THE WEST WING
4-02:
E P I S O D E # 69
2005/10/04 on NHK
20 HOURS IN AMERICA PART2
(20時間のアメリカ滞在 その2)
-STORY-
バートレットは縁起を担いで大恐慌の前日にフーバー大統領と握手した人物と株価暴落の翌日に握手する事を避ける。レオは クマーがシャリーフ暗殺をアメリカの犯行とほぼ断定していながらイスラエルに罪を着せようとしてアメリカを挑発しようとしている事を突き止める 。一方ホワイトハウスへと向かっているはずのジョシュ、トビー、ドナは不運と天候の悪さが重なってなかなかホワイトハウスに帰れないでいる。 だが、途中立ち寄ったホテルのバーで会った男と話しているうちに大学の授業料控除に興味を持つようになる。そんな中、ケニソン州立大学で パイプ爆弾が爆発し100人以上の死傷者が出るという大惨事が発生する。サムはバートレットの演説原稿で大成功を収めて帰ってくるとマロリーが 待っていた。

WRITERAARON SORKIN
DIRECTORCHRISTOPHER MISIANO

US TRANSMISSION DATE
25 September 2002
UK TRANSMISSION DATE
29 July 2003(E4)
JP TRANSMISSION DATE
4 October 2005
-TITLE'S MEANING-
Josh, Toby and Donna spent 20 hours going back to the White House.

-EPISODE OUTLINE-
When they goes in jail, share the same fate.

-QUOTING-
1, Yeah, it's a proud day for Alfred Nobel.

2, Nothing's not his fault in the Oval Office.



INTO THE MAIN TITLE:★★★★★

TWW4-01へ| TWWとりびあ〜ん4-02へ| TWW4-03へ


-ACT ONE-
バートレットとサムはチャーリーのオフィスで株式市場のTVニュースを見ている。取引は引き、ダウは685ポイント落ち、下げ率としては史上7番目 、トータルポイントとし ては史上最悪を記録。市場開幕のベルが鳴る前に、アメリカで最大のヘッジファンドであるゲルマン・ドリスコルが破産申請を宣言したことによる のは間違いないだろう。アルフレッド・ノーベルにとって誇りになる日だろうな、とバートレット。サムは日本が上を向き始めたら声明を出したほ うがいいとアドバイスする。チャーリーが入って来て、フーバー以降全ての大統領と握手してきたムリエル・キースとの写真撮影が始まる事を 知らされ、ミューラルルームへと移動するバートレット。キースと会ったバートレットは、孫娘に、彼と会う事を教えたら今まで会った大統領の中 で誰が一番好きかを聞くように頼まれて、自分(バートレット)であると答えてほしかったのだと言う。だが残念ながら彼の一番好きな大統領は トルーマンらしい。フーバーと会ったのは彼が9歳の時で、1929年の10月23日の誕生日だった。ノーベル経済学者のバートレットはすぐにその日が 世界大恐慌が起こった、暗黒の木曜日と言われた1929年10月24日の前日だと気が付く。そして今、アメリカ最大のヘッジファンドが破産申請をした 次の日に彼が大統領である自分に握手を求めて来ている。バートレットは話をしながら握手する。株式市場は今日つまずき、持ち直すには少し時間 がかかりそうだ。ニュースを見るか新聞を読むか生きてさえいれば今にもそれが分かるだろう。だが自分はそんなに心配はしていない、東部標準時 の午後7時に東京が取引開始するから今日は東京の動きが私にとっての全てだ、とバートレットが言ったところで写真家が撮影を始めようとしたので 少し中座してチャーリーを隣のオーヴァルオフィス前の秘書室に呼ぶ。

バートレット:経済を動かすのはもちろん科学的な要素だが運次第の部分も大きい。何だか嫌な気がしてきたんだよ。よりによってこんな日に フーバーと握手した人間と会うとは・・・。それでふとこんな馬鹿げたことを思いついたんだが写真撮影をキャンセルする事を考えるのはどうなの か・・・

チャーリー:そんな事考えるなんて信じられませんよ。

バートレット:いや冗談だよ。ちょっと言ってみただけだ。

チャーリー:いえ、僕には考えもしなかった事だという意味です。

バートレット:本当か?

チャーリー:東京市場が3時間後に開いたらスラム街の帝王と肩を並べる事になるんですよ?

バートレット:君が縁起を担ぐ人間だとは知らなかったよ。

チャーリー:僕は違います。それに南アメリカには写真撮影を不吉に思う部族もいるんです。だから僕のデスクには写真が無いでしょう?

バートレット:そう言えば無いな。

チャーリー:何故だか分かります?

バートレット:チャーリー、ちょっと尋ねたいんだが、君のデスクのことについて私があれこれ考える時間があると思うかね?

チャーリー:ごもっともです。

今この会話で2,3分は過ぎただろう。バートレットはチャーリーに、キースには本当の事は言わないで写真撮影をお開きにして明日にしてくれる よう頼む。キースが何故かを尋ねると、彼が大統領をビビらせているから、と何気にチャーリーが説明する。とにかく説得はチャーリーに任せて おけばいいだろう。バートレットはミューラルルームを後にする。

