知っている。彼は40年代の政府職員でその後スパイ活動で投獄され6ヵ月後に獄死した。サムがそれを少し訂正する。スパイ活動は立証できなかったから正確にはHUAC（House Un-American Activities Committee＝下院非米活動調査委員会）での偽証罪で投獄されたのだ。ステファニーはサムが今恩赦リストを作成しているのを知ってその祖父の恩赦を求めてホワイトハウスにやって来たのだ。彼女はさりげなく「サムが大統領に顔が利く、と聞いた」、と付け加える。サムはその話を聞いてため息をつく。既に亡くなっている人間が悔い改めているかどうかを立証することは不可能だし、ましてやその人物の無実を証明するのは果てしなく不可能に近い。だが、あなたはすでになさっています、とステファニーは言う。サムがすでに、彼の無実をかなり強引な方法で証明しており、非常に雄弁な論調で恩赦の必要性も説いている、と説明して鞄からその論文を出す。サムが大学時代に彼女の父親に送ったものだ。50年も前に死んだ人間に恩赦を与えるためにサムを駆け回らせるのはステファニーにとっても本当はやりたくない事だ。だがそうとばかりは言っていられない。早くしないと病の床に伏せっている彼女の父親が亡くなってしまう。だからそれまでに祖父の朗報を知らせて彼女の父親を安心させてあげたいのだ。とりあえずサムは、食堂でコーヒーを飲みに行こう、と誘う。

世界貿易機関の抗議集会へと向かうタクシーの中でトビーは口笛を吹きながら新聞を読んで落ち着いているほどの余裕を見せている。建物の前まで来て、タクシーから下りて中に入っていくと婦人警官のロンダ・サックスがトビーの警護についていてくれると言ってついてくる。

トビー：十分な訓練を積んだか？

ロンダ：えぇ。

トビー：人の殺し方をいくつ教わった？

ロンダ：いくつ必要なんですか？

気に入ったよ、と会場の方に向かいながらトビーが言う。だが残念ながら今日の警護はラクだぞ。

サムとドナとステファニーが食堂で先ほどの件の先の話について話し合っている。サムが恩赦の決定プロセスについて説明する。恩赦司法局から推薦状を受け取りそれを大統領が見て大抵の場合は法律顧問のオフィスに回して更なる追加文を頼む事になっているため時間がかかる。そこでまずサムは司法省のFBIと会って断っておくつもりだ。ステファニーは、過去に祖父を赤狩りのリストに載せていたのがFBIだったのを知っているので困惑する。だがサムはまずは断っておかないと何も始まらない、と念を押す。ステファニーの父親がかつてFBIに情報自由化法を利用して祖父の資料の情報開示を求めたがFBIは9つの例外のうちの3つに当てはまるといってそれをはねつけた。国防と外交関係の情報については当時のFBIには後ろめたいことがあったからだ、とステファニーは反論する。サムもそれは知っているがだからこそ彼らに断っておく必要がある、と彼は考える。さらにサムは時間がかかる、と彼女に何度も念を押す。だがステファニーはそれでも構わない。ただいいニュースを病気の父に知らせたいだけなのだ。サムは、その話の一部始終を後ろで聞いていたジョシュと一緒に食堂を出る。
話をしながら二人は階段を上がっていく。ジョシュはゴールトの件や最近サムの身に起こった事で彼を気遣おうとしているのか次々と話し始める。かつてリンカーンも暗殺された日に脱走兵のパトリック・マーフィーに恩赦を与えていた。サムは少し鬱陶しがっている、と打ち明ける。笑わせたいんだよ、とジョシュ、CJの地理製作協会とのミーティングに出たらさらに笑えるぞ。そんな事よりもサムはFBIの知り合いに電話をつけてくれればそれでいいのだ。

