The West Wing:とりびあ〜んコーナー
1-06:Mr. Willis of Ohio(オハイオ州選出のウィリス議員)


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★My Impression(管理人VicePresidentの感想)
    
★A View from the Hill(客観的な見方)
    歳出予算案へ追加する修正案の内訳はアパラチア山脈の輸送関連施設の設立に1200万ドル、トラックサービスエリアの駐車設備研究費として150万ドル、高速道路の基本施設に関する記録作成費が300万ドルだ。これがこの政権に何をもたらすの?とマンディーが尋ねる。公立学校の教師10万人の新規採用準備金だ、とトビー。この法案の最新の草案は7000ページにも及ぶ量になる。この草案にはカリフォルニア州サリナスにおけるレタスの遺伝子組み替え品種改良費に120万ドル、ミシシッピ州スタークビルの肥料の処理にかかる170万ドルがそれぞれ含まれている。さらに8つの州で分割する木材の利用法研究費が500万ドルも修正案に入っている。話し合いが終了し、議会は委員会が提出する国勢調査の修正案を取り下げた。

★American History X(アメリカン・ヒストリーX)
    憲法の第1条第2節には「連邦議会の下院議員及び直接税は各州の人口に従い本連邦に加入する各集会に配分される。各州の人口は年期契約で奉公している者を含め、納税していないインディアンを除いたその他の人口の5分の3全ての人の総数で決定される」と明示されている。トビーは憲法のコピーを欲しがっていたが秘書のボニーに、まだ売ってるんですか、と尋ねられる。それならば、とトビーはアマゾン.COMで手に入れて来い、と提案する。「そこにも無かったのなら国立公文書館の展示ケースを叩き割って盗み出して来い」。
    社会福祉と女性参政権運動のリーダーの本拠地であるスーザン・B・アンソニー(1820-1906)はニューヨーク州のロチェスターに住んでいた。

★Behind the Camera(カメラの後ろで)
    この回を監督したクリストファー・ミシアノはERの製作や刑事ナッシュ・ブリッジス、ロー&オーダーを監督したことがあり映画「The Europeans」('79)では撮影助手を務めていた。また「ザ・ホワイトハウス」4-23"Twenty-Five"で第55回2003年エミー賞の監督賞にもノミネートされている。

★Cast and Crew Comments(出演者らのコメント)
    指導、といったような形では撮られていなかったので、あの国勢調査のワンシーンはよく撮れてたよ、とトーマス・シュラムはBrill's Contentに語った。「サムがCJよりも優秀な点が一つあって、CJが教えられる立場にあった場面の事だよ」と彼は説明する。「監督者という観点から見た本質は、サムとCJの仲がエピソードの終わりにはより親密になっている、という点だ。もちろん魅せられてなければ何てことのないシーンなんだがね」
    「我々が国勢調査を行うときは1300万から1400万の人が監査にあたるんだ」とブラッドリー・ウィットフォードはセントルイス Post-Dispatchに語った。「ホワイトハウスの誰かが言ってたんだけど何かについて話したい時は、新聞の一面が取れたらの 話だが、その数は100万人にも及ぶらしいよ。もし国勢調査の話なんかしたりしたらチャンネルを変えるだろうね」

★Cigarettes and Alcohol(煙草とお酒)
    カードゲームの間、サムはラガービールを一ビン、CJ、マンディー、ジョシュはウィスキーを、トビーはタバコを吸っていた。大統領はジョシュにチャーリーを飲みに連れてやってくれと頼み、お金を渡そうとするが今の大統領はお金を持ち歩いていない。ジョージタウンステーションのバーでは、CJはグラスホッパー(creme-de-mentheで作られたカクテル)を注文し、チャーリー、サム、ジョシュはビールを飲み、マロリーはスクリュードライバー(※)を飲んでいた。

