THE WEST WING
3-05:
E P I S O D E # 50
2004/11/02 on NHK BS2
WAR CRIMES
(戦争の罪)
-STORY-
テキサス州アビリーンの教会で銃撃事件が起き、9歳になる少女が犠牲になる。バートレットはテキサス出身者のホインズ副大統領をテキサスに向か わせようと考え執務室に呼び出すが、銃規制には賛成だがテキサスで銃を持つ権利を訴えるホインズとは一向に話が合わないばかりか、議論を続け るうちにバートレットが病気を公表した件にも話が及んでしまう。レオは戦争犯罪法廷に賛成的な内容の草稿を見た戦場でのかつての上司アラン・ アダムリーと会うが、話の最中ふと戦争当時に彼がレオに下した命令にある誤りがあった事を唐突に彼から知らされる。ドナは召喚状の件で下院行政 監視委員会に赴いて証言を行い、日記は持っていない、と供述するがクリフはドナのアパートに行った時に彼女の部屋で日記を見つけたことを思い 出す。アパートの前で彼から問いつめられたドナは自分が偽証した事をジョシュに伝え、日記を持ってジョシュと一緒にクリフに会いに行く。

TELEPLAYAARON SORKIN
STORYALLISON ABNER
DIRECTORALEX GRAVES

US TRANSMISSION DATE
7 November 2001
JP TRANSMISSION DATE
2 November 2004
-TITLE'S MEANING-
Maybe, Leo was charged with this.

-EPISODE OUTLINE-
Bartlet promises Hoynes the ticket.

-QUOTING-
1, Oh. That had to be embarrassing in front of your narco-baron friends.

2, This guy, the second shooter-Rambo? He's gonna get nothing. He's gonna get a parade. You know why? There was no sign posted in the church saying you can't carry a concealed weapon.



INTO THE MAIN TITLE:★★★★★

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-TEASER-
日曜日、ホワイトハウスの会見室はCJの会見が今にも始まろうとしているところだ。会見室の後ろのTVからはフットボールの試合をしている音が 聞こえてくる。記者たちがそろぞろと席に座り始めていく。そしてCJが入ってきて、壇上に上がると記者クリスから質問を受ける。最初の銃撃で使 用された銃はどんな種類の銃か?38口径の拳銃です、とCJは答え、さらに詳細を話す。この銃撃事件はテキサス州アビリーンのユナイテッドバプ ティスト教会で午前9時の礼拝が始まって15分後に起こった、と。そこまで言ったCJはクリスの後ろに座っている、見覚えがあるが久しぶりに見た 顔なじみの記者ウィル・ソーヤーを見つけて思わず声をかける。彼は帰国して来たらしいのだが座っていた場所がサンフランシスコクロニクル社の 席だから、と後ろのほうの席に座るようCJに言われる。席の前には真鍮(しんちゅう)のプレートに各メディアの名前が明記してあるからそれを 参照するようにとの事だ。多大な寄付をよこした人たちの名前かと思ったよ、とウィル。後ろの方にウィルが移動するのを確認したCJは会見の続き を行う。礼拝が始まって15分後、ダリル・ベクテルが聖堂内に入ってきた。別居中の妻を探していた彼は38口径の拳銃を取り出して発砲したが妻に は当たらず65歳のハロルド・ウィンター氏の左肩に当たったのだという。彼は今アビリーンの地域医療施設で検査を受けているのだという。そこで キャロルが静かに会見室に入って来る。ベクテルはその場で2発から4発撃ったと言われているがこれについては現場の混乱もあってか意見が分かれ ているという。そしてそこでロン・カールが9ミリ弾の自動拳銃グロックをスーツコートの中から取り出し、ベクテルの方へ向けて3発発砲したのだ がそのうちの何発かがメリッサ・マーキーに当たったそうだ。報告によれば彼女は明日で9歳になる少女なのだという。ここで記者スティーブか ら質問が来る。

スティーブ:ダリル・ベクテルもしくはロン・カールはどんな罪に問われることになるんでしょうか?

CJ:その事についてはアビリーンの警察当局からの発表を待ってください。私に言えるのはベクテル氏は銃の携帯許可を持っていて、ロン・カー ルは外から見えなければ銃の携帯を許可する事を認められていたという事です。

アーサー:テキサス州の法律では教会やシナゴーグで銃を持つことは禁じられていないんですか?

