THE WEST WING
2-04:
E P I S O D E # 26
2003/11/01 on NHK
IN THIS WHITE HOUSE
(このホワイトハウスで)
TELEPLAYAARON SORKIN
STORYPETER PARNELL
ALLISON ABNER
DIRECTORKEN OLIN

US TRANSMISSION DATE
25 October 2000
UK TRANSMISSION DATE
3 July 2001(E4)
JP TRANSMISSION DATE
1 November 2003
-STORY-
キャピタルビートというTV番組の討論でサムを言い負かした事からバートレットは、共和党員であるにもかかわらずサムを負かしたエインズリー・ヘイズを雇おうと言い出す。ブルンジ共和国のニンバラ大統領がエイズ治療薬の価格引下げに関して製薬会社代表団と話し合うためにホワイトハウスにやって来て、ホワイトハウスもその仲介役として動くことになる。 CJは新米の新聞記者に情報をつい漏らしてしまいその事で必要以上に思い悩んでしまう。そしてエインズリーを雇いたい、というレオの言葉にCJは爆発する。 だが、案内されてホワイトハウスをいろいろ見て回った当のエインズリーは民主党の全てを嫌っており彼らの申し出を受ける気はなかった・・・・・・その後オーヴァルオフィスでの一連の緊迫したやり取りを見るまでは。製薬会社との話も暗礁に乗り上げたニンバラ大統領を助けようとジョシュとトビーは資金援助などの取引に奔走するが不幸にも彼らの国でクーデターが起こったという知らせが入る。


INTO THE MAIN TITLE:★★★★☆

TWW2-03へ| TWWとりびあ〜ん2-04へ| TWW2-05へ


-TEASER-
TV番組、キャピタルビートの開始10分前のスタジオ内では番組のセッティングをするスタッフが忙しく動き回っている。司会マーク・ゴットフリー ドがサムと一緒にスタジオ内に入ってくる。サムが今日番組内で相手をするのは常連のウェングランドやスタックハウス、サンタナ、モンローでは なく新人の、ブロンドで脚線美の共和党員、エインズリー・ヘイズ(Emily Procter)だ。彼女が選ばれたのは視聴者受けがいいからだろう、 とマークとサム。マークがスタジオの司会席にやって来て、一足先にゲスト席に座っているエインズリーにアドバイスする。相手は百戦錬磨の ホワイトハウス広報部次長、サム・シーボーンだ。怖がらないように、そして勇み足で浮き足立ってやりすぎないように、と。サムがやって来て エインズリーと握手し、席に着くと番組放送のカウントダウンが始まる。

〜 CAPITAL BEAT start〜

〜共和党の女性アナリスト、エインズリー・ヘイズとホワイトハウスの シニアアドバイザー、 サム・シーボーンを今夜のゲストに招待しました。ペンタゴンにはクリス・アイゼンが、ニューヨークにはマージョリー・クラークが待機しており、 中継がつながっています〜
アナウンスが終わると司会のマーク・ゴットフリードが話題を振る。来週下院で審理が行われるバートレット大統領が掲げる15億ドルの教育法案は 昨年共和党が提出して大統領が拒否権を行使した法案とは具体的にどう違うのか。サムが答える。まずは教科書のような、教師にとって必需品である 物を無料で支給できる事だ。人の少ないオレゴン州カークウッドにある模範的な公立学校の教師ですらその40%が生徒に与える教科書が 十分では ないと感じている。一方共和党が議会に提出した法案では教科書に割かれていた予算はなかった。これは嘘か本当か?エインズリーがはっきりと 答える。「それは嘘です」。共和党が提出した法案はちゃんと教科書代を含んでいるだけではなくコンピューターの学習、学校の安全、運動器具の 設備にかかる費用をも含んでいる。共和党は地域にお金を直接渡して彼らにその使い道を決めさせたかった。そもそもデイトンのリンカーンハイス クールと南中部のロサンゼルスにあるクレンショーハイスクールとではお金の使い道が違うものなのだから比較の対象にするのも少しおかしい。 エインズリーが行き過ぎないうちにマークが割って入って問い掛ける「サム、どうして大統領は拒否権を使ったんだ?」。だがエインズリーは止ま らない。即座に口をはさんでサムに答える暇を与えない。法案を拒否したのは95%のお金が選挙区を通り越して直接教室に入っていく事が法律で定 められているからです。確かにあなたの仰るとおり教科書は大切です。教科書があればカークウッドが実際にはオレゴンにはなくカリフォルニア にあるという事が分かるはずですから。

〜 CAPITAL BEAT end〜

マークが挨拶をして番組を終了させ、エインズリーがふとマークに尋ねる。

エインズリー:私、出すぎたマネをしちゃいましたか?