(※)スクリュードライバー・・・無味無臭のウォッカとオレンジジュースを油田で働いていた連中がネジ回し(Screwdriver)でかき回して 飲んでいたことからこの名前がついた。アルコール度数が強い割に口当たりがいいのでレディ・キラーとも呼ばれていた。アルコールに弱い女性はご用心、とのこと(マロリーは強いのかな?)。なおどうでもいい余談ですがゲーム「ロマサガ」シリーズに登場する技名「スクリュードライバー」が女性特効なのもこれで謎が解け、思わずニヤッとしてしまいます(分かる人には分かる)。

★Critique(論評)
    USAトゥディ紙によれば、1998年にNational History Dayの先生を務めていたシンシア・モストラー(Cynthia Mostoller)はドラマの中のジョー・ウィリスに非常に強い感銘を受けた。「私はオハイオ州(ドラマで出てきたウィリス議員の出身州)の8年生に社会学を教えています。そのためこのエピソードは我々が今教えていることと驚くほど類似しているんです」と彼女は言う。
    スコット・レイド(カナダの財務大臣であるポール・マーティンの広報部長)はNational Post紙にこう語った「ドナが繰り返し強調して言っていた”DVDプレーヤーを買いたい”といった”税控除”と”税金の還元”の対立に関する話に強い印象を受けた」。このドナの話は彼(スコット)のオフィスでもたちまち 話題に上るようになり好評を博した。
    「このエピソードのAct Three(3段落目)では国勢調査と統計サンプリング調査に関する話が出てた」とOnline NewsHour with Jim Lehrerの中でジョー・ロックハートはテレンス・スミスに語った。「問題点をしっかりと言い表していたし、彼らはいい仕事をしたよ。テレビの世界で政治と情熱をこれほど素晴らしく表現したTVは無いよ」。

★Did You Know?(ご存知?)
    アンドリュー・ダンカン、マーティン・シーンが彼をケネディ大統領の大ファンだと言っている、とのインタビューにおいて「ケネディの死後明らかになった彼の女性関係は私にはより人間的に見えた。我々は自分たちの指導者を、力で何でも屈服させられるものだと理想化している。アメリカ人の精神というのは風変わりなもので、大統領になるや否や過去に犯した罪には問われなくなったりする。そういったことは実に偽善的だがそういった問題に正面から立ち向かったり、政権内に悪党をはびこらせないようにしたクリントン大統領を私は誇りに思ってる」。しかしながらクリントンの後任はやや慈悲に欠けている「ジョージ・W・ブッシュは大衆を悪いほうに扇動する粗悪な漫画みたいだ」と言う 「魯鈍(「ろどん」と読み知能が8〜12歳程度の成人を指す)なんだよ。こんな悪い言い方をして気分を悪くされたらすまないが」。

★In the Interests of National Security(国家安全の関心事)
    シークレット・サービスのロン・バターフィールドがバートレットに説明する、もしフェンスを越えてホワイトハウス内に乗り込もうとした者は刑務所に送られる。「どのぐらい拘留するかは捕まった時の態度で決められる」。前の晩のアラームは武装した、精神的に不安定な女性が来た事で作動した。だが彼女がターゲットにしたのはバートレットではなく娘のゾーイだった。

★Logic, Let Me Introduce You to This Window(論理の世界へあなたを・・・)
    議会で名前を読み上げられる時はアルファベット順で読み上げられる。ウィリス(Willis)議員の後に読み上げられたのはザントウスキー(Zantowski)議員だったが1-20"Mandatory Minimums"に登場したトビーの元妻のアンディ・ワイアット(Andy Wyatt)議員の名前は無かった。彼女も下院議員のはずなのだが。実際には、下院で名前を読み上げるということは既に1999年になくなっており、コンピューターで票を操作することになっている。ジョー・ウィリスを下院に指名することはできない:憲法第1条第2節によれば、議席に空きが出た場合は投票で席を埋める事になっている。よってこのエピソードのように”代理で”などという形は取れないのである。