自分の部屋の床に何故か座り込んでいるサムの元をCJが訪ねる。座っていると何となく落ち着くのだと言う。ファーストレディがレズビアンかどう かの話をしようとするサムにCJは放送時の詳細を話す。詳しくは、ブレンダ・スウェットランドが「つまり今のあなたは医療を実践する資格を与え られていない、という事なんですか?」という質問に対して夫人は「今、私はただの妻であり母である」と言ったのだ。夫人の発言についてはここ までにしてCJはサムにアンソニーの指導員を探していて既にチャーリーに断られ、興味があればどうかと持ちかける。週に1時間でもいい、今の彼に は誰も指導員がついていなく、その上まだ死んだサイモンの事を乗り切れないでいるのだ。サムは、腰掛けさせて自分の仕事ぶりを説明することな らできるかもしれない、と言う。信じようと信じまいと繊維輸入産業についての中央アメリカに関する情報を呼んで聞かせることだってできるかも しれないし、情報部と言えば007だよ、とも言える。彼に007と一緒に行動させようか、とサム。CJは聞いてるだけで罪の意識に苛まれてたと言う 。ともかくサムは、指導員が出来たらいいんだけどね、とやんわりと指導員の誘いを断る。だがCJもさほど期待していなかったみたいであまり落 胆した表情を見せないばかりかジョシュの代わりにサムが彼の仕事を引き継いでいる事についてサムを気遣う。サムはブライスのミーティングは 思ったよりも早く終わって残りのミーティングも20分はまだ始まらないと言う。ジンジャーが来てジョシュからの電話をサムに取り次ぐ。ジョシュ はサムが上手くやっているかどうか尋ねるが、予想通りまだブライスとのミーティングだけしかクリアしていない事を知る。サムは、ブライス長官 が遊説演説に関して商務省が充分な資料を受け取れなかった事について不満を口にした時に自分のミスだと言おうとしたら大統領に遮られたのだ と打ち明ける。ジョシュは、大統領がスタッフにかばわれているという印象を周りに与えなくなかったんだろうと言う。もっとも本当に大統領の ミスではなかったのだが。大統領執務室の空間で大統領のミスはあり得ないよ、とジョシュ。 汽車に乗る前にサムはトビーに代わってくれるよう頼む。ジョシュと代わったトビーにサムはここ数週間の大統領秘書の面接の話を持ち出す。 チャーリーが名前と番号の記憶に関する質問を繰り返ししているのは大統領の、MSの影響による短期記憶の欠如を心配しての事だろうか? トビーはそうだろうと言う。

トビー:他に用はないか?

サム:帰ってきてください。

トビー:今帰ってるよ。


サムとの電話を切ったトビーにジョシュが話し掛ける。心配しなくても自分にはユダヤ人の金融スタッフがついている、ですって?反ユダヤに関 する鋭い切り口でジョシュのユダヤ精神をけなすのはトビーの悪い癖だ。古代ヘブライ人は西からやって来たユダヤ人たちを長老主義者だと宣言 した、などといった事を言ってだ。私はブライトン(イギリス)ビーチから来たと言いたかっただけだよ、とトビー。とは言ってもテロリストに してみればユダヤ人はユダヤ人で、そこを区別する事はしないだろう。その違いを言ったジョシュをトビーが褒めるが、一連のユダヤ人話にドナ は全くついていけない。ジョシュも私も分かってないよ、とトビーは言う。そうこう言っているうちにタイラーの運転する車が列車の前に到着す る。タイラーの肩に腕を回したジョシュはこの列車がディーゼルで動く列車でない事と走っている間に時間が変わったりしない事を確認してから 、ここまで助けてくれたタイラーに合衆国大統領と民主党を代表して感謝の気持ちを言い、彼と握手する。列車に乗ろうとするジョシュとトビーの 二人に声をかけるタイラー。ジョシュは「ジョシュと呼んでくれ」と言いながらトビーにもアレを促す。トビーは「トビーでいい。ホワイトハウス で働いている」と例の約束事を守って言うとタイラーが、そういう事を言わなければクールに見えるのに、じゃないと変な奴だと思われるよ、と言 う。トビーとジョシュが列車のドア口に上り、ジョシュが改めてこの列車で大丈夫かどうか尋ねる。そしてタイラーが、自分の彼女の人生にかけて 言ったところによればこのまま、彼から向かって左方向へ156Kmも行けば大丈夫さ、と行くべき方向を指差して口にした時、列車はその反対方向に 向けて出発する。トビーとジョシュはドア口で呆れた顔をする。

シチュエーションルームで向かい合って座っているレオとフィッツウォレスのところにナンシーが入って来る。彼女はやって来るなり大統領にクマ ーを攻撃するよう進言すべきだと言う。それだけの力があるから攻撃するべきだ。・・・そんな理由じゃ国連は納得せんと思うがね、とフィッツ。 ナンシーは、それはフィッツが弱虫だからだと言う。中東に平和をもたらしたいのなら第3ジェネレーション のICBM(InterContinental Ballistic Missile=大陸間弾道ミサイル) とコンパスをよこしてくれればいい。B-2スピリットステルス爆撃機を ぶち込めば、向こうはそれを回避する手段を持っていないのだから簡単に落とせるはずだ。それと同時にUSSルイジアン艦隊にD-5トライデント ミサイルを発射するよう命令すればいい。その命令した場合の最悪な事態って何なの?フィッツウォレスは「私に言ってるのかな?」とレオに 尋ねる。そうよ、とナンシー。フィッツは真面目に、砲撃によって半径11Km以内にある有機物の98%が即座に死滅するだろう、と言い、ナンシー はそんなフィッツを弱い者扱いして選択肢はもう尽きかけている、と言う。 レオはナンシーが何かを掴んだと思い、それを尋ねようとする。

レオ:何があったんだ。

ナンシー:情報部によればクマーがテープを持っているそうなの。

レオ:何のテープだ?