-ACT THREE-
ある程度の大きさを持った部屋の中の壇上に上がったトビーは呆れ返りながら100人から200人にも及びそうなざわめく抗議者たちを見下ろしている。そのトビーがロンダに早速命令を下す。「銃を撃て」「室内で威嚇射撃はできませんよ」「なら本気で撃てばいいだろ」本気とも冗談とも取れない命令で驚くロンダにトビーはあくまで冗談だよ、と言う。そして何とかこの騒動を静めようとトビーは壇上から降りて抗議者のリーダーらしき男に「（アレクサンダー・）ソルジェニツィン」と言って話し掛ける。室内にカメラを入れなかったのは君の失敗だ。カメラがあれば抗議者たちを静められない際に自分が恥を掻くことになるがカメラがなければここに座って2時間新聞のスポーツ欄を読んでても外に出て「話し合いました」と言う事ができるからだ。トビーの言いたい事が分かったウェバーは早速メガホンで群衆を静めて話を聞くよう促す。場内が静まったところでトビーは挨拶しようとするがマイクが入っていなくて勢いを殺がれる。だがすぐに大声を張り上げて自己紹介をする。私の名はトビー・ジーグラー、ホワイトハウスの広報部長兼大統領の国内政策の上級顧問を務めている！とそこまで言ったところで群集の一人が自由貿易より空気清浄の方を優先させろ、と言ったのを皮切りに再び他の群集も叫びだしてしまう。何人の12歳の子供が靴を作っていると思う！？そしてついには「世界平和を今！」コールが上がりトビーはロンダにピザでも頼もうか、とボヤきながらイスに座り足を机の上に乗せて新聞を広げて読み始める。

サムがFBIのマイク（マイケル）・キャスパー特別捜査官に会う。受付のリストには載っていなかったようだが顔見知りなので彼からすぐに部屋に通される。だがキャスパーは乱暴にドアを閉め、ダニエル・ゴールトのファイルを要求することですら自分の職務権限から著しく逸脱している、とサムに警告する。だがサムはすぐに反論する。サムはまず礼儀としてここに断わりに来たのだ。ダニエル・ゴールトの情報を要求して恩赦司法局に行くのにキャスパーの許可は要らないのだから。連邦犯罪で6ヶ月服役した男に恩赦を与えるつもりか、とキャスパーは言うがまたもやサムが訂正する。正確には心臓病で死ぬ前に、検事がスパイ容疑を立証できなかったから偽証罪で6ヶ月間服役していたのだ。陪審員12人全員が無罪だと言ったのに君はまだ疑うのか？とサム。だがゴールトはジョー・マッカーシーの挙げた赤狩りのリストに載っていたし、この共産主義思想の運動は歴史上かつてないほどの運動だともされてきた、とキャスパーは主張する。だがサムにはキャスパーがまるで赤狩りを擁護しているかのような印象を受けているように思えてならない。あの赤狩りのリストにはマーシャル計画を著した、アイゼンハワーが師と仰いだ人物、ジョージ・マーシャル将軍やオーウェン・ラティモア、I.F.ストーン、さらにはTVコメディの脚本家も摘発を受けた。「女性No.1」（’42）と「M★A★S★H」（’70）で2度の脚本賞のオスカーに輝く、ハリウッド・テンの一人とも言われていたリング・ラードナー・ジュニアまでもがその犠牲になっている。もちろん間違いもあったさ、とキャスパー。実際FBIの過去には拭ってしまいたい汚点がいくつもあるのは確かだがそれを言えば大統領執務室の中でも歴史を遡れば汚点の一つや二つはあった時もあるはずだ。だがFBIの場合失敗は公にされても成功は秘密にされている。だからウェストヴァージニア・ホワイトプライドのような国家の敵を捕らえてもサムとコッキー出演の日曜のニュース番組で報道されることはまず有り得ない。それにFBIはロスリンで大統領が狙撃された時に天蓋を下ろすよう命令を出したのがシークレットサービスではない事をも知っている。サムはキャスパーがトビー・ジーグラーを脅していない事を切に願う。キャスパーもそんなつもりはない、と言う。とにかく、とサムは、FBIが恥を掻くから、という理由ではとても隠しておく理由としては適切ではないとしてダニエル・ゴールトを恩赦リストに載せるつもりだ、と言って部屋を出る。そのすぐ後にキャスパーはどこかに電話をかける。