マークは苦笑いしてサムの肩を叩く。当のサムは半ば放心状態にあるように見える。

マーク:サム、この子は侮れないぞ。

サム:あぁ。(独り言を言う)・・・頼む、頼むから、どうか誰も見てませんように。

〜ホワイトハウス〜
ジョシュがトビーの部屋へ急いでやって来る。

ジョシュ:トビー!早く来てくれ!サムが若い女にやり込められてるぞ!

トビー:(急いで部屋を出て)ジンジャー!ポップコーンを持って来てくれ!

-ACT ONE-
ミューラルルームでバートレット大統領とアフリカの代表クンドゥー共和国のニンバラ大統領との写真撮影の予定がある、とCJが会見で発表してい る。ニンバラ大統領のアメリカ訪問の目的はサミットに参加してアメリカの製薬会社と話し合い、アフリカ諸国でエイズに苦しんでいる2600万人の アフリカ人患者を救うことにある。ホワイトハウスも彼らの仲介にあたるつもりだ。トビーはもう少し踏み込んで言って欲しかったと思っている。 ノルウェーでは誰も必要としない、10ドル80セントしかかからない薬も皆が必要とするブルンジでは90ドルもするのだ。だが価格を下げれば損を するのはアメリカの製薬会社だしどういう価格設定をするのも彼らの自由だ。自分たちの国益を減らすような事を誰もホワイトハウスには求めて いませんよ、とCJ。CJの部屋までやって来るとそこにサムもやって来てトビーに1992年の世界特許会議の開催地を尋ねる。ジュネーブ、とトビーが 答える。サムが部屋を出ようとするとCJが言う。

CJ:サム、私あなたを尊敬するわ。だってあんな事があったばかりなのに今朝平気な顔して出勤してるんですもの。

サム:君こそ偉いよ。僕に嫌みを言おうとしてるのをずっとこらえてるんだから。

CJ:まさか、そんな。皆そう思ってるわよ。何ならジュネーブがスイスにあるのかオレゴンにあるのか彼らに聞いてみたら?

トビーとサムが部屋を出て行き、サムは憤慨しながらだが、CJも部屋を出て歩いているとクリーブランド紙の新米の新聞記者ビル・ケリー が歩み寄ってきて、アメリカの会社がイラクに掘削機を売却するのは経済制裁違反ではないのかと尋ねてくる。大陪審が調査しているしこれ以上の 事は何も言えない、と言い切るがその直後何かに気づいてビルを呼び止めるCJ。だが「なんでもない」と言って何事も無かったかのように振舞う。

バートレットとレオがエイズについて話し合いながらオーヴァルオフィスにやって来る。バートレットが朝の「キャピタルビート」の番組でサムが エインズリー・ヘイズという女性に叩かれていたのを知ってるか、とレオに尋ねる。コラムを書いている女性ですね、とレオ。バートレットはその コラムを3つほど見て彼女には市民の義務が分かっていると感じたから彼女を雇おうと言い出す。それはいい冗談ですね、とレオ。彼女は共和党員 ですよ。だがバートレットは真剣だ。何もサムを苛めたいから言っているのではない。

ミューラルルームへ向かうとすでにニンバラ大統領と記者団が待っていた。大統領との写真撮影の途中でも記者から質問がくる。このサミットから 得られる物に期待する一番のものは何ですか、という質問がニンバラ大統領にくる。「奇跡です」と大統領。ニンバラ大統領は通訳を通して、かつて この世に奇跡をもたらしたアメリカ人の話をする。彼の名はノーマン・ボーローグ(Norman Borlaug)、とバートレットが続ける、奇跡が必要だと いう考え方には全く同感です。だがニンバラ大統領は極めて真剣な表情で言う「私の国は死につつあるんです」。バートレットも真剣な顔つきで 大統領を見る。