ナンシー:シャリーフが機内からかけた通話のよ。

フィッツウォレス:あり得ん。電話は通話できなくしたし、機内からの通話は傍受してその上シャリーフの携帯はバッテリーを盗聴装置用の ダミーとすり替えていたんだぞ。テープも無ければ通話の痕跡などあるはずが無い。

レオ:なら何故そんな事を言ってくるんだ?反応を知るためか?

ナンシー:えぇ。

レオ:それでハムレットの第5幕を引き合いに?まるでバットマンの悪役だな。

ナンシー:彼らもいろんな話を作り上げてはいるけど、彼らが私たちを犯人だと言うよりももっと悪い状況について考えるべきよ。

フィッツウォレス:・・・その通りだ。

レオ:何だ?

フィッツウォレス:他の国を疑う事だ。


-ACT TWO-
A 4:45 - PRESIDENT MET WITH SEN. SCHLER, SEN. CHOATE(シューラー、チョート両上院議員と面談)
A 4:50 - PRESIDENT MET WITH CH. LACEY(レイシー委員長と面談)
A 5:20 - PRESIDENT MET WITH DEBORAH FIDERER(デボラ・フィダラーの面接)

午後4時45分、シューラー、チョート両上院議員とオーヴァルオフィスで話し合うバートレット。「信仰に基づく指導」を理由にまず神を信じなけれ ば食料を与えられないという事など出来やしないし第一に違法だ。教会が調理場を持っているのだからスープを欲しいのならキリスト教のスープ に仕えなければいけないのか、とシューラー議員が尋ねる。もちろんそれは馬鹿げていて、バートレットも否定する。スープに特定の宗派など 無い。だが問題はスープなどではなくプログラムだ。それにその宗教組織を認めているかどうかを雇用条件として区別している団体に政府が補助金 など出せるはずがない。チョート議員は、彼女の州では子供を学校に通わせたり、ドラッグから守っているのは教会とシナゴーグとモスクだけだ と言い、もっと安心な手段を見つけられるまでの間はこのプログラムを援助すべきだと言う。言ってはみるが効果は期待できんだろうな、と バートレット。二人の議員たちとのミーティングは終了する。
議員たちが出て行くとサムがバート レットに、面接の様子がどうかと尋ねる。バートレットは、機内で今朝二人の女性と面談し、すぐにまた一人と面談する予定だと言う。今朝の 女性二人については、最初の女性は感動を覚えない人で、二人目に至っては面白くも何ともないとバートレットは思っている。二人目の女性は フランス大使館秘書を務めていた経験があって、彼女に、フランス大統領官邸のエリゼ宮(Elysee Palace)でダスティエル大統領と食事した 、と言ったら正しくは「Palais de l'Elysee」(エリゼ宮)だと言い直され、恥ずかしい思いをしてパラシュートで飛び降りたくなったと言う。 それだけでも十分なのに大統領にチーズについてのジョークを言ったら明らかに侮辱を受けたと思われて、バートレットの外交政策を見直そうと までされた、とバートレットが言ったら彼女は「そう、彼がですか?」とジョークを普通に返されたのだ。彼女とは気が合わない。午後に面接を行 う予定である三人目の人物はチャーリーの推薦だが彼女はどこか変だ、とバートレットは第一印象デビーを評す。

バートレット:ところでGPSとやらを使ってジョシュとトビーを見つけ出せないのか?

サム:少し前に話してみましたがこちらに向かってるそうですよ。

バートレット:二人で300もIQのある連中が帰り道に迷うとはな。神に誓ってもいいがドナがいなかったら今ごろあの二人は家を購入してるだろう な。


バートレットは面接でする話の内容をわざとらしく振り返る。「名前や数字をたくさん記憶する能力が不可欠ですが出来ますか?」「えぇ、できる と思います」。おお本当に?分かりました、これから他の人を面接をしたいのでその間あなたにはニューヨーカーが座っているところにでもお戻り ください。サムが無感動の女性かユーモアの無い女性のどちらが本命だったのか尋ねる。バートレットは三人目だと答える。チャーリーが彼女に代 わる人選は無いと言うのだ。混乱してるがとにかく、セス・ワインバーガーの件がまだ頭から離れないでいるよ、とバートレット。

列車の中でドナがジョシュに帰りの移動プランについて話しているが、ジョシュは文句ばかり言う。天候が悪くなると言った人間の事などいちいち 気にしなくても我々はナバホ族の先住民ガイドじゃないんだから天候情報を知りたいのならホワイトハウスのオペレーションセンターに問い合わせれ ばいい。もっとも電話できればの話だが。今は携帯のバッテリーが切れていて通話が不可能なのだ。今世界で何が起きているのか分からないとわめ くジョシュにドナは新聞を買ってあげたがそれだけでは不満のようだ。何せ書いてあるので重要な事柄は地元で品評会の準備が行われている記事 ぐらいのものだからだ。一方トビーはベンジャミン・ディズレーリではなくリッチー知事が口にした「馬鹿げた訴訟」(Frivolous Law Suits) と言うべきところを「馬鹿げた事務所」(Frivolous Law Firms)と言葉の話を持ち出す。言い間違いだという事は分かるが他にもサラエボと ボスニアを二つの別々の国だと思っている。ネビル・チェンバーレイン(Neville Chamberlain)がイギリスを第二次大戦に引き込んだという歴史 さえについて彼が知らないのはまだしも映画すら見ていないというのは許せない、とトビー。「メキシコはNATOの加盟国」と口にしたこともある らしいが正確には「同盟国」だ。ワルシャワ条約機構でも見栄えのする女性を送り出していた。リッチーはアドバイザを大量に抱えているが彼らに 意見をしたためしがない。「私は別の考えを持っているが」といった意見をだ。彼がルクセンブルグをニューヨークの地下鉄乗り場 (IRT=Interborough Rapid Transit company)と勘違いしていようと、レスリングの試合での罵り言葉が何であろうが、洗練されたコミュ ニケーション能力が仕事に必要かどうかなどといったことはどうでもいいが、気になるのは、リッチーが今の対中国政策を続けるべきかと聞かれ てこう答えた事だ「まずメッセージを送りたい―アメリカのリーダーが会いたがっている、と」。どういう意味かは分からないが聞いていた者は 拍手していた。ジョシュは、だからこそリッチーを潰したいのだと言う。何がトビーにそう思わせたのかは分からないが僕もその意見には賛成で 、だからこそ選挙に勝ちたい、とジョシュは強く言う。ここで長い事沈黙を守ってきたドナが最初の移動プランの是非を聞いてくる。ジョシュは 了解し、トビーは「高潮は全ての船を沈める」と言う。