平等社会の地理製作協会の面々と会うことになっているCJは遅れながらも会見室に着くや否や早速彼らと自己紹介を交わす。彼らの名前はシンシア・ファロー博士、シンシア・セイルズ博士、ドナルド・ヒューク教授。彼らの所属する OCSE（Organization of Cartographers for Social Equality＝平等社会のための地理製作協会）には4300人もの会員がおり、年会費が20ドルなのだという。それでは、と始めようとしていたところに暇そうにしていたジョシュがやって来て急遽このミーティングに参加したいと言って割り込んでくる。CJはジョシュに彼らの紹介を言って聞かせる。ファロー博士と愉快な仲間たち（his merry men=The Adventures of Robin Food）という紹介に彼らも微笑む。早速ジョシュはCJの隣に座って話を聞く。話はいたって単純です、と博士は説明し始める。我々はバートレット大統領にアメリカの全ての公立学校で地理を教える際に従来のメルカトル図法ではなくてペーターズ投射法を使って教えることを法令で義務付けしてほしいのです。200ドルで請け負いますよ、と冗談を言うジョシュ。CJが何故地図を変える必要があるのか尋ねる。なぜならこのメルカトルの投射法が一世紀にわたりヨーロッパの大英帝国的な態度を助長し、第三世界に対する人種的偏見を作り上げたのだと言う。メルカトル図法とはドイツ人地理学者のメルカトルが1569年にヨーロッパの船乗りたちの航行用道具として独自に設計した地図で、極点の方に進むにしたがってエリアが大きくなっていくのが特徴だ。それも海での交差点を割り出すのに便利なのではあるが国と大陸の大きさの関係がズレていくのが問題だ。この地図によればグリーンランドとアフリカ大陸の大きさはほぼ同じに見えるが実際にはアフリカ大陸の方が14倍も大きいのだと言う。ヨーロッパは南アメリカよりかなり大きいように見えるが実際には約1104万㎡の南アメリカに対してヨーロッパはおおよそ半分の608万㎡でしかないし、アラスカはメキシコの3倍もの大きさを有しているように見えるが実際にはこれもメキシコの方が10万㎡ほど大きいのだ。ドイツも赤道と極点の真ん中辺りにあると見えるが本当はかなり極点に近いところにあるのだと言う。そこまで言うのを聞いたジョシュは慌てて、ドイツの位置まで違っている、という事に疑問を返す。そこでファロー博士が「実際の地図」というペーターズ投射法を画面に映し出す。そこにはほとんどの国が極点の方に偏っている、一見して不気味な地図があった。ジョシュもCJも思わず一緒に前に体を傾ける。軸や位置は正確で、東西の線が平行になっていて南北の軸と正しい角度で交わっているのだそうだ。だが一体全体何が映っているのか分からないといった表情を浮かべている二人に、博士は先に進みましょうか、と言ってくるのに対しジョシュは驚きの表情を変えずにただ「えぇ・・・」とだけ言うのだった。

世界貿易機関の抗議集会会場では相変わらず抗議者たちが叫び続けている中、リーダーのウェバーが彼らのうちの何人かをなだめようとしている。だがその彼らも全く耳を貸そうとしないばかりか大統領を選びなおすべきだとまで言い出す始末。そんな抗議者たちの喧騒ぶりをよそにトビーはのん気に新聞を読んでいる。その様子を伺ったロンダはトビーがこの状況を結構楽しんでいるのでは、と思う。ヤンキースの試合ほどじゃないがね、とトビー、だがすぐに考えを改め、いや、実際のところヤンキースの試合を見ているようなものか、とボヤく。そんな暇そうにしているトビーを見てロンダが、この抗議者たちが何に怒っているのかをふと尋ねる。世界貿易機関に関するという事だけは彼女にも分かっている。