オーヴァルオフィスに戻ってきたバートレットは再びレオにエインズリーを法律顧問として雇うように言う。レオは”いつもの”ジョークですぐに 目が覚めると思ってるし、チャーリーも共和党員を雇うという考えに呆れてかそっけない反応をする。彼女の国への義務感に訴えたらとりあえず 断られることもないだろう、とバートレット。早速レオは部屋を出る。ところでチャーリー君、君だけは分かってくれると思ってたのに先ほどの 背信行為には恐れ入ったよ。何か罰を与えないとな、と逆恨み したバートレットの罰はチャーリーもよく知っている・・・・・・プッチーニをまた聴かされるハメになるチャーリーの顔には一種の”諦め”の様子 が見て取れる。

エインズリーは部屋で電話の取扱説明書を見ている。友人のブルースとハリエットはキャピタルビートを見たエージェントからエインズリーに電話が かかってくると考えている。そのときエインズリーが取扱説明書と一緒ににらんでいた電話からコールがかかる。エインズリーが見た電話の ディスプレイに番号が表示されている。友人はエージェントからだと思っているがエインズリーはその番号202-456-1414を知っている・・・ ホワイトハウスだ。

-ACT TWO-
サムはドナの挨拶に耳を疑い、CJは遅刻して出勤してくる。何でも心配事があって一晩中起きてたのだそうだ。昨日、新顔の新聞記者と話した時の 心配事をサムに打ち明けようとするが言葉が最後まで出てこない。そこにレオが現れて二人を人でいっぱいの廊下に連れ出す。ここなら何を聞いて も大声を出されることは無いだろう。レオはキャピタルビートでサムを打ち負かしたエインズリーを雇うことにしたと告げる。神経質になっている CJは爆発寸前だ。

CJ:冗談でしょう?

レオ:いや。

CJ:冗談でしょう?

レオ:いや。

CJ:冗談でしょう?

レオ:いや。

CJ:一体全体どうして人がいないところで私が叫ばないと思ったんですか!!!???

レオ:何となく・・・。

サム、CJ:レオ!!!

レオが言い出すタイミングを見誤ったのは言うまでもない。仕方なく今度は人のいないところへ移ることにする。

元気になったジョシュがアフリカのHIVに関する現状をドナにレクチャーする。HIV治療薬の特許を持っているのはアメリカだが貧困にあえいでいる アフリカ人には高すぎて闇市場で買うしかなくなっている。そうなるとこれは特許法違反と国際取引条約違反になる。問題の治療に必要な治療薬の 費用は週に150ドル必要である。一方ケニアの警官の月給は43ドルしかない。
ニンバラ大統領と製薬会社の代表団とトビーがHIV治療薬の価格に 関する話し合いをしているルーズベルトルームに着いたジョシュが彼らの話し合いに参加する。ニンバラ大統領はノルウェーで発売されている治療 薬の値段が自国ブルンジで発売されているそれの半分にもならないのを疑問視する。代表団の一人はそれは問題ではないと言う。問題にすべきです よ、と割って入るのはトビーだ。代表団からすれば価格の設定は国・市場ごとに違うしそもそも与えた薬の全てが本当に国民の手に渡っているのかも 疑わしい。不正を疑ってるのですか、と大統領。話し合いは気まずくなっていく。黒人のエイズ治療薬より白人の勃起障害治療薬が儲かるものなの か。

アラン・ダムソン(製薬会社代表団の一人):大統領、私の会社は年間1億2千万ドル以上にも及ぶ治療薬を無償で提供しています。その中のひとつ であるザイクロシントはあなたのお国で目の治療効果に役立っています。

トビー:彼らは結膜炎で死んでるわけではないんですよ、アラン。

ダムソン:だが私のせいで死んでいるわけでもない。そういう言い方はよして頂きたい。

トビー:アラン、2600万人の死者がヨーロッパで出ていたら昨日にも解決策が見つかっていたでしょう。

ジョシュが尋ねる、治療薬をアフリカ諸国に提供するにはいくらほどかかるのか。分からない、とダムソン。どうして、とジョシュ、13万人の患者 に200?rの薬を日に3度与えればいいはずだ、計算するのに他にどんな要素が必要なんですか?「彼らがどれだけ生きるのか、だ」。話は全く前に 進まない。ここでトビーが休憩を提案する。