オーヴァルオフィス前の部屋でデビーがチャーリーと座りながら秘書の仕事について話している。秘書は5人いてチャーリー以外の4人が最高の経歴 を持っている。リサーチ担当が二人でソーシャル担当とスケジュール担当という仕事の割り当てだ。スケジュール担当も本に分刻みのスケジュール を記入するだけのアシスタントを抱えている。大統領の一日はそれこそ分刻みの行動に終始する「10時25分、フェッド議長に電話」といったふう にだ。

デビー:プライベートな予定はどうするの?

チャーリー:婉曲的な表現を使います。プライベートな予定はその都度突然のキャンセルを作って大統領のスケジュールに空きを作り、その隙に ファーストレディとゴニョゴニョゴニョ・・・意味は分かるでしょ。

デビー:真昼の情事というわけね。

チャーリー:そんなところです。

デビー:スケジュール上では何と呼んでいるの?

チャーリー:「バーベキュー」と。


なるほど、と頷くデビー。

その頃オーヴァルオフィスでビル・レイシー委員長と話をするバートレット。支払い処理システムは順調でダウ株価収益は35前後。平均値が18程度 なので35でも危機とまでは言わない。投資家が保守的になっただけだ、とバートレットに説明するレイシー委員長。選挙の年には常識は忘れてもら いたいがね、とバートレット。サムを除くレイシーと彼のスタッフが退出してチャーリーがデビーを中に入れる。サムとデビーは知り合いのようで 、彼女が秘書候補だと知ったサムは彼女を後押しする。以前の彼女はドナルド・マッキットリッジの下で働いていたと言う。面白い人で経歴も多彩 、独創的で有能。チャーリーを発掘したのも彼女なのだ。皆は彼女を変わってると思っているようだが僕はそうは思わない、とサム。小声で話して るつもりでも全部聞こえているんだけど、とデビー。サムは彼女の味方だと言って退出し、二人は腰をかけて話をする。チャーリーが疑問視してい たアルパカの飼育はもう終わったらしい。チャーリーを雇った時の経緯については、大統領周りの人事を担当していた時に彼がメッセンジャーを 希望してやって来たのが最初だと言う。話をすればすぐに賢い青年だと分かったのでジョシュ・ライマンに回したのだ。バートレットはその英断 に感謝するとチャーリーの次に挙がっていた秘書候補の事を尋ねる。デビーは記憶力を試されているのかと思いながらもデビッド・デュエックが そうだとすぐに答える。面接も中ほどのところでラリーが執務室に入って来て相場の報告をする。香港は4%ダウンながらも以前10000以上でまだ 結論は出せない。日経平均株価は2%のダウンで、ドルは円に対して3%、ユーロに対して4%のダウン、フランクフルトの市場は8時間後に開く予定 だ。報告を終えるとラリーはすぐさま退出して再び面接の続きが始まる。しかし、バートレットがデビーに解雇の理由を尋ねるも彼女は話を逸らし てばかりで答えようとしない。チャーリーのせいで解雇されたと聞いたと話すとデビーはそれすらも否定する。何でもいいから合衆国大統領の命令 を理由に解雇の理由を尋ねようとするバートレット。だがそれでも彼女はまともに答えようとしない。最初に会った時も思っていたがやはり 変わってるな、とバートレット。デビーは、最初の時は薬を飲んでいたからだと釈明し、再び同じ質問を受けるも彼女は「言えません」と断言する 。それなら、とバートレットは記憶力には自信が無いが推理力にはあるので自分で答えを出すと言い、面接を終了させる。また世間話に呼んでくだ さいと言いながら握手を交わすデビー。颯爽と出て行く彼女の後姿を見つめるバートレット。
デビーが執務室前の秘書部屋に出ると男から名前を呼ばれる。それは彼女の元上司のマッキットリッジだった。彼女を見てから渋い顔をしていた 彼だが、チャーリーが彼女を面接に呼んだ事を聞くとさらに顔色が強張る。するとそこに執務室のドアを開けたバートレットが顔を見せて突然言う 。ブライアン・デュエック、コルファクス社のCFO(Chief Financial Officer=最高金融責任者)で、ホワイトハウスの人事部長というポストに 就いている兄弟がいる、マーク・マッキットリッジ下院議員に多額の寄付をしている。その人事部長に言って自分の息子であるデビッド・デュエッ クを私設秘書にしたがっていたのだろう。私の推理力もたいしたものだろう、とバートレット。マッキットリッジは必死に言い訳しようとするが 最早バートレットには通じない。彼女は何も言わなかった。大統領命令も地に落ちたものだ。省庁は作れても彼女の口を割る事は出来なかった。 そう言ってバートレットはオーヴァルオフィスへと戻っていき、サムも後をついていってドアを閉める。少し考えてからバートレットはサムに 、警備に連絡して彼女を留めておいてくれ、と頼むや早足で急いでロビーへと向かう。北西部のロビーで突然足止めされて困惑しているデビーに 株価の質問をすると彼女はさらに困惑する。だが落ち着きを取り戻すと、先ほどラリーが執務室に入って報告したときに言っていた株価情報を思い 出す。ドルは円に対して3%ダウン、ユーロに対して4%ダウンだ、と。それを確認したバートレットは微笑んでチャーリーの方を向きながら彼女を 指差す。そしてバートレットが秘書のナンシーからの連絡を受けにその場を離れ、チャーリーとデビーはお互いに微笑みあう。