トビー：世界貿易機関には、特定の貿易政策に賛同する、140もの国が加盟している。

ロンダ：なら何が問題なんです？

トビー：何も問題ではない。

ロンダ：彼らに同じ事尋ねたら何て言うでしょうね？

トビー：WTOは国民ではなく企業に利益を与えている、と言うだろうな。

ロンダ：実際のところは？

トビー：両方に利益を与えている。（わめき続ける抗議者をさして）彼らを見ろ。

ロンダ：はい。

トビー：まるで（高度な文明と鉄の武器を持ってイスラエルを支配していたパレスチナの）ベリシテ人（Philistines）みたいだよ。

ロンダ：私の警棒貸しますからどついてきたらどうです。

トビー：いろいろ冗談を言いたいとこだろうが言わせてくれ。彼らは恵まれない人々に対する抗議だと言ってるそうだが、この町はアメリカで一番黒人が多いと言われているのにこの中には黒人の顔が見当たらなければアジア人やヒスパニックも見当たらない。彼らの言う第三世界の代表は一体全体どこにいる？

ロンダ：閣議室には第三世界の人たちが多いですものね？

トビー：私を怒らせるつもりか？

ロンダ：武装してますので。

トビー：なるほど、気に入ったよ。

そこまで言うとトビーは抗議者が叫び続けている中、外へ出て行く。

ホワイトハウス北西部のロビーに戻ってきたサムにチャーリーが合流して、大統領が図書館建設予定地にと選んだ最初の候補地に18世紀の農場があるために取り消されることになりそうだ、と説明する。まだ2,3年ホワイトハウスにいるんだから図書館建設の話なんて早いだろ、とサム。そこでチャーリーと別れたサムが広報部のオフィスに戻ってくる。そしてまた一休みしようとトビーの部屋に入っていこうとしたところに国家安全保障問題担当大統領特別補佐官のナンシー・マクナリーから連絡が入っている、と秘書のジンジャーから知らされてサムは彼女に会いに行く事にする。
シチュエーションルーンはナンシー一人だけで彼女は電話会議をしているところだ。そこへサムが入ってきて彼女に合図されて部屋の奥まで行く。ナンシーは電話会議で防衛力と即戦力についての話をしているのだが電話の相手からよく別人に間違われるらしい。私の声って中性的かしら、と聞かれてもサムは肩をすくめる以外に何もできない。とりあえずサムが座るとナンシーは電話を切って単刀直入に言う。

ナンシー：ダニエル・ゴールトの件は諦めなさい。

サム：ナンシー・・・

ナンシー：ダニエル・ゴールトは諦めて、今すぐによ。

サム：何故です？

ナンシー：今あなたにそう言ったからよ。

しかし弁護士でもあり、彼の事をいろいろ調べたサムはいきなりそう言われても納得できるはずがない。彼の有罪を示す証人が一人いた、と話し始める。この証人になった男の名前はアール・ライデッカー、国務省に勤める下級職員でFBIの対情報オフィサーに彼とゴールトがアメリカの経済分析に関する報告書を作成してロシア大使館でソビエトのエージェントに送っていたと自白したのだ。ナンシーは、そうよ、とだけ言い、サムは続ける。彼はそう自白した、だがこの自白には何の根拠もなかった。それも知っていたナンシーはまたも、そうよ、とだけ言う。その後、ライデッカーは医師に躁鬱（そううつ）病であると診断された。退職したKGBのオレッグ・プロソロフ大佐によればルビャンカでの調査ファイルには一つだけゴールトのファイルがあった。それによれば大佐は1943年に彼に近づき「非常に非協力的」というラベルを貼って「リクルート（採用）には不適格」という烙印を押した。・・・・・・だがそれだけ聞いてもナンシーは、ダニエル・ゴールトはスパイよ、とサムに言う。アメリカの陸軍が1940年に情報部の信号を傍受したというのだ。だがそれなら何故連邦検事が1950年代にスパイ行為を立証できなかったのか？それは1970年代になるまで暗号が解読されなかったからだ、とナンシーは言う。暗号が解けてゴールトがスパイだと判明したならなおさらFBIはそれを公表すべきではないのか、とサムは言う。だがナンシーは、そんな事はFBIはおろかNSA（National Security Agency＝国家安全保障局）やCIAだってするはずがない、と強く言う。敵側の暗号を破れた事を公表するはずがない。・・・・・・ゴールトが死んでから長い年月が経つが生前の彼は”ブラックウォーター”というコードネームで呼ばれていた。ヤルタ会談に派遣され、ロストフでレーニン勲章を受勲したその帰りにアメリカに帰還したのだ。サムは証拠のファイルを見せてくれたら信用する、と言うとナンシーは重々しいファイルの束をサムの前に差し出す。それを見たサムはそれがFBIのファイルではない、とすぐに分かる。ナンシーが言うにはNSAのファイルだ。秘密文書取り扱い許可が降りていないサムがこれを見たら、差し出したナンシーは刑務所送りになってもおかしくないだろう。だがもちろんナンシーもそんな馬鹿な真似はしたくない。機密扱いになっていて見てはいけない箇所やサムの話に関係のないところはちゃんと黒く塗りつぶされている。ナンシーは自分を見るように言い「私を信用する？」と問いかけ、サムは「もちろんです」と答えファイルをパラパラと見ていく。ナンシーは再び受話器を取って電話会議に戻り、防衛力と即戦力の違いを電話工の相手にこれまた再び説き始める。

