4-22 | : | E P I S O D E # 89
2006/03/07 on NHK |
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-STORY- 数年間ニューヨークに潜伏しているのを監視していたクマーの幹部五人が同時に失踪すると同時にポートランドに不審船が入港しようという情報が入ってきたのを受けて、警戒態勢を敷くよう命じるバートレット。一方、ダニーはついにアメリカによるシャリーフ暗殺の手がかりを掴むが、警戒態勢が上がったという知らせをレオとCJから聞いて、大統領との独占取材を条件に記事を三日間差し止める事を約束する。 ゾーイが卒業するジョージタウン大学の卒業式当日に、入学前に彼女と国立公園にシャンパンを埋めたことを思い出したチャーリーは、副大統領候補選びに忙しいジョシュと一緒に卒業式の晩にそのシャンパンを取りに行く。だがそこには既にゾーイが待っていた。次の日にフランスへ行く事になっている彼女は、今抱えている不安をチャーリーに話す。 フランスへ行くゾーイの護衛の責任者に新たに任命されたウェスリー・デイビス。卒業式の夜、早速クラブのパーティーに行く彼女の護衛にあたるが・・・。 |
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TOBY and ANDY |
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アンディ:今はここがあなたの家なのね。 トビー:そうだ、でも実際には・・・(シャンデリアが顔にかかる)君の家でもある、その、一言イエスと言ってくれれば。 そうして日差しが入り込むサンルームへと歩いてくる二人。 トビー:だから・・・結婚してくれないか? アンディ:まさかトビー、私のためにこの家を買って・・・ トビー:いや、違うよ。だから・・・ アンディ:そう言えばアパートを出て家が欲しいって・・・ トビー:最初の質問に戻ってもいいかな? アンディ:頭金はもう返せないの? トビー:つまりノーか? アンディ:そうよ、トビー。もう何度も断ったじゃない。もちろん家まで買ってくれるなんて嬉しいけど・・・ トビー:君は気付いてないだろうが、私は君に指摘された振る舞いを変えようと頑張ってきたんだ。アパートでの一人暮らしをやめたのもそうだし最近ではサラダも食ってる。 アンディ:どこに住もうと何を食べようとそんな事は問題じゃないわ。確かに問題でもあるけどそれほど気にしていないもの。 トビー:なら何故再婚できない? アンディ:本当にそれを言わせたいの?言わせたくないでしょ? トビー:知りたいんだよ。君はポーズを取っていたものだとばかり思っていた。ポーズを取っていたのは罰として私に結婚を迫らせようとしていたからだと。私は別に構わないんだが。 アンディ:ポーズなんか取ってないわ。 トビー:どうして? アンディ:あなたがいると悲しくなるのよ、トビー。 トビー:何だって? アンディ:悲しくなるのよ。あなたは悲しいし、その悲しさを家に持ち込んでくるのよ。 トビー:私は悲しいわけじゃない。 アンディ:でもそうなのよ。どうやったら変えられるのかと思ってたけど無理だったわ。 トビー:私は悲しいんじゃない、物事を真剣に捉える性質なんだよ。 アンディ:私だって真剣に捉える方よ。 トビー:私は誰とも比較できない。だから・・・ アンディ:あなたは悲しいし、怒りっぽいし、それに冷たいのよ。人を永遠に信じる事なんてないでしょ。 トビー:なぁ・・・、私の父は生きるために殺人を犯していたが、世代的に見てジーグラー家は進歩を遂げている。子供の事についても心配していない。 アンディ:私は子供たちが心配よ。 トビー:やめてくれ。 アンディ:だってあなたなら子供たちに世界の素晴らしさを教えるよりも、学校で一生懸命勉強してみすぼらしく、絶望的な世界についての知識を詰込むよう言うにきまってるもの。 トビー:そうやって十分詰め込まれた子供たちが世界中で私たちの子供たちだけしかいなくても別におかしくはないだろう? アンディ:トビー、私もあなたと同じぐらい真剣だし、グラスに水が半分入っているのも分かるわ。 トビー:それはいい。半分も入ってるのか?半分しか入ってないのか?少なくとも満タンじゃないという点で我々は一致しているわけだな? (グラスに入っている水を見て「半分も入っているのか」「半分しか入ってないのか」で楽観・悲観の心理状態を判断するジョークの一種) アンディ:ほら、私が言った通りじゃないの! トビー:ただのジョークじゃないか! アンディ:真剣に話したいとさっき言ったばかりじゃないの。 トビー:結婚していた時もそういうふうに考えていたのか? アンディ:よしましょうよ・・・。 トビー:つまり今はそう考えてはいないのか? アンディ:よしましょう、ね。さっき言った事は悪かったわ。妊娠してるから戻りたいの。 トビー:なるほど。結婚していた時もそう感じていたんだな?私が悲しいって? アンディ:違う、もう車の中で座りたいのよ。足首が痛くなってきちゃって・・・ トビー:私の友人たちもそう思っていたのか? アンディはその質問には答えずに外へと歩いていく。 |
