THE WEST WING
2-15:
E P I S O D E # 37
2004/01/24 on NHK
ELLIE
(エリー)
-STORY-
公衆衛生局のグリフィス長官がオンラインチャットで麻薬の合法化を是認するかのようなコメントを出したためスタッフは対応に追われる。そんな折 バートレット大統領の2番目の娘エレノア(エリー)がダニーに電話をかけ、グリフィス長官を支持するコメントを出したため事態は大事になりバー トレットもエリーに激怒する。トビーはセス・ジレットを超党派諮問委員会に加えるべきだと考えるようになるが諸事情から直接彼には頼めない。 そして元妻の下院議員アンディとこの難点について話し合ううちに意外なところから名案が浮かぶ。サムは、映画「プリンス・オブ・ニューヨーク」 を、その映画を見たことも聞いたこともないバートレットが批判したとして、大統領をこき下ろして宣伝に利用していた映画の製作者モーガン・ ロスを 呼び出す。レオはグリフィス長官に、夜8時までに自分から辞職をしなければ大統領自身があなたを罷免する、と通告する。そしてまだぎこちない 様子のエリーとバートレットの二人が映画「ダイヤルMを廻せ」('54)を見ているところに、エリーの名付け親でもあるグリフィス長官が辞職願 いを持ってやって来る。

TELEPLAYAARON SORKIN
STORYKEVIN FALLS
LAURA GLASSER
DIRECTORMICHAEL ENGLER

US TRANSMISSION DATE
21 February 2001
UK TRANSMISSION DATE
25 September 2001(E4)
JP TRANSMISSION DATE
24 January 2004
-TITLE'S MEANING-
Bartlet's middle daughter.

-EPISODE OUTLINE-
Bartlet is King Lear, so she is Cordelia.

-QUOTING-
1, What the hell kind of name is Pixelad?

2, Moshimoshi. Konichiwa, Sam. Ikaga dess ka.

3, I've got to hand it to you guys you've pulled off a political first. You've managed to win me the support of the Christian Right and the Cheech and Chong Fan Club in the same day.



INTO THE MAIN TITLE:★★★☆☆

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-TEASER-
ある水曜日の夜、公衆衛生局長官ミリセント・グリフィスが公衆衛生局の自分のオフィスから麻薬の効果について、オンラインチャットで市民からの 質問に答えている。速記者の女性が会話の内容をタイプしており、オフィスの机の上には長官が、子供やバートレットと一緒に写っている写真が飾ら れてある。Jersey Girlという質問者から大麻 (マリファナ)には不妊の危険性が潜んでいるのか、という質問を受ける。長官は、大麻が男女の生殖機能を永久的に害するような証拠は何もない が多くの研究結果から大麻中毒者は生殖機能に影響を及ぼす可能性もまたある、と答えている。さらに、だがこれらの害は治療できるものであるので Jersey Boyfriendさんが心配していらっしゃるのなら医者に診てもらうといいですよ、とアドバイスする。次にPixeladという人から、大麻には発 ガン性があるのか、という質問がくる。先ほどの質問と同じようにこれもはっきりとした研究データによっての証明はなされていないが細胞学、遺伝 学、人類学の様々な研究結果から、大麻からでる煙には呼吸障害を伴う危険性がある、とされている。だからもしこのPixeladさんが息切れせずに 飛行機の階段を上りたいのなら大麻はAllman Brothersのアルバムの後ろのクローゼットにでも押し込んでおいたほうがいいでしょう、と長官は コメントする。

そのオンラインチャットの様子を自分の持ち部屋から伺っていたドナがジョシュを呼び、Pixeladという名前に文句をつける。呼ばれてやって来た ジョシュは、自分が与えた効率とプロフェッショナルに関するメモにドナが忠実に仕事をしていることに満足げだ。大統領が東京に出かけていて仕事 の少ない水曜の夜は9時で仕事を終わらせる。人の上に立つ者に求められるのは適切なとき、適切なメモを出すことだ。そうすれば誰も仕事場から離 れず仕事に打ち込める、とジョシュは説明する。ジョシュがパソコンの電源を切って帰るよう言うがドナはまだこのオンラインチャットの様子を見て いたい、と言って、残るつもりでいる。公衆衛生局長官が大麻の解禁について話しているものだ。一旦帰りかけたジョシュだが耳を疑ってすぐに戻っ てくる。

ジョシュ:彼女は何て言っているんだ?

ドナ:(読む)「あなたはマリファナの解禁に賛成なのですか?」

ジョシュ:(読む)「それは私の申し上げるところではございません。ただ言えるのは大麻が公衆衛生に及ぼす危険性はニコチンやアルコールほど ではないという事です・・・」

ドナ:(続きを読む)「・・・それに大麻にはヘロインやLSDのような中毒性はありません」

ジョシュ:(読む)「しかし我々衛生分野の専門家には奇妙な事に、その大麻は麻薬取り締まり目録の中に分類されているのにそれ以上の有害性を持 つタバコにはパッケージの裏に政府の印を施しているだけなのです」