エインズリーがやって来たとレオに報告するマーガレット。なぜかマーガレットはエインズリーを警戒している。おそらくエインズリーが共和党員 だからだろうか。ともかく彼女をレオの部屋に通す。一方エインズリーはマーガレットのような気の利く秘書はなかなかいません、と興奮して言う。 当のマーガレットは部屋の外で聞き耳を立てているところをレオに気づかれてしまい、ドアを叩かれる。「痛っ!」。では本題 に入りましょう。だがエインズリーは緊張しているせいか次々と口が走ってしまいなかなか本題に入れない。私をたたく為に首席補佐官のあなたが 私をホワイトハウスへ呼びつけるなんて間違っています。するとレオから彼女の話し方を指摘される。緊張するとこういう話し方になるんです。 私もだよ、とレオ。どう克服したんですか?スコッチを飲むんだよ。私はお酒に弱いんです。私はお酒に呑まれるんだよ、とレオ。そしてレオの口 からエインズリーを雇いたいと話すが彼女の頭には届いてないのか見当違いの話を続ける。ホワイトハウスへ呼んで私をやっつけるのは猫とネズミの ゲームのようなものですよ。民主党のホワイトハウスへ私を入れれば簡単にやっつけられるとお思いでしょうがそうは問屋が・・・。エインズリー は急に話をストップする。

レオ:やっと分かったのかね。

エインズリー:私を雇いたい、と仰ったんですか?

レオ:あぁ、法律顧問に属する仕事だ。私の下にいる法律顧問に報告書を出す、そのまた下の、准法律顧問に報告書を出すのが君の仕事だ。

エインズリー:すみません・・・このホワイトハウスで(In This White House)の仕事ですか?

レオ:君もスコッチを飲みたいかね?

エインズリー:えぇ、お願いします。

カウチの上で横になっているCJがいる彼女の部屋にサムがやって来て先ほどの話の続きを詳しく聞き出そうとする。言ったらサムをも巻き込んで しまうから話せない、と断るCJ。話を変えてサミットの様子をうかがうCJ。サムは言う、話し合いは順調で皆楽観視している、と。もちろんそんな はずはない、とCJは考えている。サムも認める。CJを呼びに来た秘書のキャロルにも妙な勘違いをするサム。

エインズリーは説明する。自分は常に共和党員で父も共和党員だったし祖父はノースカロライナ共和党パーティーの州議長だった。2歳のころから ホワイトハウスで働くことに憧れてはいたがあなたがたの信じる事のほぼ全てを嫌悪している。大統領は自分と意見を異にする、まさしく君のよう な賢い人間を雇いたいと思っている。君を雇おうと言い出したのは大統領なんだよ、と説明するレオ。以上で話し合いは終了した。後はエインズリー の意思に任せることにする。レオがドアを開けて大声でマーガレットを呼ぶと目の前で不意を突かれて驚く彼女の姿があった。レオに気づかれても なお首席補佐官室に聞き耳を立てるとは。情報通への道が如何に険しいものかがうかがえる。

製薬会社は議会に特許法を守らせようとしている、と歩きながらトビーがジョシュに言う。それも当然の話で、下院議員の半数は製薬会社の援助を 受けて当選しているのだから議会が真剣に受け止めないわけはない。あの錠剤は4セントなんだぞ、とトビー。2番目のはね、とジョシュ、最初の 開発費は4億ドルだ。だがトビーは製薬会社がかなりの特別な税控除を受けている点を指摘する。儲かる商売なんだから自分で自分の尻拭いも容易に できるというわけだ。トビーの部屋に入って、ジョシュがニンバラ大統領について尋ねる。トビーが言うにはいい人だそうだ。偉大な戦士、指揮官と して28年間国の先頭に立ち、国のために戦ってきたのだ。だが地理的に恵まれず作物を育てようにも土壌が悪い。そのため忙しいながらもノーマン ・ボーローグを勉強している。代理を立てようにも代わりになる人はいないから自分で来たのだろう。・・・・・・それならば、と。彼らには何か 実のある利益を持って帰ってもらいたい。トビーとジョシュはそう考える。

CJのブリーフィングの様子を後ろのほうから見ているエインズリー。そこに4日目の新米記者ビルがあなたも新人ですか、と尋ねてくる。彼は例の イラクに掘削機を売った件を話したあたりからCJの様子がどこかおかしいと言う。エインズリーはその原因を、CJが彼に大陪審の話をしてしまった からだと推測する。そしてマーガレットに呼ばれて会見質を後にするエインズリー。会見でエイズ問題サミットの件をCJは「皆が楽観視している」 と話している。