★Notes(注目)
    「大統領の娘、首席補佐官の娘にジョージタウンのバーでサムも一緒。悪い事になるわけがないだろ」。良心と分からない事を恐れない、ということについて、礼儀正しさと民主党主導の考え方を秘めた信念が崩れた、トビーの心に変化が見えたのは明白だ。バーのシーンは大好きだ、静かな夜だったのがちょっとした喜劇に変わり、最後にはスカッとした気分になれる(チャーリーにからんで、嘲ったマヌケがシークレットサービスに引っ張られ、チャーリーが言う「楽しくなりました」)。例の騒動が終わった後でのジョシュとサムの強がり(どれだけの暴漢を相手にできたかという議論)。
    大統領が言うには「悪夢のシナリオ」というのはゾーイが誘拐される事だ(自分が撃たれる事について頭がおかしくなることはないけれども)。

★Oh, Donna!(愛しのドナ!)
    この回のジョシュ&ドナはシリーズの中でも最もドタバタしてた部類に入る。ドナがジョシュに予算の黒字について云々する場面のことだ。この10年間で初めて320億ドルもの黒字が出たっていう事?ジョシュは確認する。共和党はこのお金を税控除に充てたがっているんでしょ、とドナは言う。つまりは国民に返すのと同じ事だ。なら何故民主党は反対するのか?答えは、正しく使われないから、だとジョシュ「君(ドナ)の控除額が700ドルだとしたら政府はそのお金を取って他のみんなのお金と一緒にして社会保障とかに充てるけど君なら何に使う?」「DVDプレーヤー」とドナは返し、更に議論を続ける「でもその700ドルはプレーヤーメーカーの雇用促進や市場活性に繋がる助けになるんじゃない?」。 だが問題は、ドナの買うDVDプレーヤーが日本製のものであるかもしれないということだ。もしそうならアメリカの利益にはならず返還した700ドルがアメリカにとって有効利用されたとは言えない。「国産の物を買うわよ」と言うドナに対して「信用できない。僕らは民主党だ。そういう事なら民主党に入れるな」というのがジョシュの意見だ。後にジョシュがドナに20ドル渡してサンドイッチを買ってくるように言う。お釣りはどこ?とジョシュが尋ねるとドナは返す「必要以上にお金を渡されたけど、あなたの事はよく知ってる。信用できないから私が正しくお金を使ってあげる」「うまい例え話だね」と言うジョシュに後ろを振り返りながら「あたしのお金返してよ!」と要求するドナ。

(いやぁ、このドナたんメッチャ可愛らしいですよね♪)

★Politics of Desperation(やけっぱちの政治)
    CJが国勢調査について実はあまり理解していなかった、と言う事でサムがかいつまんで説明する。連邦、州、地方の代表者の選出は人口を基準にしているので10年ごとに数を数えることが憲法で定められている。例えばカリフォルニアから何人の下院議員を出せるかを知るにはそこに住む人たちの数を数えればいいというわけだ。国勢調査はいつも戸口を叩いてカウントされてきた。95万人もの専門家を雇い、それら一連の調査にかかる費用はじつに69億ドルでありその上調査の結果自体が不正確だという。この方法は都心部の人口やホームレスの数を把握するのには向いていないのだ。英語を話せない人の数も多いし、いきなり個人的な調査をしても質問に答えてもらえない場合もある。だがサンプリング調査なら より効率的に国勢調査を行えると考えられている。

★Politics of Integrity(清廉潔白な政治)
    トビーは、ジョー・ウィリスが国勢調査の修正案を出すのを遅らせると言った後で何故途中で気が変わったのか尋ねる。「君だよ。君の論理には非常に強い説得力があった」。トビーが言うには、この手の話し合いのメリットは政治的に有利に立つために行われる、とのことだ。こういったやり方は民主党よりであるし前例などどうでもよかった、とトビーは明かす。「選挙などせずに世論調査の結果だけで決めればいい。1150人で国の代表を決める」テレビの内容を決めるような連中と同じでないなら結構な事だ、とウィリス氏。

★Quote/Unquote(本編の引用)
    
グラッドマン:今日は国勢調査の話で呼んだのだろう?