-ACT FOUR-
会見室ではまだ地理製作協会とのミーティングが続いている。先ほどの地図を不可解そうに見ているCJにファロー博士が言う。

ファロー：この地図が平等社会とどんな関係を持っているのか、と思ってらっしゃるんでしょう？

CJ：いえ、フランスはどこにあるかと思って。

ヒューク教授によれば社会研究会の国際会議のサルバトール・ナトリはこう言ったそうだ「われわれの社会では無意識のうちに国の大きさを重要度や権力で決めてしまう」。ジョシュとCJは止まったまましばらく動かなかったがやがてつまらないと思ったのか、トビーの様子を見に行こうとしてジョシュが先に部屋を抜けようとする。その際にCJに、この地図でブリガドゥーン（Brigadoon＝架空のスコットランドの村）が見つかったら教えて、と言ってからジョシュはミーティングを外れる。有り得ないと思うけど、とCJ。そんな彼らをよそにファロー博士は解説を続ける。第三世界の国々は過小評価されがちである。地図の上側を北半球にして下側を南半球にして、メルカトル図法が西洋社会の重要性を誇張しすぎてしまったからだ。それで今の人々はこの地図に慣れ親しんでしまっている。でもどうやって北半球を上以外に移動させるの？とCJが尋ねると、いともあっさり、下にすればいいんですよ、とセイルズ博士は言う。何の話かサッパリ分からないCJは北半球を下にした地図を見て愕然とする。こんなことってできないわよ、と驚くCJ。なぜです？「だって気持ち悪いんだもの」。

抗議集会の会場から外に出てきたトビーだが通りにもわめき散らす抗議者で溢れかえっている。これはデモ活動家たちの休暇、つまり春になるとこうした熱烈なアナーキスト気取りが黒いTシャツにガスマスクといったアクセサリーをつけて現れる時期なんだよ、とトビーは説明する。

トビー：君も自由貿易の恩恵をこうむりたいだろ？食べ物が安くなるんだぞ。

ロンダ：えぇ。

トビー：食べ物は安く、衣類も安く、鉄鋼も安く、車も安く、電話料金も安い。私がリズムを作っているのが分かるか？なぜって私はスピーチライターだから書き方のコツを知っているんだよ。

ロンダ：トビー・・・

トビー：物価を安く、収入を高く。今「安く」と「高く」を使ったのが分かるか？

ロンダ：えぇ。

トビー：これは聴衆者注意喚起の科学と呼ばれている。繰り返して、反対のものを持ち出したら最後にはそれらと別のもので終わらせる。いいか？「自由貿易は戦争を無くす」。そう、これだよ。「自由貿易は戦争を無くす！」。そして残りのものを繕える方法を見つけ出す。「世界は一つ、平和も一つ」。どこかの看板にそう書かれてるのをさっき見たんだよ。