-ACT THREE-
サミットも4日目になって佳境を迎える。これまでさんざん価格引下げ、特許法などについて話し合われてきたが肝心なことについてはまだ触れられ ていない。たとえアフリカのエイズ患者に薬を処方してもエイズの蔓延に歯止めをかけることはできない。この問題には、製薬会社には防ぐことの できない、アフリカの貧困が生み出す大きな問題があるのだ。抗HIVの治療薬の構造はとても複雑で決められた時間に毎日処方する必要がある。 8時間ごとに処方する薬もあれば12時間ごとに処方するものもある。なら何が問題なのか?トビーが答える、エイズ患者の多くは、腕時計を持って いない、時間を正確に知ることのできない人たちばかりなのだ。こればかりは製薬会社にはどうすることもできない。話の終わりが見えてきたところ でトビーがニンバラ大統領に少しだけ時間をいただいて相談したい事があると言う。

マーガレットに案内されてホワイトハウスの出口に行く前に部屋で運動器具のペダルをこいでいるCJに目がいくエインズリー。彼女と会うために マーガレットに少しだけ待ってくれと頼む。エインズリーはCJに自己紹介し、陪審が選ばれたことを漏らしただけでも起訴され、下手すれば18ヶ月 の禁固刑に処せられる可能性があると言う。・・・・・・エインズリーは冗談だと言うがCJはぶっきらぼうにペダルを止める。目撃者は見た事なら 何でも言えるし、誰かがそれを繰り返し言う事も可能なのだ。でも今度からはあれこれ悩む前に法律顧問室に相談するのがいいと思いますよ、と去り 際にアドバイスするエインズリー。

ミューラルルームに通されたニンバラ大統領にトビーとジョシュが提案する。治療薬の価格を下げる代わりにお国の軍隊、税関の職員、厚生大臣たち に訴えて国に入り込んでくる不法な抗生治療薬の出入りを食い止めるよう呼びかけてほしい。だが現実問題として今現在の彼の国の35.8%の成人が HIVに感染し病院患者の60%がHIV陽性で占められ、この状態が続けば近いうちに二つに一つの家庭がHIV感染者が出る事になるだろう。人が、国が 死にかけているそんな時に国際法を守れなどというのはあまりにも非現実的だ。ジョシュが言う、選択肢はありません、そうでもなければ商務省 からにらまれる事になりますしお国への援助を議会が差し止めることもできるのですから。そのかわり、トビーが続ける、議会に掛け合って債務を チャラにし、アメリカのエイズ治療薬のお金を払うのに輸出入銀行から10億ドルを融資してもらうこともできるでしょう。大統領は不思議がる。 議会が融資を認めるのか、と。ジョシュによれば大丈夫とのことだ。財務省と国務省の調査は入るだろうだが1億ドルを超えなければ議会の干渉を 受けることはない。あとはそれをいくつかのケースに分けて融資すればいいだけだ。大統領はいったん静かになる。

ニンバラ:命を乞うというのは恐ろしい事だ。(間を置く)恐ろしい・・・。私の父は・・・誇り高き男でした。 父が家を建てたんです。私がここに来た事を知ったら私を嫌いになるでしょう。