ジョシュ:ホワイトハウスはこれを機にあなた方を暴君だと言いたかったんですよ。


バートレット:結婚には注意が必要だ、レオ。自動操縦というわけにはいかない。もう高校生のプロムパーティーの話じゃないんだぞ!

レオ:ご指摘くださってありがとうございます。私もワインの味見クラブとあなたのホワイトハウスを動かす中で、その時間を見つけようとがんばっていました。


★References(ご参照あれ)
    クヌート・ロッケン(※1)。Our Town(※2)、スタッフがカードゲームをしていたあの場面はTVシリーズ「スタートレック:The Next Generation」で使われたプロットを改良したものと考えられる。トビーは南アメリカの地理の知識をひけらかすバートレットを歌手であり、ゲームショーのホストであるウィンク・マーティンデール(Wink Martindale)と呼ぶ。Saved By the Bell, Super Flyなどで知られるラッパーであるLL Cool J, Ice T, Puff Daddy, Ice Cube, ドクタードリトル、メリー・ポピンズなどなど(チャーリーに絡んだ大学生が挙げた人物)。 トビーのオフィスの棚からこぼれてる雑誌はForbesとNew Yorker(※3)だ。サムは自分のオフィスに「DON'T TREAD ON ME」(踏みつけないで)と書かれた星条旗を持っている。

(※1)Knute Rockne(クヌート・ロッケン 1888〜1931)・・・はアメリカの大学フットボール界の伝説的名コーチ。ノルウェー生まれでノートルダム大学でFighting Irishチームのヘッドコーチを13年間務め戦績も8割8分にまで及ぶ。24,29,30年の3回にわたり全国優勝を果たすものの31年に旅客機事故で急逝しスポーツファンの嘆きを呼んだ。
(※2)Our Town・・・ソーントン・ワイルダー(Thornton Wilder)が執筆し、ピュリッツアー賞を受賞した戯曲で、後にウィリアム・ホールデンを主演に据えた映画('40)が製作された。ドラマの中でバートレットが言ったセリフ「I once played the stage manager in a production of Our Town」に注目してみると彼はOur Townの演劇をしたことがあるようだ(あくまでドラマの中のお話)。
(※3)Forbes, New Yorker・・・いずれもアメリカを代表するビジネス誌で(ここからはドラマと全く関係ないお話)ForbesとNew Yorkerを含んだ6誌がTablet PC向けのデジタル版創刊を計画している。他の雑誌はFinancial Times, Slate, Les Echoes(仏), Wirtschafts Woche(独)。マイクロソフト社はTablet PCを発表した際にこの6社との提携についても正式発表しており、協力して電子マガジン発行ツールの開発にあたり、2003年中に試用版のダウンロード提供開始を目指すというものだ。

★Sex and Drugs and Rock'n'Roll(セックスと麻薬とロックンロール)
    マロリーはゾーイにサムの彼女の話をしていた。サムが恐る恐る「お父さん(首席補佐官と合衆国大統領)は知っている?」と尋ねると、微笑みながら「今のところはまだよ」とゾーイ。

★The Encyclopedeic Mind of Josiah Bartlet PhD(バートレット博士の博識ぶり)
    カードゲームの最中にジョシュが大統領に言う「しょうもないトリビアクイズで我々の気分を解放してくださるとはね」。そしてバートレットが出題する「外に種の付いているフルーツはな〜んだ?」答えは”イチゴ”。次の問題は英語の文法で使われる14個の記号を列挙せよ、というものだ。スタッフが一個ずつ答えていきトビーがあっさりと残りの七つを言ってのける(答えは1-06[Mr. Willis of Ohio]のエピソードガイドを参照あれ)。そして更に”dw”で始まる英単語を3つ答えさせる(答えは”dwindle”、”dwarf”、”dwell” で間違いはないものの4つ目の単語に”dwale”(べラドンナ):有害なナス科の植物の別名でもある)。バートレットは南アフリカの地理の話までしようとするがシークレットサービスに遮られる。



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