-ACT THREE-
A 8:25 - PRESIDENT ATTENDED DNC FUNDRAISER AT CAPITAL HILTON(キャピタルヒルトンホテルで民主党全国委員会の資金集めパーティー に参加)
A 8:33 - CALLED-P-SEC. BERRYHILL, SEC. HUTCHINSON(ハッチンソン、ベリーヒル両長官に電話)

公邸にて、執事を見てファーストレディが今いるかどうかを確認するバートレット。ベッドルームに入り、アビーをギリシャ神話に登場する女魔法 使いメデイアと呼ぶ。返事をして彼女がいる事を確認したバートレットは例の失言の事で冗談を言おうとするがアビーはバスルームから出てくるな り謝るばかりだ。スタッフと話したほうがいいわよねとまで言う彼女を気遣い、すぐに忘れ去られるだろうとアドバイスするバートレットだがその しおらしさが演技だと分かる。あなたって悲痛な時ほど騙しやすいのよ、とアビー。

バートレット:私を騙したんだな。

アビー:あなたもメデイアと呼んだじゃないの。


バートレットは愛情を利用された事も忘れて今日雇ったデビーについての話を切り出す。アビーは最初誰なのか分からなかったがファミリーネーム が昔はディラガーディアだったと分かると誰なのか思い出す。アビーは彼女を有能だと評するがバートレットは少しだけ怖がっているようだ。

外が暗くなってひときわ室内の照明が眩く会見室内。CJが、ファーストレディは二人しか娘を愛していないが本人たちには言わないでいる、と コメントして記者たちを笑わせる。記者のアーサーが大統領の演説が始まる時間を尋ねる。時間は8時15分で、15分ぐらい喋るだろうから8時30分 ぐらいまで続くだろう。CBO(Congressional Budget Office=連邦議会予算局)の出した赤字についてのコメントを求められ 、OMB(Office of Management and Budget=行政管理予算局)は110億ドルの赤字、議会予算局はさらに250億ドル多い360億ドルもの赤字を 計上した、とコメントする。記者のケイティが立法府の歳出予算を尋ねてくる。大統領が予算を確認するまでコメントはできない、とコメントす る。それからCJは会見を終了して部屋から出て行こうとしていたが、キャロルから何かを耳打ちされて再び会見室に戻り、記者たちにも留まるよう 促す。再び壇上に上がったCJは飛び込んできたばかりのニュースを伝える。中部標準時間の本日午後5時32分、二つのパイプ爆弾がガイガー・イン ドアアリーナ内で爆発した。このアリーナにはケニソン州立大学の水泳チーム「ケニソン・ホークアイズ」の施設が備えられていて、女子チームが 試合をしていた。対戦相手はイリノイ、ミシガン、ミネソタなど10にも及ぶ高校からそれぞれ集まっていた。44人の人間が死亡し、約100人が怪我 を負い、約20人が重傷だとコメントする。CJの発表が終わるや否や記者たちが挙って手を挙げる。CJは耳にマイクロホンを通した状態で、情報を 聞きながらコメントすると言う。記者たちの順番はバリー、シドニー、フランの順で質問を受け付ける。

マーガレットからの勧めを断った事で彼女の文句を浴びながら自分の部屋に戻ってくるレオ。彼女の言う事を無視してレオは料理番組を見ていた のだと言う。高貴な女性が出演しているとの事だそうだがマーガレットはその番組をソフトポルノだとこき下ろす。ガーリックオイルを足に塗って マッサージする必要があるとは思えないからだと言う。彼女の話が続きそうな雰囲気だったがTVにCJがまだ会見を終わらせていないのを見たレオが 怪訝に思い、音量を出して内容を聞く。そこには、パイプ爆弾の情報は大学やシーダー・ラピッズの警察、消防署から得たものだが爆弾の種類や 被害の大きさについての詳細はまだ受けていないと説明するCJの姿がある。聞きながらレオは、詳細を調べるようマーガレットに言いつける。 詳細は間もなく明らかになるだろうが現時点では確実な事はまだ何もない。現場ではまだ救急活動が続いている。目撃者によれば爆発時に泳いでい た学生たちもいたと言う。動機や容疑者についてはまだはっきりとした情報が何もない状態である。

〜Tori Amosの "I DON'T LIKE MONDAY" が流れる〜

The silicon chip inside her head
Gets switched to overload
And nobody's gonna go to school today
She's going to make them stay at home


降りしきる雨の中をずぶ濡れになりながら走って旅館のロビーまで駆け込むドナ、ジョシュ、トビーたち。タクシーの中で新聞を読むと酔ってしま うからトビーに読ませていたジョシュだったが結局自分の目で読みたいがために後3ブロックを待てずにタクシーを降りてきたのだと言う。そのお かげでずぶ濡れになってしまったのだから連れて来られたドナにはいい迷惑だ。ドナの文句には構わずにジョシュは685ポイントのダウンの話を 気にかける。下げ率まで書いてあったがそこまで読む前に新聞が分子構造的に新聞ではなくなって読めなくなってしまったのだ。