ドナ:あなたのメモを受け取っていない人がいたわね。


-ACT ONE-
ジョシュがCJのオフィスに行って彼女にオンラインチャットでグリフィス長官が大麻の解禁を是認したと取られる発言をしているメモを見せる。 Allman Brothersって何よ、とCJ、その下の大麻の分類に関する一文を読むや否や「辞職する」、と彼女が言う。AP通信や記者はこの記事をもう掴 んでいるだろうし、ニューヨークタイムズやワシントンポストが出版するには遅すぎるとはいえ西海岸のロサンゼルスやサンフランシスコでは新聞の 一面を飾るに違いない。今日の「トゥデイ」番組でも報道されるだろう。部屋を出て歩いていた二人は、超党派諮問委員会のミーティングで労働局の 人間に怒鳴られてきたばかりのトビーと出くわす。例のメモをトビーに渡すとCJはチャット中に電話して欲しかった、とジョシュに言う。トビーも それに賛成で言ってくれたら即インタビューを止めろ、と言うつもりだったらしい。そこへ自分のオフィスから出てきたサムが合流してまた問題発生 だと言う。CJはサムがグリフィス長官のインタビューの件の事を言っていたのかと思っていたがどうやら違うようでサムは自分の話には構わず今何 を話し合っていたのかを尋ねる。トビーがサムにメモを渡すとサム以外の3人は東京へ出張中の大統領の帰国時間を考える。東京とアメリカ東部の時 差はおよそ14時間、東京が現在11時・・・。とにかくここでは何だから、とルーズベルトルームへ移ることにする。その間にトビーやCJはエド、 ラリー、その他残っているスタッフをルーズベルトルームに集めるよう秘書に促す。
ルーズベルトルームに着いたところで、サムもAllman Brothersのくだりが気にかかっているようすだがとりあえず話を再開する。大統領は 東京を東方に向けて木曜の夜7時に発つ予定で、フライトには13時間かかり、アメリカ東部との時差は14時間ある

つまり・・・

時間\場所日本(注:日本の方が時間が早い)アメリカ東部
出発時刻午後7時 THUR←14時間の時差→午前5時 THUR
 ↓13時間のフライト↓ ↓13時間のフライト↓
到着時刻午前8時 FRI←14時間の時差→午後6時 THUR

こうなるわけだ。夜の7時に東京を出て同じ日の夜6時にワシントンに着く計算だ。ジョシュは衛生長官の発言よりこっちの方が大ニュースだ、など とのん気に驚いている。そこへドナが入ってきて例の諮問委員会の件でトビーにお呼びがかかっていると伝える。トビーは嫌々ながらもまた冷たい風 にあたるためにのそのそと歩いていく。次にCJにキャロルがニュースを得た、と伝えると電話のところまで行って誰かに電話する。CJとトビーが抜 けたルーズベルトルームでまだ残っているのはサムとジョシュとドナだけだ。ドナは電話の相手にレオの居場所を聞き出している。ジョシュは自分た ちのオフィス前にある4つのそれぞれの時計では午前か午後かが分からないからややこしい、とサムに愚痴をこぼしている。大統領が150時間出かけ ていてもても木曜日だなんてどうして分かるんだ、とつい疑問を口にしてしまうジョシュ。その疑問を条件反射の如くとらえたサムはすかさず説明を 始めようとする、グリニッジ標準時では日本は9時間進んでいるからどうたらこうたら・・・。ジョシュもそれを条件反射の如くとらえたのかすかさ ず「もういい」とサムを制止する。それよりもジョシュは先ほどサムが、問題がある、と言っていた事を思い出して何の事か尋ねる。サムが言うには 、家族価値指導者評議会(=Family Values Leadership Council)が明日の新聞の22面の全面に広告を打ち出して映画「プリンス・オブ・ニュー ヨーク」を批判した著名人たちをリストアップし、彼らを称えているという。問題はその著名人の中にバートレット大統領の名前が入っていることだ 。しかも驚いたことに大統領はその映画の名前を聞いたことすらないと言うのだ。この家族価値指導者評議会とはあまり関わりたくないだけに問題 は大きい。レオと電話がつながったドナがジョシュに受話器を渡すと、ジョシュがレオに「たくさんの問題があります」と伝える。

サムが自分のオフィスで仕事をしていると隣のトビーの部屋からボールを壁にぶつける音が頻繁に聞こえてくる。何事かと思いサムがトビーの部屋へ 行くと帽子を被ったトビーが両手にボールを持っている。どうやらこれでサムを呼んでいたらしいが電話で呼べばいいものを、とサムは思う。AARP (American Association of Ritired Persons=全米退職者協会)とAFL-CIO(American Federation of Labor and Congress of Industrial Organizations=全米労働総同盟産業別組合会議)が大統領に、セス・ジレットを超党派諮問委員会に加えてもらいたい、と思ってい るのだ。社会保障制度について上院で唯一の法案を提出していたのがジレットなので社会保障に強い関心のある労働組合と退職者たちが彼を、社会 保障を審議する超党派諮問委員会に加えたい、と思っているわけなのだがそれだけではない。ジレットが委員になれば彼は委員会を攻撃することが できなく なる。ジレットは頼まれても断るに決まっている、とサムは思っているが労働者と高齢者の支持を得るチャンスでもあるのでトビーは慎重に事を 進めたいと考えている。彼に断られる、という形も体裁が悪いからだ。そこへジンジャーが入ってきてチャーリーから電話がある、と言ってサムを 呼び出す。自分のオフィスへ向かって受話器を取るサム。トビーは再びボールを投げつける。
エアフォースワンから電話をしているチャーリーは日本 にいたせいか片言の日本語でサムに話し掛ける「モシモシ。コニチワ、サム。イカガ、デス、カ」。そこへサムがすかさず質問する。ハリウッドの プロデューサーであるモーガン・ロスと何を話したんだい?すると例の映画「プリンス・オブ・ニューヨーク」の試写を彼が持ちかけてきたのだが それを見たチャーリーがその映画を断って「ダイヤルMを廻せ」('54)をホワイトハウスで上映することにした、と分かる。サムが電話を切ろうと すると「ドモ、アリガト」とまたしても片言の日本語を言ってチャーリーが電話を切る。