ロンダ：あぁ、トビー・・・今言った事を、中に入って彼らに言える人がここにいたらさぞ素晴らしいでしょうにねぇ？

トビー：うるさい。

そこで先ほどCJのミーティングから抜けたジョシュがトビーの様子を見にやって来てロンダと挨拶、握手を交わし、何か問題はないか尋ねるが彼女はない、と答える。すると突然トビーがジョシュに向かってはっきりと意見を言う。WTOは非民主的で、誰に対しても説明しているわけではないし、決定は首脳陣だけでほぼ下されてしまい発展途上国には意見を言う機会がほとんどない！何故ジョシュに抗議するのか？これ以上逮捕されたくないからだ、とトビー。ガヤガヤ騒ぐだけの血の気の多い連中は嫌いだが仕方ない。ここらでひとつスピーチしてやろうじゃないか。ロンダの後押しを受けてトビーはジョシュ、ロンダとともにスピーチをするために抗議集会会場へと戻っていく。

オーヴァルオフィスではバートレットがこれから帰ろうとしていてチャーリーに何かあったら公邸のほうへ通してくれ、と頼む。必要な書類が机の上にあることを確認すると、レオと入れ違いにチャーリーは出て行く。レオから図書館建設予定地の候補のことについて聞かれる。バートレットはそこがコネチカット川沿いの緑の生い茂った島だがアベナキ・インディアンが古代の墓場用の土地だとクレームをつけているのだと言う。オーフォードの果樹園が見渡せる大きな崖があり、その土地の所有者も乗り気なのだが如何せんその所有者は証券詐欺でアレンウッドに40ヶ月服役している。そしてバートレットはおもむろに現在の仕事に満足しているような話を始める。レオはまだ2,3年、再選されれば更にあと4年はできます、と言うがバートレットの言葉の裏に隠された、モヤモヤしたものを垣間見ているような感覚に陥っているようで事情を尋ねる。だがバートレットはまだ何も話すことはない、と言って帰っていく。

イスが机の上に置かれてあらかた片付いているホワイトハウスの食堂で、サムが座りながら小さな砂糖の袋を向かいのテーブルの上のポットに黙々と投げ込んでいる。そこにドナがやって来て何をしているのか尋ねる。クラリネットを使う子供たちに言うように「練習しなければ腕が落ちてしまう」からだよ、とサム。ジョシュが戻ったのでステファニーにはサムの部屋で待っていてもらっている、と伝える。ここでサムは「サムが大統領に顔が利く、と聞いた」というセリフは君が教えたんだろ、とドナを問い詰める。最初ドナはもじもじしながら答えていたがやがて覚悟を決めて「そう、ごめんなさい」と答える。サムは自分にはそのような力はない、と力無く答え、そして話し出そうとするドナを遮っておもむろに「彼はスパイだ」と明かす。コードネームは”ブラックウォーター”。彼は国務省とホワイトハウスの文書を手書きで写し、それをソビエトに送っていたのだ。その中にはフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領の参戦計画、優秀な人材のリクルートリスト、国務省・全国復興局（NRA＝National Recovery Administration）内の共産主義者および共産主義シンパ（支持者）のリスト、ヤルタ会談でのアメリカの交渉姿勢を示した極秘メモも含まれていた。これを彼女に言わないわけにはいかない。そう言うとサムは立ち上がり猛然と自分のオフィスに向かって歩き出し、ドナもサムについていきながら必死に考え直して彼女を落胆させないように懇願する。二人は言い合いながら階段を上っていく。スターリンは有利に立とうとし、他方アメリカはフェアな戦いを望んだ。だが真実とはいえそんな事を彼女に言っても失望させてしまうだけだ。ドナは必死に説得を続ける、彼女の父親はもう3ヶ月も持たないのだからそれまで待ってあげてもいいじゃない！

ドナ：聞いて！あなたは今自分も家族の問題を抱えていて重要な決断を下していいような状態じゃないでしょ！今夜言わなければ明日言えばいいわ。でも今夜言ってしまえばおしまいよ！