CJ:その件に関しても警察当局からのコメントを待ってください。しかし教会やシナゴーグでは見える所に銃の携帯を禁止する張り紙が 無ければ銃を持ち込んでも罪には問われない事をお伝えしておきます。


ここでCJの様子を見ながら待機していたキャロルが、CJの報告が一息ついたのを見てCJの元に行き、連絡事項を記したメモを渡す。それを見 たCJは記者からの質問を遮る。

記者:CJ!

CJ:待ってください。(メモを読んで顔を上げる)今・・・・・・メリッサ・マーキーちゃんが亡くなりました。


-ACT ONE-
ホワイトハウスのロビーでは、行政監視委員会からの召喚状を受けたドナがこれから彼らからの質問を受けるために出向こうとしているところで今 弁護士資格を持つサムからアドバイスを受けているところだ。質問が分からなければそう言えば繰り返してくれる、質問が分からないことは別に 悪い事ではないから素直に聞けばいい。「覚えていない」というのもいいだろう。ところでジョシュが一緒にいないのは彼の機嫌を損ねているからだ 、とドナは考えている。いろいろアドバイスしてくれたサムに感謝してからドナは委員会へと出向くために出発する。それを見送ったサムはチャー リーを見つけてダラスに勝つのはオークランド・レイダーズだと息巻く。どうやら彼らの間で賭けが行われているらしい。テネシー・タイタンズが デトロイト・ライオンズに勝てると思ってるんだろう、とチャーリーの目を見て感じ取るサム、喋っているうちにテネシー・タイタンズに変更する らしい。いややはりオークランドがダラスに・・・いやいや、やっぱりニューオーリンズ・セインツがアトランタ・ファルコンズニ・・・・・・サム は迷いに迷うが大統領夫妻が到着する入口に間もなく着こうというところで「ニューオーリンズがアトランタに勝つ」とようやく予想するに至る。

サムが去り、大統領夫妻を出迎えたチャーリーは二人に教会の感想を尋ねる。するとバートレットは最悪、アビーは最高、と正反対である。

バートレット:くだらん!

アビー:教会に対してくだらないなんて言ってたらバチがあたるわよ。

バートレット:どうせ私は地獄行きに決まってる。

チャーリー:どうなさったんです?

アビー:お説教に重みが無い、って。

バートレット:無かったじゃないか。

アビー:新約聖書5:21エペソ人についての記述よ、「夫よ、キリストが教会を愛し自らを捧げたように妻を愛しなさい」。

バートレット:君は肝心なところを飛ばして言ってるじゃないか、「妻よ、主に仕えるように夫に仕えなさい、キリストが教会の頭であるように夫 は妻の頭である」。

アビー:飛ばして当然でしょ。

チャーリー:どうしてです?