ジョシュが電話で相手にグリフィス長官のコメントが女性有権者、AMA(American Medical Association=アメリカ医師会)、それに言うまでもな くファーストレディの反感を買うことになる、と言っている。入ってきたCJにその相手が経線で隔てられた世界各国の9人と話している、と言ってい るそうだが・・・・・・。 1時間後に始まる会見の予行演習に、とジョシュはグリフィス長官の発言を指示しないで彼女を擁護できるかどうかCJに言わせてみる。ジョシュが 記者になったつもりで尋ねる「昨夜の長官のコメントが政府の麻薬政策を批判したと知っていましたか?」。違法な薬物を使用した際にそれが健康に 及ぼす影響について彼女が自分の意見を言っただけだ、とCJはスラスラ答える。続けて尋ねる「長官がマリファナの合法化を謳っていましたが大統 領もそれに賛成していますか?」。それも違います、とCJ、長官はマリファナが合法であるべきかどうかを尋ねられた時に「答える立場にありませ ん」と言ったし、公衆衛生長官は立法者ではないのそれで正しい。麻薬政策を敷いているのは彼女ではなくて大統領だ。そしてその大統領は麻薬の 合法化に100%反対している。・・・・・・これで会見はうまくかわせそうだ、とジョシュはレオに言う。そう、やはり電話口にいたのはレオだった のだ。CJは彼女をサポートするようにコメントを出すがそれとは反対にジョシュはこれから出かけて彼女に辞任届けを出させるつもりだ。

-ACT TWO-
CJが会見で、先ほどジョシュと交わしたやり取り通りに加えて彼女の発言を正確に引用して記者からの質問に順調に答えている。その様子をジョシ ュは公衆衛生局長官室の前の部屋のTVから見ている。するとグリフィス長官に呼ばれ中に入っていくジョシュ。グリフィス博士はジョシュの怪我の 具合を訊いてくる。どうやら手術の時彼女もそばにいたようだ。だがジョシュはそんな話で来たのではない。大学時代の食事の話を無視してジョシュ が単刀直入に尋ねる。「ミリセント、何を考えていらっしゃったんですか?」。だがグリフィスは博士は、私は医者として、また人間としてただ質問 に答え事実を述べただけよ、と答える。だがジョシュは、スタンフォード大学教授会の一般開業医のメンバーと国家レベルの医療開業医部長とでは 真実にも違いがあるでしょう、と言う。それに69%のアメリカ国民が麻薬の合法化に反対しており、賛成は23%しかいない。30代以下に尋ねればも っと数字が高いのであろう、なぜなら大麻関係で服役している者のほとんどは30代以下なのだから。だから合法化を訴えたんですか、とジョシュ。 彼はこの12時間で3回レオと話している。彼女には残念ながら辞職してもらわなければならなくなるだろう。

グリフィス:ジョシュ、私は確かに政治家ではないわ、でも伊達に2年間この仕事に従事してきたわけじゃないのよ。

ジョシュ:CJが今あなたのサポートをしているところですよ。残念ですが辞職して頂きたいと思います。

グリフィス:嫌よ。

ジョシュ:グリフィス博士、これは大変失礼な言い方かもしれませんが・・・・・・あなたは大統領に仕えているんですよ。

グリフィス:なら大統領が直接解雇を言い渡すその瞬間まで仕事を続けるわ。

グリフィス博士の意思を知ったジョシュはそれ以上言うことは無く、帰ろうとすると入り口のドアのところでグリフィス博士から診断に来た者に与え るキャンディーを放り投げられ、何も言わずにそれを受け取る。部屋を出るとCJがまだ会見をしている様子がTVに映っておりその中で、大統領が長 官に辞職を求めるようなやり方は望まない、とコメントしている。話題は変わり今度は家族価値指導者評議会が映画「プリンス・オブ・ニューヨーク 」を非難した人たちに感謝しているがこれについてどう思うか尋ねられる。シャワー中に批判したかもしれませんが私は何も聞いていません、とサム に言われたとおりにコメントして切り抜けるCJ。

会見を終わらせたCJが待っていたサムと合流してこの映画がどういう映画なのかを尋ねる。この映画は性描写や暴力描写、そして宗教的イメージと いう点で物議を醸していて、宗教団体からのボイコット運動まで起きているほどだ。送られてきた映画を鑑賞してみたチャーリーが試写を断るのも当 然の内容だというのも頷ける。その映画のプロデューサーがImusというラジオ番組に出て「バートレットは厳格な検閲制度に加担する臆病者でハリ ウッドは彼が表現の自由を否定していると知るべきだ」と言ったそうだ。そしてその後に家族価値指導者評議会がその事を広告で称えた、というわけ ね、と付け加えるCJ。さらに、本当、あたし辞めたいわ、とまた繰り返すCJ。ところでCJはそのプロデューサーがモーガン・ロスではないのか、と 尋ねる。彼女もかつてハリウッドの広告業界で働いていたから心当たりがあったのかもしれない。

CJ:モーガン・ロスが大統領を臆病者だと言ったの?