And daddy doesn't understand it
He always said she was good as gold
And he can see no reason
'Cause there are no reasons
What reason do you need to be shown


受付の従業員に 飛行機が遅れたので服を乾かしてニュースを見るために30分だけいたいと申し出るジョシュとドナ。二人が受付にいる間、トビーは後ろの方に あるTVを見つけてその画面を食い入るように見つめる。ジョシュがまた株価の話を始めようとふり返った時にそれに気付き、一緒に気付いたドナ と3人でパイプ爆弾のニュースを放送しているTVを見上げる。

Tell me why
I don't like mondays
Tell me why
I don't like mondays
I don't like
I don't like
I don't like mondays
Tell me why
I don't like mondays
I want to shoot


キャピトルヒルトンホテルで演説をしているバートレット。

And the playing stopped in the playground now
She wants to play with her toys a while
And school's out early and soon we'll be learning
The lesson today is how to die

バートレット:(演説)経済危機の最中に景気を取り戻し、世界的な危機を前に平和を守り続けようと不安と恐怖の真っ只中で希望を持ち続ける。 最近の歴史の中でアメリカはいまだかつてないほど過酷な運命に翻弄されている。私たちはこの自由やライフスタイルに対する攻撃を挑発した覚え はないし、邪悪な存在との対立を招いた覚えもない。しかし、人間の真の強さはこうした危機が訪れた時に如何にしてそれに立ち向かったかによ って測られる。数時間前、ケニソン州立大学で44人もの人間が死に至らしめられた。男子チームから三人の犠牲者が出て、二人が重傷に陥った。 練習中に聞こえた爆発音を聞いて彼らは水泳仲間を助け出すために燃え盛る炎の中に飛び込んだ。そう、燃えさかる炎の中へ。天国への 道は今夜天使たちで埋め尽くされる。亡くなった学生や教師、両親や友人たち。天国への道は天使たちで埋め尽くされるが、我々は危機 に直面する びに顔を上げ、自分たちには無限の能力があることを思い出す。求められるのはアメリカの英雄たち、困難な偉業を成し遂げる英雄たち。アメリカ の英雄たちを求めて我々は星に手を伸ばす。亡くなった犠牲者たちに、皆さんに、そしてアメリカ合衆国に神のご加護があらん事を。ありがとう 。


会場内の全員が立ち上がり、レオもアビーもCJもチャーリーも拍手を送る。

And then the bullhorn cackles
And the captain tackles
With the problems and the how's and why's
And he can see no reason
'Cause there are no reasons
What reason do you need to die, die, ohhh


ブルーノ:最後の段落はいつ書いたんだ?

サム:車の中で。

ブルーノ:何て奴だ。


Tell me why
I don't like mondays
Tell me why
I don't like mondays
I don't like
I don't like
I don't like mondays
Tell me why
I don't like mondays
Tell me why
I don't like mondays
I don't like
I don't like
I don't like mondays
Ooohmmm
I don't like mondays...no...


〜"I DON'T LIKE MONDAY" を歌い終わる〜

大統領の乗るリムジンがホワイトハウスに到着する。エージェントがドアを開けて白いドレスのCJがホワイトハウスへと戻ってくる。CJのオフィス ではサイモンが面倒を見ていたアンソニー・マーカスが彼女が戻るのを座って待っていた。CJは演説や爆弾事件が重なって遅れた事でアンソニー に謝るがアンソニーは何も言わない。CJは自分もサイモンが恋しいし、この事について少し話したほうがいいと言う。一日中彼の面倒を見てくれる 人を探していたが結局見つからなかった。でも明日も頼んでみるから今日はこれで家に送るわ。アンソニーが何か言ったが聞き取れなかったので 何なのか尋ねるCJ。アンソニーは、今度は大声で、子ども扱いするなクソ女、聞こえないのか?と怒鳴る。するとそこを歩いていたチャーリーが それを聞いてアンソニーに詰め寄り、壁まで押し付ける。

チャーリー:この人はクレッグさんだ。ホワイトハウス報道官で大統領の上級顧問でもある人だぞ!そんな肩書きが無かったとしてもクレッグさん と呼ぶべきだろ!人を尊敬しないのは勝手だよ、でもそれを口にはするな、少なくともここでは許さない!つっぱりたければ勝手にしろ。そんな 度胸も無いくせに。そんなに刑務所へ入りたければ麻薬の売買でも警官殺しでも何でもやればいいだろ?でもな、犯罪を犯せば必ず捕まって後悔 することになるんだぞ!土曜の朝9時に僕はいつもデラウェアのコズモの店で朝食を食べる。それからここに来て1時間仕事をしてからセントジュー ドへ行って1時間バスケをする。刑務所へ行くか土曜の朝9時にコズモへ来るか自分で考えろ。

そう言うとチャーリーはアンソニーを解放してCJの部屋を出る。

-ACT FOUR-
CJやチャーリーと同じく演説から帰ってきたサム。広報部の自分のオフィスに入ってタイを緩めてジャケットを椅子に置くと後ろから声をかけられ る。声の主に聞き覚えがあるのはそれがマロリーだからだ。彼女もまたあの演説会場にいたのだがサムは気付かなかったのだ。マロリーは「挑発を した覚えはない」「招いた覚えもない」という韻を踏んだ、いかにもサムらしいスピーチを褒める。リズムが大事だからね、とサム。マロリーの 彼氏のリチャードはブラックホークスへとトレードで移ったのだと言う。リンクの製氷機械であるザンボニのバッテリーとのトレードかとサムが 茶化す。トレードするのはドラフトの最初の選択権と引き換えにだ。サムは彼を追ってマロリーもシカゴへ行くのかと思いきや、彼女は彼と別れた のだと言う。サムは悪意のある笑みを隠しきれずに残念だと言う。僕も彼が好きだったからね、ペナルティボックスに入ったときの表情なんて ・・・。調子に乗ろうとするサムを黙んなさい、と遮るマロリー。サムが今日大統領の傍についていたと父から聞いたとマロリーが言う。どんな 感じだったのか?