CHARLIE and ZOEY |
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ゾーイ:遅いわよ。 チャーリー:来てたんだ。 ゾーイ:10時7分よ。7分も遅刻じゃない。 チャーリー:君はセダンで来たんだろ。僕は壁をよじ登ってきたんだから。 ゾーイ:そんな事したらいけないんじゃない? チャーリー:ここに来ているとは思わなかったよ。 ゾーイ:あなたは何故来たの? チャーリー:シャンパンを掘り返して卒業プレゼントとして君にあげようと思ったんだよ。君は何故ここに? ゾーイ:なるほど。私はそれを飲みに来たの。 チャーリー:なるほど。 ゾーイ:冗談よ。でもそう来ると思った。もう飲んじゃったけどね。 チャーリー:ラジオ局主催のパーティに人が集まってる。世界の終わりを表したかのようなテクノ系のクラブだよ。君が行くって言ったから皆してクラブに人が集まってるんだよ。君が来ると知ってたら来なかったよ。たぶんね・・・ ゾーイ:私とシャンパン飲みたくないの? チャーリー:いや、違うよ。飲みたいよ。ただクラブの皆に電話しておいた方がいいと思ってさ・・・ ゾーイ:あなたっていい人ね。劣悪な環境で育ったのに何があなたをそんないい人にしたの? チャーリー:いいものを食べているからさ。馬鹿みたいなんだけどさ、最初にあのメモを見たとき・・・ ゾーイが寄りかかってきて突然チャーリーとキスする。 チャーリー:こんな事駄目だろ。どうしたの? ゾーイ:別に。 チャーリー:嘘だ。 ゾーイ:言うほどの事でもないし。 チャーリー:知りたいよ。 ゾーイ:何でもないわ。ただ、いろいろあって・・・もう。ジャン・ポールが今夜私にエクスタシーをやろうって。 チャーリー:なるほど、でもあれやったら子供に異常が出るよ。 ゾーイ:そんなことはどうでもいいわ。私が・・・その、心配なのはパパの事よ。3ヶ月間離れる事にパパも賛成してくれているわけじゃないもの。それにあなたの事でも混乱してるし。 チャーリー:何のアドバイスも出来ない。 ゾーイ:どうして? チャーリー:どうせ今日が終われば明日にはコンコルドに乗ってるだろ。 ゾーイ:そうだけど、一緒に座って、もう少しだけ一緒にいたいの。 チャーリー:・・・そう・・・でも、行くって言ったところに行かないのはやはりまずいと思うよ。 ゾーイ:パーティーに行かなきゃ。 チャーリー:あぁ。 そうして最後にゾーイはもう一度だけチャーリーにキスしてからシャンパンのふたを元に戻し、彼に預けて一人立ち上がってパーティーに向かう。 |
会見室の後ろの部屋でパソコンのキーボードを打っているダニーを見て、何をしているのかと尋ねるCJ。それよりも彼はいつ眠るのだろうか?さあね、とダニー、打っているのは春の俳句だと言う。もちろん三日間の記事の差し止めは自分で言い出したことでもあるから分かってはいるが、三日経つと同時に発表できるように今のうちに書いているのだ。ゾーイの卒業式での大統領のスピーチの話はダニーも聞き及んでいるらしく、大統領が祈願の最中にずっとガウンをごそごそとしていたと通信社が伝えているね、と言う。ナプキンを取ろうとしてたのよ、とCJ。ダニーが再び、メキシコ湾流にのっていたジェット機が墜落したという、シャリーフの飛行機の墜落の原因に言及しようとしたところCJから、この二、三日の間はその件に言及する際には「マドラスプロジェクト」と呼ぶようにするよう求められる。 クラブで踊っている学生たちの中に、テーブルを挟んでそれぞれカウチに座っているゾーイとジャン・ポールの姿が見える。ジャン・ポールは三ヶ月という期間は長いからまず二、三週間にしてからパーティーに行ったりして延期を決めればいいと言う。ゾーイはそれはいいアイディアかもしれないと言うが、自分が家を出たいのはパーティーとかに出たくなかったから、とも言う。ジャン・ポールはパーティーは夜だけだと言うが何故かゾーイは頭が軽くなって、ボーっとしたような感覚がしてどこか変だと感じる。