サム:別に「臆病者だ」と言ったわけじゃないよ・・・

CJ:じゃぁ何なの?

サム:「臆病者呼ばわり」しただけだよ。ちょっと意味が違う。

CJ:どう違うのよ?

サム:違うんだって、それにまだ・・・

CJ:あいつをやっつけてやる。

サム:CJ・・・

CJ:あいつはメディアをタダで利用してあたしたちをこき下ろしたのよ!

サム:待って。

CJ:あたしは法の執行者よ、サム。あいつをやっつけて、あいつを泣かして、それからあいつのママに言いつけてやるわ!

コーヒーを入れながら声を荒げるCJを「泣かす必要はないよ」、と諭すサム。それにモーガン・ロスは偶然にも明日ホワイトハウスにやって来るか らその時にサムの方から話をつけておくそうだ。よって会見ではダンマリを通してほしい、とCJに頼むとCJの部屋を出て行くサム。すぐ後にキャロ ルから連絡が入る。

キャロル:ダニー・コンキャノンが電話で話したい、って。取った方が良さそうよ。

CJ:なぜ?

キャロル:ミリセント・グリフィス公衆衛生局長官へのコメントに対しての大統領の反応についての言動を聞きたい、って。

CJ:誰がコメントしたの?

キャロル:それが問題なの。

CJ:(急かすように)キャロル。

キャロル:エレノアよ。

CJ:エレノアって誰?

キャロル:エレノア(Eleanor=エリー(Ellie))・バートレットよ。

CJは驚いてその電話に出る。

ルーズベルトルームではトビーが例の、バートレットが一般教書演説で取り上げた超党派諮問委員会結成に申し立てをしている関係者数人と話し合 っている。それは案の定、労働関係者、高齢者代表だがその彼らから強い圧力をかけられているところだ。超党派諮問委員会に入れる人物は彼らの 支持する 人物が適任だ、さもなければ有権者の信用が得られない、と言っているのだ。トビーは、演説で諮問委員会の結成を打ち出した以上は早めに着手す べきだ、と主張するが悠長に構えている彼らに業を煮やしたのかはっきりと言う。30年で尽きる年金の財源は、30年後にもまだ存命していると考え られるトビー自身やその他の人々のためにも真剣に考慮しなければならない社会保障問題だ。・・・・・・確かにジレットは扱いにくい。だが社会 保障問題に関心のある、委員会の支持を取り付けられるような人間を選ばなければならない。ジレットがそれに適任だとは思うがもう少し話し合った 方がいいだろう。

グリフィス長官のオフィスから帰ってきたジョシュがCJにその時の様子を報告している。いざとなればCJが先ほど会見で強気で支持していたトーン を下げる必要もあるかもしれない、と。私よりも強力に長官を支持している人がいるわよ、とCJ。先ほどのダニーからの電話でバートレットの2番目 の娘で あるエレノア・バートレットが「父は公衆衛生長官を解雇しません。そのような事をする人ではありません」と言ってきたというのだ。ゾーイの間 違いだろ、とジョシュは言うが確かにエリーが言ったものだ。マスコミ関係者のダニーに連絡したことで、意外なところから次女のエリーがマスコミ から注目を浴びかけているようだ。

自分の娘の発言のことなど露知らず東京からのフライトから帰ってきて、エアフォースワンから降りてきたばかりのバートレットはチャーリーと対 日本の貿易関係について話している。国内の鉄鋼労働の就業者数は17万人にも及ぶ。その彼らが日本から安い鉄鋼が入ってくるときに黙って見てい るようなこ とはしないだろう。すると日本も経済の報復に出る・・・・・・すなわち、アメリカの国内産業の保護を目的とする高関税を規定したスムート・ホー リー法と1930年代の世界大恐慌の時代に舞い戻ってしまうことになる。日本にもそう言いましょう、とチャーリーが言う。二人がカメラのフラッシ ュをたいている記者たちの方へ歩いていこうとするとレオに止められて引き返す。今のバートレットはエリーに関する質問に答えられないだろう、と レオが察したのだ。バートレットは訳が分からないといった顔をしてジョシュのように「ゾーイの間違いじゃないのか?」と訊く。レオは6時間前に その話を聞いたのだがその時に伝えればバートレットが無理にでも飛行機を緊急着陸させようとするかもしれないと思って言うのを止めた、と白状 する。秘書のナンシーに迎えられバートレットは煮え切らないままリムジンに乗り込む。