サム:カオス理論って知ってる?

マロリー:フラクタル幾何学と関係があるという事だけね。

サム:僕もそれぐらいしか知らないんだけど、完全なる混沌の中に秩序や規則性という偉大な美を見つける事とも関係があるらしいんだ。我々の 身の回りに起こる不規則な事もよく目を凝らしてみればパターンが浮かび上がってくるんだ。(間を置く)僕はジョシュを 兄弟のように慕っているしあいつの政治的手腕が世界レベルのものだとも思っているけれども、今日まであいつの方が僕より賢いとは知らなかった よ。ここに勤めて3年8ヶ月になるけど、一日中あの部屋に身を置いてみるまであのオーヴァルオフィスで起こる怒涛のカオスは理解できないよ 。予算赤字の世界的な波及効果の事で一度だけまともなアドバイスが出来たけどそれだけだ。他はついていくので精一杯だ。これでも今 日はまだ暇な方なのに。

一度でも良かったじゃないの、とマロリー。もちろん不満はない。一度でも会心の一打だ。できることなら戻ってもう一打欲しいところだ。ところ で本当にスピーチの事を言いに寄っただけなの、とサムが尋ねる。「アメリカの英雄を求めて我々は星に手を伸ばす」涙出そう、とマロリー。 サムはキャメロットからのパクリだと言い、マロリーはサムを家に送ってくれると言う。広報部のオフィスを出て歩く二人。パクリについてサムが 説明する:良い物書きは借用し、偉大な物書きは公然と盗む。途中すれ違うチャーリーにおやすみを言ってから二人は外へと歩いていく。

自分のオフィスに戻ったチャーリーはデスクの上に置いてある白い箱を開け、中に入っていた写真立てを取り出す。CJがやって来てそれが彼の妹 のディアナから預かったものであり、CJが額に入れていたものだけれども1週間も渡すのを忘れていたものだった、と説明する。ありがとう、と チャーリーがお礼を言い、お互いにお休みを言う。CJが去り、チャーリーは嬉しそうにその写真立てをデスクの上に置く。その写真には小さい頃 の自分と警察官の服装をした母親と思しき女性が写っている。

ホテルのバーで飲みながら政治の話をしているジョシュとトビー、そして何かを書いているドナ。選挙は候補者のためにあるのではなく有権者の ためにある、とジョシュが力説する。如何にして雇用を増やすのか、健康保険を得るのか、電力を確保するのか、自分たちを守るのか?そうとは 限らんぞ、とトビー。配管業者がパイプの並び方を完全に把握しているとは言えないように、と例えるがすぐにこのたとえを撤回する。リーダー シップを求めるのが自分たちの、正当とは言え、自己満足を満たすための欲求から来るものならそんなもの・・・。ここで、手紙を書いていたドナ が不毛な言い争いを続ける二人に呆れて止めに入る。始めたのはジョシュだ、とトビー。

ドナ:いい加減にして。もう二人の頭をかち合わせたいぐらいよ。ワシントンを離れてから二人が選挙以外の話をしたのを聞いた事がないわ。 キャシー は健康保険で父親を助けるために仕事を掛け持ちしてるの。彼女は農家の窮状をあなたたちに訴えたのにあなたたちはインディアナを失った事し か言わなかった。あなたはお祭りの事も馬鹿にしたけど家畜の品評会をやったり一番大きいトマトや家宝のリンゴに賞を与えるのは自分たちの育て たものに誇りを持ってるからなの。8種類の乗り物に乗って、6人の親切な人に助けられて、12人以上の人たちと話したけど誰もバートレット対 リッチーの話はしなかったわ、あなただけよ。

今、今日亡くなった人たちの遺族に手紙を書いてるから向こう行っててくれると嬉しいんだけど、とドナ。面食らったトビーとジョシュはゆっくり とテーブルから離れて、一人の男を挟む形でバーのカウンターへとそれぞれ腰掛ける。座って飲んでいると二人の真ん中で飲んでいた男がトビーの 方に話し掛けてくる。どうやら彼もセントルイス行きのフライトに乗り遅れてここに立ち寄ったそうだ。トビーはワシントン行きだと言う。男は 上の階で寝ている娘とノートルダム大学を見学に来たのだと言う。子供はいるか、と尋ねる男。トビーはいないと言う。男は、娘が大学に入る年 になると不思議な気分になると言う。自宅から近い大学へ通ってほしい気持ちもあれば遠くでも素晴らしい大学へ行って欲しいという気持ちにも なる。トビーはジャックダニエルズを頼むと、自分の上司もノートルダム大学出身だと明かす。男も見学した限りでは素晴らしく美しいキャンパス だったと言う。娘も今夜は眠れないだろう。男が今日の市場の様子について尋ねてくる。