サム：ドナ。

ドナ：50年も前に書類を渡したことがどうしてそんなに大事なの！？

サムは立ち止まり、ドナの方を振り返る。

サム：これは国家に対する重大な反逆行為で、大事などというレベルの問題じゃないんだ！この国は一つのアイディアでそれは2世紀にもわたって世界を照らし続けた。そのアイディアに対する反逆行為はただの罪で済んでよいばかりかこの国に住む人たち全員に対しての裏切り行為だ！この地には、リンカーンの言う究極な形での愛国精神、忠誠心、そのために死んでいった人たちの墓もあるんだ。その愛国精神を・・・・・・彼らを裏切ることは・・・・・・

ドナ：サム・・・。

サム：・・・・・・当時ハンガリーの使節団にシャーバ・デムスキーという名の通訳がいた。彼女は1952年に殺されている。”ブラックウォーター ”というソビエトのスパイの名前を明かそうという矢先の話だった。ステファニーは彼女の父親が何者かを突き止めるはずだ。

ドナ：サム・・・・・・それって祖父の事でしょ。

サムは再び振り返り広報部の自分のオフィスで待っているステファニーの前までやって来る。突然サムが彼女にシャーバ・デムスキーという女性の名前を聞いたことがあるかどうか尋ねる。彼女は知らない、と答え、サムに眉をひそめる。サムは長い間彼女を見つめ、ドナがステファニーの後ろ、ドアの入り口に来ているのが見える。何も知らない彼女を深い悲しみに突き落としていいのかサムには確信がない。サムは今回は彼の無実を証明するに必要な証拠を揃えるだけの権限がなかったと言って、また3ヵ月後にやって来るといい、とアドバイスする。公開可能だという事は無実だという事だとステファニーは受け取り、喜びの表情を浮かべ彼（父親）にはそれが必要だったんです と言って父親に電話で連絡しようと部屋を出て行く。彼女が出て行き、ドナが入ってくると、意気消沈しているサムを強く抱きしめる。
この世には緯度と経度のように確かなものもある、とサムは言うがドナは抱きしめながらCJの言葉を引用してその二つも確かなものではない、と言ってサムを笑わせる。

～　Don Henryの"New York Minute"が再び流れる　～

やがて抱擁をやめるとジョシュが戸口にやって来てトビーの名（迷？）演説のおかげで抗議集会で殺されそうになった、とここで今しがたあった雰囲気をぶち壊すかのようにのん気にわめく。どこかからバナナが飛んできてそれに当たりかけたのだ。殺されそうになったのは今年で2度目で2回ともトビーのそばにいた時だった。トビーには彼を守る新しいウィングマンが必要だ。そういってワイワイガヤガヤしているうちにトビー、ジョシュ、ドナはサムを酔わそうと飲みに誘うがサムはもうしばらくだけ部屋に残ると言う。
3人は先に部屋を出て行き、サムはドアを閉める。

Lying here in the darkness
I hear the sirens wail
Somebody’s Going to Emergency,
Somebody’s Going to Jail.

サムは受話器を取り、ダイヤルをしてイスに座る。

If you find somebody to love in the world
You better hang on tooth and nail
The wolf is always at the door.

サム：父さん、僕だ・・・。

In a New York minute, everything can change
In a New York minute,...

～　エンドクレジットに入り、Don Henryの"New York Minute"が終わる　～

-END-

Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J.Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradly Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Anna Deavere Smith as Nancy McNally
Jolie Jenkins as Stephanie Gault
Roma Maffia as Rhonda Sachs
Peter James Smith as Ed
William Duffy as Larry
Clark Gregg as Mike Casper
John Billingsley as John Fallow
Jordan Baker as Cynthia Sayles
Brent Hinkley as Donald Huke
Richard Stay as Terry Webber
Shirley Jordan as FBI Agent
Devika Parikh as Bonnie
Kim Webster as Ginger
NiCole Robinson as Margaret

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～とっぷへ～