-ACT THREE-
大統領の現在地の時刻を手で直しているスタッフのいる、自分のオフィスの前の部屋にジョシュとドナが戻ってくる。大麻をやりたいけど法律に違反 しているからやらない、という人たちがどれぐらいいるかを示すデータはあるのか、とドナが尋ねる。ジョシュの答えは「ない」だがそれならハイに なりながら仕事場に来るようになったり、経済を破綻させてダイエット食品の「Pringles and Twinkies」を買いに来る人がいなくなったりなんか はしないでしょ、と再び疑問に思うドナ。だがそれを言っても合法化にはできないのだ、とジョシュは言う。もし合法化してしまったら子供が家で 平気で大麻を吸う光景が珍しくなくなってしまうかもしれない・・・・・・と、説明していたがドナは電話に出て聞いていない。イジけて独り言だか らいいよ、と強がるジョシュ。その電話は大統領からで、ジョシュにも来て欲しいとのことだ。おそらくエリーの件だろう。

バートレットが足早にオーヴァルオフィスに戻ってくると待っていたCJにいきなり怒りをぶつける。うちの子供に電話するとは一体全体ダニー・ コンキャノンはどういうつもりなんだ!?そう言うとCJに、ダニーの信用証明書を6ヶ月間取り上げろ、と命じるバートレット。だが電話したのは彼 からではなく娘のエリーの方からだと知ると言葉少なに落ち着きを取り戻す。そこへジョシュとチャーリーが入ってくる。しばらくして「Allman Brothers」って何だ、とジョシュに尋ねるバートレット。ジョシュはその質問には答えず東京へのフライトの様子を逆に伺う。東京は経済封鎖の かわりにフィールディングの上手いショートと左腕の抑え投手を欲しがっている、と嘘か本当か分からないような答えを返すと即座にグリフィス長官 支持派、不支持派を尋ねる。

長官支持派:カナビス(マリファナより弱い麻薬)社会、カナビス連合、Eカナビス信者の会、アメリカ大麻協会、メアリー・ジェーン(大麻のたく さんある別名の一つで「ジェイ」ということもある)友愛会

長官不支持派:司法委員会、政府改革委員会、歳出予算委員会(公衆衛生局の予算を管理している)

彼らがどうして支持、不支持にまわったのかは明らかだがバートレットは他にも自分が見た事も聞いた事もない映画を見て非難し、それについて感謝 されている、ということにも言及する。

バートレット:これは政治の策士として一級的な腕を持つ君たちに委ねるべき問題だな。何せ君たちはキリスト教右派の団体と「チーチとチョン」 (二人の主人公「チーチ」と「チョン」が女と一緒に大麻を吸う、というお話の映画シリーズ)のファンクラブの支持を同じ日に取り付けたんだから な。

グリフィス長官とはレオが明日会うことになっている、と伝えるとジョシュ、CJは部屋を出る。そしてバートレットは、真ん中の娘を今すぐに ここへ連れてこい、とチャーリーに命じる。

サムがオフィスで仕事をしているとトビーが壁にボールをぶつけるのを聞き、再びトビーの部屋へと行く。サムの書いたメモで、「公衆衛生局長官」 (Surgeon General)が「チョウザメ長官」(Sturgeon General)になってるぞ、と指摘される。当然サムは前者の意味でタイプしたつもりだった が白い魚(チョウザメ)が大麻をやるのも乙じゃないか、と皮肉を言われる。その時ジンジャーから「彼女が来た」と言われてサムを連れてロビー に向かうトビー。その間、サムが映画の年齢制限を検討する人々の集まる会議に出ているモーガン・ロスと会うことになっている事をトビーは確認し 、これから会うリベラルな民主党下院議員のご機嫌取りをしに行くつもりだと言う。ロビーで待っていたその人物はトビーの元妻アンディ・ワイア ット議員だった。アンディはサムに挨拶するが返事を返そうとするサムを遮ってなぜか代わりにお礼を言うトビー。続いて彼女に挨拶しようとする サムをあっという間に締め出してしまう。どうやら一番緊張しているのはトビーのようだ。アンディがトビーの頬にキスすると二人は歩き始め超党派 諮問委員会の難題:セス・ジレットをどうやって委員会に加えるか、という課題について話し合う。労働者と高齢者は自分たちの利益に結びついてい る考え方を持っているジレットに諮問委員会に加わってもらいたいと思っているが政府の側から彼に頼むのは立場的に難しい。表立って断られると 面子を潰されるからだ。トビーの部屋に来て腰を下ろすとトビーは早速彼女の協力を求めるがアンディはにこやかに「ノー」と答える。ジンジャーに ドアを締めさせると、さて、とトビー、歓迎ムードはここまで、デニッシュはおあずけだ。

ミセス・ランディガムとチャーリーがバインダーの整理をしながら今夜ホワイトハウスで上映される「ダイヤルMを廻せ」('54)という映画の素晴 らしさについて話し合っている。出演者はレイ・ミランド、グレイス・ケリー、ロバート・カミングス、超一流の役者たちばかりだ。

ミセス・ランディガム:もう一つの映画は何だったの?

チャーリー:「プリンス・オブ・ニューヨーク」ですか?