トビー:(まっすぐ目を見て)そんな事はありません。お父さんがあなたを誇りに思っている、と神に誓って言えます。

ニンバラ:(長い間を置いて)ありがとう。

大統領はトビーとジョシュの提案に賛成する。この事をレオに伝えるためジョシュが部屋を出る。

サムがレオのオフィスにやって来るがいないのを見て帰ろうとするとエインズリーが壁の絵を眺めているのに気づいて声をかけ、ぎこちなく話し始め る。例の共和党法案は学校が生徒にコンドームを配布しないことに同意するならお金を与える事になっていた。その事に言及するのを忘れていたな 、とサム。だから拒否したなんていうのは馬鹿げてるわ、とエインズリー。ジョシュが入ってきてレオの部屋へ入っていくがやはりいない。すると 目の前にいる女性があのエインズリー・ヘイズだと気づく。だが彼女をホワイトハウスが雇おうとした事までは知らないらしくその事を知って驚く。 だが彼女は働かない、と明言する。何も彼女が働きたくないのはTV番組に出てあれこれ言いたいからではない。現政権のやる事の思い上がりが気に いらないのだ。政府が子供たちの親よりも子供のためになると思い込み、40年間無償の食べ物を提供して貧富の差を無くそうとしながら均一化を 図れずにもう40年やろうと言い出す始末。誰かがその事を指摘しようものなら冷たく、卑劣で、差別主義者だと決め付け、政治に弱腰であると 言って共和党員を非難する。そしてホワイトハウスは権利章典も大好きなのだ、修正第2条第1節(銃を保持する権利)を除いては。・・・・・・ サムはジョシュを見ながら感情を露わにして言う。狙撃犯はロスリンに銃を持っていってその引き金を引くまでは何の罪にも問われなかった。この 手の銃の保護団体が「個人の自由」を振り回すことにサムはうんざりしている。彼らに銃を持たせたって公共の安全が守れるわけではない、連中は ただ単に銃が好きなだけだ!ええ、確かにその通りよ、とエインズリー。ただそれよりもタチが悪い連中がいる。銃規制を押し広めようとするあな たたちだって公共の安全のためでもなければ個人の自由を唱えるためでもないじゃない。単に銃が好きな人たち が嫌いなだけ。今度南部の田舎者をあざ笑うようなジョークを言う時にはそっちこそよく考えてものを言うべきよ。
トビーが入ってきて彼までもがレオを探しているが見当たらない。そこへチャーリーがやって来てメモを渡す。メモを見たその場の一同は急いで オーヴァルオフィスに向かう。オーヴァルオフィスには軍部関係者が集まっており緊張感が高まっている。バートレットがフィッツウォレスと ナンシーを呼ぶように命じ、ニンバラ大統領を緊急に招き入れる。レオがサムにドアを閉めさせてから厳かにバートレットが告げる。 「あなたの国で3時間前にクーデターが起こりました」。反乱軍が首都、ラジオ局とテレビ局を制圧し ており、国に帰れば命の保障はまず有り得ない。国務省も大統領にアメリカへの亡命を勧めるがニンバラ大統領は頑なに拒否する。大使は権限を剥奪 された。大統領の弟も二人の息子もすでに亡くなっており奥さんはケニアに隠れている。その様子を、やがてマーガレットから連れ出されるまで、 首席補佐官室からじっと見守るエインズリー。バートレットは武力援助はできないと静かに言う。

レストランで喋っている二人の友人の輪に加わるエインズリー。友人の一人は彼女が断ったときのマクギャリーの驚いた顔が見たかったなどと言って いる。私、あいつら嫌い。誰か人間的価値のあるやつはいたのか。・・・・・・エインズリーが答える。

エインズリー:そんな風に言わないで!確かに彼らは自惚れていて傲慢だし公共政策のアプローチなんかは髪を掻きむしりたくなるぐらいだわ。 高い税金が好きで国民から絞り上げてるし、必要以上に自由を侵害して銃を取り上げたりもするけど彼らを無価値だなんて言わないで。少なくとも 私の前では。(間を置く)私が会った人たちは国を動かす資格が十分にあるし志も素晴らしいわ。義務感に燃えてて正義感に溢れ、愛国心も持って いるわ。(間を置く)それに、私は彼らの弁護士なのよ。

トビーの部屋で私服のバートレットとジョシュとトビーがニンバラ大統領が言及したノーマン・ボーローグについて話をしている。そこへチャーリー がやって来てバートレットにメモを渡す。バートレットは眼鏡をかけてそれを読む。「やはり起こったんですか」とトビー。そしてバートレットの 口からニンバラ大統領が空港の駐車場で処刑されたと告げられる。トビーとジョシュはやるせない表情をしている。眼鏡を外しバートレットが外へ 出るとしばらくしてジョシュも外へ出る。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J.Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Emily Procter as Ainsley Hayes
Ted McGinley as Mark Gottfried
Zakes Mokae as President Nimbala
Michael Chinyamurindi as President Nimbala's Interpreter
Michael Cavanaugh as Pharmaceutical Company Executive
Len Cariou as Alan Damson
Sam Jaeger as Bill Kelley
Randolph Brooks as Arthur Leeds
Tom Hall as Mike
Kris Narmont as Katie
Charles Noland as Steve
Mindy Seeger as Chris
Kim Webster as Ginger
Melissa Fitzgerald as Carol
Nicole Robinson as Margalet



TWW2-03へ|TWW2-05へ

〜とっぷへ〜