先ほど飲んだシャンパンのせいだろうか。ボーっとするのはいいことだよ、その反対の状態よりもね、とジャン・ポールが怪しく言う。 自分が言った事でジョシュが誤解したかもしれない事で未だに悩んでいるエイミー。だがジョシュが怒るのは分かるとしても、この話を最初にドナにした時に彼女も怒っているような感じがしたのがエイミーに分からないところなのだと言う。ドナはそんな事はないと言う。ジョシュは長いことホインズの部下として働いてきたのだから、ジョシュが怒っているとすればそれが理由だろう。とはいえジョシュから一方的に辞めたのだが。 ドナ:そんな簡単な事じゃないわ。ジョシュは人を見捨てたりしないもの。 エイミー:でも彼、ホインズとは親しかったでしょ。だから分からな・・・ ドナ:あなたジョシュが好きなんでしょ? 突然の質問に驚くエイミー。 クラブの外で、中の警護官からの情報を受け取りながら待機しているウェスリーと、彼と一緒に車のボンネットの上に座っているチャーリーとジョシュ。国立公園の壁はよじ登ったのであって飛び越えちゃいないよ、とジョシュ。でも壁は9mぐらいあって城門みたいだったし、あちこちで鳥が飛んでいたよ。ウェスリーはその話を聞き流しながら手首に通したマイクで状況報告を行うよう伝える。 あなたに対して嘘はつきたくないけど、けど・・・ごめんなさい・・・あなたを傷つけたくはないけど、でも、あなたに嘘はつきたくない。・・・かなり気分が昂ぶっている様子のゾーイを見て満足そうな笑みを浮かべるジャン・ポール。ウェイトレスが来てドリンクをゾーイの前のテーブルの上に置き、空のグラスを持って行く。やはりどこか普通とは違う妙な感じがするとゾーイ本人も気付く。ジャン・ポールが言うように文字通り酔っているだけなのだろうか。 ジョシュの姉は彼女が彼の面倒を見ていた時に起こった火事で亡くなった。姉は火を消そうとしていてジョシュだけが逃げて来たのだ。選挙中には父親も亡くなったし、病院で目を覚ました時には大統領も撃たれたとも知った。だからジョシュは毎日、自分の好きな誰かが自分のせいで死にはしないかと心配しているのだ。そうエイミーに話して立ち上がり、郵便箱のところまで歩いて郵便物に目を通すドナ。エイミーも初めて知った事もあるのか驚いている。ともかく、エイミーがリストを見て「棚ぼた」と言った時、ジョシュには「ありがとうジョシュ、またやってくれたわね。また(犠牲者は)私たちよ」と聞こえたのだろう。驚きながらもエイミーは話を元に戻す。 エイミー:ジョシュが好きなんでしょ、ってあなた言ったわよね。 ドナ:えぇ、だってほら・・・あなたが彼に気がない・・・なんて考えられないし。 エイミー:あなたもジョシュが好きなんじゃない? もはや目にしている郵便物のことなど忘れていそうなドナ、ストレートなエイミーの質問に固まりながらやがて郵便物を閉じる。 ゾーイのドリンクにエクスタシーを入れたのか、とゾーイが思い切って尋ねる。ジャン・ポールはあっさり認め、半分だけ入れたと言う。ゾーイは怒りたいのに薬物のせいでまともに思考が定まらない。ジャン・ポールはこうして音楽を楽しむようゾーイにも体験してもらいたかったのだと言う。ゾーイは中途半端にそれを受け流し、火照った顔を覚ますためにトイレに行って来ると言って席を立つ。 会見室の最前列に座ってマドラスプロジェクトについて話すCJとダニー。 ダニー:聞きたいのは次の五つだよ。紙に書かなくていいの? CJ:何も記録に残したくないわ。 ダニー:(Q1)マドラスプロジェクトは報復か、それとも防止策か?(Q2)アラブ社会の同盟国やイスラエルに事前か事後に通告は入れたのか?(Q3)議会の執行部はどのように関わったのか、またこれからどのように関わるのか? CJ:詳しくは分からないけど最後の二つの質問に対する答えは同じよ。 ダニー:特別な大統領命令が無ければ彼らも法的な保護を・・・ CJ:国家安全保障会議の決定で命令が出ているわ。 ダニー:(Q4)これは未来のマドラスプロジェクトの前例となるのか? CJ:それで四つ目ね。五つ目は何? ダニー:(Q5)大統領か国家安全保障担当補佐官は報復を恐れているのか? CJは黙ってダニーを見ている。 しかし慣れとは怖いものだ。地獄へ行こうと叫んでそのまま立ちションしてもおかしくない。そう言いながらボンネットの上でビールを空けるジョシュ。ボンネットから離れているウェスリーはジョシュの戯言を無視してクラブの中にいるランディと連絡を取る。ゾーイはそろそろ帰ろうとしているのか?