ミセス・ランディガム:そう。

チャーリー:ドストエフスキーの「白痴」の現代版ですよ。キリストを現代の人間に体現したかのようなキリストに似たてんかん持ちの若い男が セックスや犯罪、家族の不和に遭遇する物語です。

ミセス・ランディガム:それじゃ何で断ったのかしら、大統領が好きそうでしょうに、チャーリー。

チャーリー:えぇ、特にミシュキン王子という登場人物がロングアイランドの協会でエロティックな妄想を抱いている時に発作に見舞われるシーンは お好きでしょうね。

チャーリーのその言葉にミセス・ランディガムが思わず息を呑む。

ミセス・ランディガム:あぁチャーリー、お願いだから大統領執務室で「エロティック」なんて 言わないでちょうだいね。

チャーリー:どこでだって僕も二度と言わないですむ方が幸せですよ。

他にも警察関係者に扮したジョン・ウィリアムズもなかなか・・・と言ったところで後ろから女性の声がして振り返るとそこにはエレノア(エリー) ・バートレットが来ていた。久しぶりに会ったせいか思わず声をあげるミセス・ランディガム。彼女が父親に呼ばれてやってきたのは言うまでもない 。

レオのオフィスの外のマーガレットの部屋で待っているグリフィス博士(長官)は、その待っている間にマーガレットからの質問を聞いている。 赤い肉やマラスキノチェリー酒によって白ネズミがガンにかかってしまう事が分かり、携帯電話でも同様にネズミがガンにかかってしまう事が分かっ たのだがそのネズミがガンにかかったのが遺伝的要因からだという可能性はないのだろうか?それに対して、有り得ないとは言い切れないわ、と答え る博士。そこに帰ってきたレオからお呼びがかかりグリフィス博士はレオの部屋へと向かう。その博士の後ろから親指を突き立てるマーガレット。 おそらく「頑張ってください」という意味なのだろうがマーガレットは謎の女性だから他の意味があるのかもしれない・・・。それはともかく、 レオの部屋に入ったグリフィス長官は入るや否やレオから口撃される。これで君は資金集めをしている右派団体の表紙を飾ることになるだろう。あの インタビューには少なくとも2,3000万ドルもの、君が中学校で一緒になって配っていると思われているコンドームやセックスのマニュアル本、大麻 を配っている人たちからの、献金が集まるだけの価値があっただろうな。そんなマニュアル本があるなら私も欲しいぐらいだわ、とグリフィス長官。 もちろんレオは笑ってはいない。長官もすぐに、法の専門家として話したわけではなく医学の専門家として事実を述べただけだ、と釈明する。レオも 彼女のその考え方は理解できるし、正しいとも思っているが事はもうそんな簡単な問題ではなくなっている。彼女が公にそのような発言をしたため に、彼女の言葉を誤解した人や麻薬関連のグループが挙って彼女に賛同しているぐらいにまでなっているのだ。この反響を受けて上下両院6つのグル ープが彼女を聴聞会にかけようと話し合われてさえいる。ただでさえ溜まっている、この合法化の問題よりも遥かに大きな、政府の仕事をこの問題で 滞らせるわけにはいかない。とにかくファーストレディからのお怒りを受ける前に今夜8時までに辞表を提出してくれ。さもないと大統領が君を罷免 することになる。口早にそう言って、長官を残して先に部屋を出ていくレオ。

父バートレットを待っている間、エリーはチャーリーと医学の話をしている。ゾーイとの話によればエリーはガン、または本人が言うところでは、 神経学も専攻しているそうだ。バートレットが来るまでの間チャーリーは大学生活について彼女に興味津々に尋ねる。エリーが話し始めたところで バートレットが話しながらこちらに向かっていることが分かり、話を止める。話し振りから、バートレットは日本経済について厳しい姿勢で対応する つもりのようだ。だがオーヴァルオフィス前の秘書室に入ってエリーに目をやるとバートレットも話をやめて側近を遠ざける。挨拶のキスを交わす と二人はオーヴァルオフィスへと入る。エリーが通っているのはホワイトハウスのあるワシントンDCから車で45分のところ、ボルチモアにあるジョ ンズ・ホプキンス大学なのだがバートレットとはほとんど顔を合わさない。だからエリーが別の医科大に行ったのか、あるいはジョンズ・ホプキンス 大学が移動したのかと思ってたよ、とバートレットは冗談めかして言うがやがて話を切り出す。長官を擁護するコメントを出したのは本当の事なのか ?そうよ、とエリーはうつむきながら答える。バートレットは自分と顔を合わそうとしないその様子が気に入らないのか突然声を張り上げてエリーを 叱る。どういうつもりなんだ!?子供たちと記者の間には破ってはならない鉄則がある。以前長女のエリザベスと三女のゾーイに近づいてきた記者を イェメンに転属させたことがある。それが決まりだ!バートレットは何かにつけて必要以上にエリーを責めたて、やがてエリーが我慢ができずに頭を 上げて大声で言う。「彼女は医者として果たすべき役割を果たしたまでよ!」。それにその事で医者をクビにするのならパパは間違ってるわ。

バートレット:これには政治が関わっているんだ、エリー。それにおまえが私を怒らせようとしてこんな事をやってるというのならやる事が安っぽ いぞ。

エリー:私、パパを怒らせようとしてやったんじゃないわ。

バートレット:あぁ、だがだが私を喜ばせようとしてやったわけでもないだろ!