アビー:くだらないもの。

歩きながらオーヴァルオフィスにたどり着くバートレットご一行、アビーは神父の言葉を借りてまだバートレットに説明を続けている。夫よ、キリス トが教会を愛したように妻を愛し、そのために自らを捧げたように妻に捧げなさい。キリストは水で妻を清めることにより教会を聖なるものとする ためであり、教会の栄光の姿を自分に・・・・・・何とかするためよ。「迎えるだ」とバートレット。別に彼自身エペソ人の記述については文句が あるわけじゃない、アビーが望むなら彼はいつでも水で彼女を清めるだろうからだ。問題はあの神父のいい加減な教の読み方にあるのだそうだ。 聴衆は教会に閉じ込められ、嫌々お説教を聞かされていたようなものだったのだそうだ。私は何度も穴を掘って逃げ出そうかと思ってたよ、とバート レット。聴衆を相手にするからには聞かせ方ぐらい学んだ方がいい、と考えるわけだ。あの神父に子守唄でも歌って欲しかったの?と尋ねるアビー。 耳に障らないのならな、とバートレットが言いたいのはとにかく「言葉」だ。あの種の発せられる言葉は音楽と一緒でそれらにはリズムや調子や 音色や音量がある。これらは音楽が所有する財産であり、音楽には、文字には無い自己啓発で自分を高めてくれる効果もある。・・・・・・あなた ってまるでエセ雄弁者みたいね、とアビー。正にその通りだ、そして神は私を愛してくれる、と言うバートレット。先ほど神に地獄に送られると言 っていたのはどうなったのか?さっきはさっきの理由で地獄に送られると言っただけで、今の神は私を愛してくれている・・・のだそうだ。それは そうと君(アビー)はエピソ人への手紙を誤解しているよ、とバートレット。あれは夫と妻とは何の関係も無く、人間全体の事を言っているし聖 パウロはこう言っている「キリストへの畏敬の念をこめるように互いに仕えよ」。”互いに仕えよ”だよ、とバートレットは強調する。今日のケー ブルテレビからは24時間中アメリカ人の肥満を見て喜ぶ声やくだらんメロドラマを素晴らしいと偽って流したりして第21楽章と何か関係があるの かもしれない。このサイクルを終わらせるためには「互いに仕える」必要があるんだ、と力説するバートレット。それはあなたの仕事ね、とアビー 。バートレットは最初はそれを否定するがすぐにそれを認める。しかし彼だけではなく、明日には他の誰かの仕事という事にもなるだろう。CNNの 名司会者ラリー・キングを見れば分かる。とにかくこの手の下らん番組は今すぐ一掃すべきだ、これは国家の安全保障に関わる命令だ。・・・・・・ バートレットの長演説も終わり、アビーはこれから公邸のほうで風呂に入り、シナトラを聴くのだそうだ。ミセス・シナトラのために、とバートレ ット自らシナトラの歌をその場で披露する。You make me egg foo yung... と、そこにCJが現れるがバートレットは構わずに歌い続ける。You make me feel there are songs to be sung... 陽気な今の彼に教会の事は聞かないで、とCJに言うアビー。バートレットもノリノリでニコニコ していたがCJから教会で銃撃を受けたメリッサが死亡したことを静かに告げられると表情を曇らせてレオを呼ぶようチャーリーに言う。アビーも彼 に近寄って慰める。そして、とにかく、と言ってアビーは午後からバビッシュと会うためにも公邸のほうへ戻っていく。バートレットはCJと一緒に オーヴァルオフィスの方へと歩きながらいつ会見に出るべきか尋ねる。CJはもう少し情報が集まる2,3時間後に、とアドバイスする。バートレット はCJが地元警察や地方検事と話してくれるよう頼む。そしてオーヴァルオフィスのドアの前で待っていたレオも2,3時間は会見に出るのを控えるべ きだというCJの意見に賛成する。CJは柱廊の方を歩いて行き、バートレットはレオとオーヴァルオフィスに入る。

バートレット:”互いに仕えよ”だ、レオ。君に仕えるにはどうしたらいい?

レオ:結構です。

バートレット:何で?

レオ:マーガレットがいますので。

バートレット:なるほど。


二人とも座ると、レオは副大統領のホインズにテキサスに行ってもらうようバートレットに勧める。だがホインズは行きたがらないだろう。構わない でしょう、とレオ。それよりレオは今日、戦争犯罪(War Crimes)法廷の件でアラン・アダ ムリーと会う予定だ。それを聞いたバートレットは即座に自分は関わらない事を強調する。ところでホインズにテキサスに行ってもらうならそれを 本人にも伝えておかないと。バートレットはレオにホインズを今すぐオーヴァルオフィスに呼ぶよう言い、レオは席を立つ。

下院行政監視委員会の建物のある一室でドナが委員会のメンバーもといクリフ・キャリーから宣誓証言の説明を受ける。この宣誓証言は下院の速記者 が記録する、速記者の彼女は公証人ではないがドナは公証人に宣誓し、宣誓下に置かれる事になる。室内には横に長いテーブルの周りにドナとクリフ が向かい合うように座っている。ドナの両端には法律顧問が座っており、クリフの横には彼と同じく行政監視委員会のメンバーが座っている。 ドナは宣誓したので彼女が今日行う証言は法廷で委員会にする証言と同じだけの効力がある。ここまでをドナに確認するとこの委員会が下院決議案 173によって権限を与えられていることを示し、私クリフォード・キャリーは下院行政監視改革委員会の多数党法律顧問です、と自己紹介して今度は ドナのフルネームを確認する。Donnatella Mossです、とドナ。ここでクリフは、異議が無ければ自分とドナとの間に数回に及ぶ面識がある事を ドナの法律顧問に承諾を得て記録に残してもらう。加えて日曜日に委員会を訪れた参照人ことドナに委員会が感謝を表していることを示し、ドナに 自主的に来たのか召喚状のために来たのか尋ねる。召喚状のためです、とドナは答える。クリフはドナに緊張しないようにやんわり言ってから彼女が 最近調査の件で委員会に提出する書類をまとめていた事を尋ね、その詳細を尋ねる。ドナはその仕事をジョシュ・ライマンとホワイトハウス法律顧問 から指示されたので旧大統領府ビルの資料室に赴き、選挙時とホワイトハウス部局間内のあらゆる書類を揃え始めた。選挙はつまり大統領選の事だ。 そこまで言ったところで今度はクリフの隣にいる職員から質問を受ける。質問の中でドナはアルバムは持っていないが写真は持っていると言う。 そしてスクラップブックは持っていないがバースデーカードや父からの手紙なら持っている、とも。そして「日記は持っていますか?」との問いに 「持っていない」と答えたところでクリフが顔をしかめ、遮り、今読んだ箇所を読み上げるよう速記者に言う。速記者の言葉から再度確認すると クリフはドナの方を見ながら先を続けるよう勧める。クリフの隣の職員が続ける、ホワイトハウスで働いている人から贈答品を受け取ったことはあ りますか?