男(マット・ケリー):ミュチャルファンドで娘の学費を稼いでいるんだが年に55000ドルも稼いでも収支が合わないんだよ。何とかやり繰りしては いるが妻の年収を足しても息子が公立学校へ通っているから一杯一杯なんだよ。この学校がまた最悪でね。一クラスに37人いるんだけど美術や音楽 、上級クラスの授業がないんだ。他の子供たちは母親のお金でピアノのレッスンをしているんだけど私の息子はピアノから離れないんだよ。教師が 必要なんだよ。半日こうして、もしわたしが家で転んで怪我でもしたどうなるかって考えてたんだよ。辛いだろうね。辛くなるだろうな。でも 男なら娘を大学に入れるぐらいしなきゃね。男の意地にかけても。でも、もう少し安ければなぁ。少しでいいから安ければ全く違うんだが・・ ・。あぁ、すまないね、名乗りもしないで。私はマット・ケリーだ。

男が自己紹介したのを見てジョシュが今度ばかりはあの約束を守らなくてもいいよう手で合図する。しかし・・・。

トビー:私はトビー・ジーグラー。(長い間を置く)ホワイトハウスで働いている。ビールをおごりますからよかったら少し話をしませんか?

もちろん、と言ってマットはジョシュとトビーを喜んで受け入れる。

A 5:05 - PRESIDENT MET WITH MR. McGARRY, CH. FITZWALLACE AND DR. McNALLY(マクギャリー氏、フィッツウォレス議長、マクナリー 博士と会談)

朝の5時5分、オーヴァルオフィスへと通じる柱廊を歩いていくバートレット。オーヴァルオフィスには既にレオ、フィッツウォレス、ナンシーが 待っていた。レオによればクマーのレスキューチームが48時間以内にイスラエル製の軍用パラシュートを見つけたと発表するつもりだと言う。 アメリカが自分から犯行を認めない限りはそういう流れになるだろう。クマーも本当はアメリカがやったという事は感付いているはずだ。

バートレット:公表すべきかね?

ナンシー:私が?

バートレット:あぁ。

ナンシー:いえとんでもない。しかし、核兵器を一つずつ減らし始めた方がいいかもしれません、意味はお分かりだと思いますが。

バートレット:君はどうだ?

フィッツウォレス:私もストレンジラブ博士と同じで軍の秘密はあくまで守りたい。しかしナンシー、レオと話し合った結果三つ目の選択肢も あります。あなたを除いて我々が罪を被ることです。

バートレット:私は書類にサインしたんだぞ、フィッツ。

フィッツウォレス:あれはなんとかなります。

バートレット:私が就任した当時君は根性無しな私を嫌ってただろう?

フィッツウォレス:とんでもない。

バートレット:いやそうだろう。私は無知だったし統合参謀本部に敬意を示さなかったんだから当然だよ。君はカウンセラーとなってトップを説き 伏せ、私のところに連れて来ただろう。

フィッツウォレス:彼らが来たのはあなたの力です。全員あなたを尊敬しています。

バートレット:いや君が連れてきたんだ。そして今度もシャリーフの件でレオを説き伏せて計画を実行させた。私の命令を君が完璧に遂行したの だから私も同罪だ。君たちとは私が死ぬまで同じだ。それにオランダで服役するなら仲間が欲しい。


それでこれからどうするのか?レオがシチュエーションルームへと誘導する。

空港からホワイトハウスへ帰るバスの中のジョシュ、トビー、ドナ。中には彼ら以外にも乗客が乗っている。半分寝かけているジョシュとドナは お互いにつまらない話をしている。中国料理の店でキッコーマンの醤油をもらっても大豆ディーゼルの代わりにはならないの、とジョシュが尋ね る。上手くは動かないだろうし第一このあたりに中国料理の店があるのだろうか?じゃぁケチャップで走る車を作ろう、とジョシュ。ドナは帰った 時のプランを頭に思い描いている。一生分風呂につかっていたいというのが彼女の希望だ。二人とは別に、目をしっかり開けて起きていたトビー が運転手にもうすぐ行った橋のところで下ろして欲しいと頼む。そこからホワイトハウスまで歩くつもりだ。それなら、とジョシュもトビーに ついていくことにする。ドナはまた二人が途中下車しようとするのを見て呆れる。何も今度はこんな何もないところで降りなくても、とドナ。 このままバスに乗れば家に直行して帰れるけれども、ドナも歩いて帰る事に同意する。三人がバスから降りると、歩きながらトビーが話し始める。

トビー:次の政権で何に直面するのかはホワイトハウスに勤めている誰にも分からない。ビジョンやガッツ、凛々 しさを備えている人物を選べば 他人の生活を親身に考えたり生活の質の向上を考えてくれるだろう・・・。自分たちを触発してくれる人を選べば何が起こってもそれに立ち向かう だけの力を与えてくれるだろう・・・想像すら出来ない何かを達成できるはずだ。大統領になるだけの資格があると言うようりも、いいアイディア があると言うよりも目に見える形でそれを表すべきだ。難しい事だがな。

ジョシュ:なら挑戦しましょう。


アメリカ国内を20時間彷徨いながら(20 Hours in America)、三人はようやくホワイト ハウスに戻ってくる。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Stockard Channing as Abigail Bartlet
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J. Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
John Amos as Percy Fitzwallace
Anna Deavere Smith as Nancy McNally
Ron Silver as Bruno Gianelli
Allison Smith as Mallory O'Brien
Lily Tomlin as Debbie Federer
William Duffy as Larry
Andrew McFarlene as Anthony Marcus
John Gallagher Jr as Tyler
John P Connolly as Matt Kelley
Don Perry as Muriel Keith
Allan Wasserman as Donald McKittridge
Timothy Davis-Reed as Mark
Kris Narmont as Katie Witt
Randolph Brooks as Arthur Leeds
Kim Webster as Ginger
Renee Estevez as Nancy
Melissa Fitzjerald as Carol
NiCole Robinson as Margaret



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