エリー:パパを喜ばせる方法なんて分からないわよ!その事ならゾーイかリズと話せばいいわ。

ひと時の静寂の後、バートレットはエリーを今夜の映画の試写会に誘う。パパが望むなら、とエリーは答え、来た道が分からないまま部屋を出て行く 。入れ替わりにチャーリーが入って来て労働長官との話し合いの時間だと言うがバートレットは1分だけ待ってくれと言う。そして疲れた顔をして 後ろの窓の方へと足を動かす。

-ACT FOUR-
トビーとアンディの議論はヒートアップしてきている。アンディはトビーらが党内の大物リベラル派に連絡することなしに社会保障制度を審議する 超党派諮問委員会の結成を打ち出した事に彼らは猛反発する、と考えている。どうして社会保障制度のオプションについて何の相談もなしに結成を 宣言したの?トビーは声を上げて答える「結成するにはそうするしかなかったんだ!」。社会保障制度問題解決と国民に選挙戦に出馬することを尋ね る事ととを 同時には話し合えない。社会保障制度はただでさえ様々な問題をはらんでいるのに、それをいちいち調査・審理にかけては委員会の結成は何十年も 先延ばしにされてしまう。密室に閉じ込められた7人の共和党員、7人の民主党員、そして投票権をもたない合衆国大統領の15人が部屋を出てくる時 、それは一つにまとまった改革案を議会と国民に発表する時だ。だから社会保障制度に意欲的なセス・ジレットを入れたいが政府から声をかけてもし 突っぱねられたら政府は面子を失ってしまう上に委員会結成も水の泡になるんだ。とにかく、とトビー、話せて良かったよ。アンディが身支度をして から部屋を出るとトビーが、子供白血病財団の募金委員会に私がいるという記事を見かけたが何故そうなったんだ、と尋ねる。アンディは面白そうに 、自分がそうマスコミに言っちゃったからかもしれないわよ、と言う。なぜトビー本人に一言断らずにそうしたのか?アンディ曰く「 最初のステップを飛ばしてセカンドステップに移ったら国民には”ノー”と言いにくい でしょ」ということだそうだ。それを聞いたトビーは突然立ち止ま る。そんなトビーをアンディが訝っているとCJがやって来て、二人に挨拶してからトビーに話し掛けようとする。そこでトビーがCJに明日の朝の会 見でセス・ジレットが社会保障制度を審議する超党派諮問委員会に加わることを発表しろ、とゴーサインを出す。先ほどのアンディの意見に感化され たトビーはさらに、ジレット議員は個人的な見解の相違よりも党を優先した愛国主義者で、大統領に頼まれたときに彼はそれに応えてくれた、という 事も発表するようにCJに言う。トビー曰く「明日の朝の会見でそうなってしまえばそれが事実になる」ということだ。 CJは半ばヤケになりながらも快く引き受けるが「でもこれが終わったらあたし本当に辞めますから」と呪文のように言う。アンディは微笑んでから ホワイトハウスを後にする。

ルーズベルトルームではエド、ラリーらホワイトハウスの職員とハリウッドの代表者たちが映画の暴力性とその視聴年齢制限について話し合っている 。 ハリウッドの代表者の中にはモーガン・ロスの姿もある。側近から呼び出しがかかってモーガンが席を外すとそこにはサムが待っていた。サムが部屋 (ルーズベルトルーム)から離れて話を始めようという前にモーガンが映画の暴力描写に影響を受けた犯罪は年々減ってきている、と言ってくる。 だがそんな数字は関係ない、アメリカ小児科学会、医師会、心理学協会は一斉に「暴力映画を見ることは子供にとって悪い影響を与える」と言ってい るしこれを言っているのは専門家だからだ、とサムは言い返す。衛生局の長官も大麻を勧めてクビになるんだろ、とモーガン。だがそれは彼には関係 のない話だ。ホワイトハウスは彼の映画を蹴って「ダイヤルMを廻せ」('54)を見る事にした。「いいね、ヒッチコックにはセックスも暴力もない からな」、とモーガンは皮肉を言うと、家族価値評議会のあの記事のせいで2,3の州から上映を断られたんだ、とさらに声を荒げる。だがどの道大し た内容じゃなかっただろ、それに、とここでサムが一気に核心を突いてくる。モーガンはあの反対意見の記事が出たのをいいことにラジオ番組で大統 領を臆病者呼ばわりして映画に注目を集めようとした。そんなやり方は許せない。今度自分の宣伝目的で大統領を臆病者呼ばわりしたらその時はCJ ではなくて(弁護士資格を持つ)僕が相手になるぞ!モーガンはそのメッセージを理解する。サムはそれを態度で表現してもらうためにルーズベルト ルームに戻ってミーティングを上手くまとめるように言う。モーガンがサムの部屋を出るとトビーが通りすがりにボールを投げ、サムがそれをキャ ッチする。「いい仕事をしたな」、とトビー。サムは少し笑う。