ランディは、ゾーイはまだトイレにいると言うが、クラブ内の別の場所で見張っているジェイミーが彼女を見ていると言う。だがよく見るとそれはゾーイでないことが分かり、ウェスリーはゾーイの現在地をしっかりと把握するよう警護官たちに命令して自身もクラブの方へと走っていく。ランディはまだ彼女がトイレにいると思い、確認しようとするがウェスリーに止められる。警護官が無理してトイレを調べに来たのを見れば、雰囲気を壊されたゾーイが怒るかもしれないからだ。クラブに入ったウェスリーはジェイミーの横を通り過ぎる際に腕を叩いて自分が先へ行く事を示す。そしてそのままランディと合流し、近くを通り過ぎようとしていたウェイトレスを捕まえて彼女にトイレの中を確かめてもらうように頼む。ウェイトレスはトレイを置いてトイレに調べに入る。その間ウェスリーは裏口で見張っているモリーに連絡を取って誰かいないか確認する。だがマイクからは何の反応も無い。その時ウェスリーはトイレのすぐ横にある、裏口へと抜けれそうな火災用非常通路を見つける。ウェイトレスが出てきて中に誰もいないのを聞いてからすぐにウェスリーもそれを確かめにトイレに入って一つ一つ個室をチェックする。チェックする間もモリーへの呼びかけは続けていたが何度呼びかけても彼女からの応答が無い。トイレから出たウェスリーは先ほど見かけた通路が非常用通路であることをウェイトレスに確認した後、銃をホルスターから抜いて、古い蛍光灯が明滅を繰り返す階段を慎重に下りていく。裏口へ出たウェスリーは路地の真ん中に落ちていたゾーイのアラームを見つけ、拾い上げる。そしてモリーが見張っていたと思われる向こうの路地までおよそ100m走っていき、額を打ち抜かれて即死しているモリーの死体を発見する。路地は血まみれになっている。それを見たウェスリーは即座に「ゾーイ拉致」の報をマイクを通して伝える。 ウェスリー:ブックバッグ(ゾーイのSSコードネーム)が拉致された。拉致されて警護官が一人死亡。コードブラックだ。 状況も一段落して人も少なくなったシチュエーションルーム。電話を終えたナンシーがレオに、FBIが尋問のためにシェリダン連邦刑務所にアジャイル(Agile)のクルーのメンバー98人を護送したと伝えるとフィッツがくすっと笑う。船長は死ぬのを恐れて震え上がっており、積荷目録のコンテナ数が45個になっているのは誓ってタイプミスだったと言っているそうだ。フィッツが笑ったのを笑い事ではないと言ったナンシーも徐々に危機感が薄れてきたのかタイプミスの話を聞いて安心しているようにも見える。レオは、タイプミスのためにポートランド港を封鎖したと知ったらマーガレットの狂気が一段と大きくなるに違いないと言う。これにはフィッツも声を出して笑う。とりあえずレオは2,3時間家に帰るから何かあったら連絡してくれるよう頼む。そうしてレオがドアの方に向く前に海兵隊二人がドアを開け、レオがドアの方を向くと同時にドアの向こうに息を切らせたロン・バターフィールドが飛び込んでくる。机の向こうにいるフィッツウォレスを背にしながらロンのところまで歩いていき、ドアが閉まると二人きりで話を聞くレオ。ロンはいつになく取り乱しているがそれを必死に押さえようとしているのが分かる。それはレオにも伝わり、レオが何事か尋ねる。 ロン:問題が起こりました。コードブラックの場合、手順に従ってまず首席補佐官に話すことに・・・ レオ:何があったんだ? ロン:ゾーイ・バートレットが行方不明です。現場で捜査官の死体が見つかりました。 ショックを受けたレオはしばらく顔を伏せていたがすぐに再びロンの顔を見上げ、とりあえずシチュエーションルームの通路から出て階段を上がり、ホワイトハウスの通路へと出る。レオの脳裏にはゾーイの断片的な顔のフラッシュバックが白黒で浮かび上がってくる。通路を歩きながらフラッシュバックするそのゾーイは、自分の顔の前に両手を出していて何者かからの攻撃を防ごうとしているように見える。ゆっくりと歩いているだけだったレオもだんだん事体が飲み込めてきたのか走り始め、それについてロンたち警護官たちも彼の後について走り始める。フラッシュバック内のゾーイは目だけが映っており、その目の向こうに犯人が映っているのかもしれない。瞳孔が大きくなっている様子から相当の恐怖感が窺える。ルーズベルトルームの横を走り抜け、オーヴァルオフィスも走り抜けてバートレットのいる公邸へ柱廊から向かうレオ。息を切らせながら必死にこの事を知らせようと走っていく。
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