映写室では現在「ダイヤルMを廻せ」('54)を上映中だが室内は静かだ。エリーの後ろの席に座っているバートレットが何も喋らない事について ジョシュは、これは良くない雰囲気だ、と言う。大統領は、いつもは上映中にあれこれ喋るからだ。チャーリーからお呼びがかかりバートレットは ポップコーンを食べているエリーに気づかれないように静かに席を外す。オーヴァルオフィスに戻ってくるとミリセント・グリフィス公衆衛生局長官 が辞表を持って待っていた。バートレットはその辞表を直接彼女から受け取る。グリフィスは今回の辞任劇について、これは次にこの職に就く人への 危険信号 になるでしょう、と言う。ドラッグの使用をほのめかす発言こそ危険信号であるとは思わなかったのかね、とバートレットは返す。グリフィスは大麻 についての発言を説明しているがバートレットは今さら聞くつもりはない。それよりも「父が衛生局長官を罷免することはありません、そのような人 ではありません」という発言をエリーにさせたのは、彼女の名付け親である君の仕業なのか、とバートレットは尋ねる。グリフィスは違います、と 繰り返す。バートレットはどうして自分がエリーから好かれていないのか、その説明をグリフィスに求める。だがグリフィスは、エリーはバートレッ トを崇拝すらしている。むしろバートレットの方がエリーに怒っているのだ、と言う。選挙戦の時、ゾーイとリズは応援に来てくれていたがあの子 だけは姿を見せなかった。だが彼女は自分と一緒にいながら応援していた、とグリフィスは言う。バートレットはなぜこれほど自分の娘が自分には なつかずアビーになつくのか分からない。それはあなたが怖いからですよ、ジェド、とグリフィスははっきり言う。彼女にとっては自分が生まれて きてからこれまで見てきたバートレットはどこにいてもその中の王として映っていた。リズやゾーイは違うが彼女はそういう風に見てきた子なのだ。 それに彼女は自分が父親のお気に入りではないということもすぐに感じ取っています。バートレットはそれは絶対に違う、と否定する。キリスト教 右派やハリウッドの左翼、労働組合に退職者協会、麻薬協会や日本が何を言っても我慢できるが誰かに自分は娘を差別して愛していると言われる事 だけは我慢できない。

バートレット:(一息ついて)私を怖がってる?

グリフィス:彼女だけではありません。

バートレット:私はとにかく彼女に怒りたかったんだな。そのニュースを最初に聞いた時は・・・・・・何てことだ、「リア王」は素晴らしい戯曲じゃないか。(ため息をつく)「私の父は公衆衛生局長官を解雇しません、そのようなことをする人では ありません」か。私はとにかく彼女に怒りたかったんだが実際は、あれは彼女が私にかけてくれた中で一番最高に素晴 らしい言葉だったんだな

出て行こうとするグリフィスを呼び止めると、バートレットは一転、辞表の受け取りを拒む。これこそが大事 な仕事だ。あなたは素晴らしく模範的な方ですわ、大統領。あぁ、分かっている、と言うとグリフィスが見送る中バートレッ トは映写室へと戻っていく。室内にいるジョシュを呼び出すと、CJには会見で長官を全面的に支持するコメントを出させるよう伝える。

ジョシュ:えぇ、でもそれですと「娘に頼まれたから」支持している、と国民は思いますよ。

バートレット:分かっているよ、ジョシュ、君も娘を持てば、何においてもそうするだけの理由がこの世にはあるという 事が分かるだろう

席に戻ろう、ここからがいいところだ。そう言いながらバートレットは今度はエリーの隣に座る。大声を出しても誰にも文句を言われないのは分か っているから堂々とエリーに話し掛ける。

バートレット:眼科に行くって聞いたぞ。

エリー:ガン科よ。

バートレット:人の足を研究したいのか?

エリー:それは足病学よ。

バートレット:子供たちの医学か。

エリー:小児科よ。

バートレット:それは産科だと思ってたぞ。

エリー:それは妊娠した女性よ。

バートレット:んで足を研究するのはどんなものなんだ?

エリー:パパ、笑わせようとするのは止めてよ。

バートレット:んん?(間を置く)私を喜ばせたかったら毎日ちゃんと夜、家に帰ってきてくれるだけでいいんだよ。

それを聞いたエリーは今にも泣きだしそうな顔をしているがバートレットは止めない。

バートレット:なら内分泌学というのはどうだ?胆嚢の異常の事だろ?

エリー:甲状腺よ。

バートレット:それはお前の勘違いだろ、内分泌学というのはお前が副専攻している、消化器官に作用する内科医学の事じゃないのか。

エリー:それは胃腸(消火器)病学の事よ。

バートレット:腎臓病額の間違いじゃないのか、はたまた免疫学、心臓病学、皮膚病額の?

エリー:(笑いながら)やめてよ。私映画見ようとしているんだから。

バートレット:分かった。ここからがいいところだぞ。


-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J.Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Nina Siezmaszko as Ellie Bartlet
Mary Kay Place as Millicent Griffith
Kathleen York as Andy Wyatt
Peter James Smith as Ed
William Duffy as Larry
Robert Knepper as Morgan Ross
Paul Eiding as Labor Leader
John Capodice as Lenny
Greg Baker as Interviewer
Kris Narmont as Katie
Mindy Seeger as Chris
Melissa Fitzgerald as Carol
Kim Webster as Ginger
Renee Estevez as Nancy
NiCole Robinson as Margaret
Kathryn Joosten as Mrs. Landingham



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