-ACT TWO-
雷鳴が轟いて雨が降り出す中、CJが自分のオフィスに入ると中にはウィル・ソーヤーが自分の椅子に座っていた。CJは自分のイスに彼が座っている 事に文句を言うが君の名前は書いてなかったよ、と会見室でのささやかな仕返しをする ウィル。ウィルが来客用の椅子に座りなおすと二人は近況を語り合う。CJは3週間ぐらいにしか思っていなかったが実際には彼は2年半ミャンマーに いたと言う。彼が言うにはミャンマーから追い出されたのだそうだ。発展途上国からだけじゃなく先進国からも追い出され続けてるよ、とウィル。 しかもミャンマーでの彼には懸賞金までかかっているのだと言う。その言葉にCJは笑うがウィルは流して続ける、ミャンマー政府は麻薬の密売で成 り立っている、ミャンマー、タイ、ラオスも然りだ。後少しで核心をつけるというところだったほどだ。3人の麻薬王とのインタビューも取り付けた のにそこに来てミャンマーの軍隊が彼に懸賞金をかけた事を国務省から知らされたのだと言う。あら、麻薬王のお友達の前で恥を掻いたわね、 とCJ。そんなこんなで彼らに見つかるまで僕はホワイトハウスの記者になる事を命じられたんだ、とウィルが事のあらましを説明したところでCJか ら部屋にやって来た彼に本題に入るよう言われる。ウィルはホワイトハウスで働く人間から、トビー・ジーグラーが「大統領が選挙に勝利したら それは副大統領のおかげだ」と言った、と聞いたのだと言う。CJは確認のための時間を少しくれるよう求め、ウィルが2年半もミャンマーに行ってい た事に驚いている様子を見せる。僕がいない間に場所も時間間隔も取られちゃったよ、と言ってからジャケットを持ってウィルは部屋を出て行く。

ルーズベルトルームではサムが議員の側近テリー・ベックウィズと二人で話し合っているところにジンジャーがトレイに乗せたコーヒーマグを持って くる。彼女が出て行くと、地方の教育施設改良国債に300億ドルかかる話を再開するサム。これによって7000もの学校の新築や改装が可能になり、他 にも15億ドルを、修復が必要なほど老朽化や崩壊が進んでいる学校に充てる事ができる。具体的には屋根の修理やヒーターやクーラーの管理、電気 系統などなど・・・。だがこれらの資金を捻出するのに歳出委員会の全面的な後押しが必要なのだが、その後押しをもらうためにもテリーの議員の 票がサムには是が非でも必要なのだ。テリーは、議員は予算の捻出に前向きだがその代わりに議員が支持している法案を大統領に支持してもらいた がっている、と説明する。その名もずばり「法定貨幣改正法」(Legal Tender Modernization Act)で、これはつまり1セント銅貨の廃止を求める 法案だ。1セント銅貨の生産を永遠に廃止しようというテリーの話に思わず興味をそそられるサム。昨年、アメリカ造幣局が140億もの銅貨を生産し てそれを連邦準備銀行に移したが使い道が無くて溢れかえっている・・・・・・つまり価値が無くなっているのだとテリーは言う。1セントの価値は あるだろう、とサム。今の1ドルは30年前の4分の1、つまり25セントの価値しか無いのだから1セントなんか殆ど効力を持たないんだよ、とテリーは 説明する。ガムを買うにも5セント白銅貨(ニッケル)を出さなければ買えないほどで1セントの価値なんかますます無くなっている。テリーのとこ ろの議員は、大統領が彼の法案を支持しないのなら大統領の学校建築への予算を認める歳出委員会に待ったをかけるいい口実になると考えている。

テリー:(ため息)ホワイトハウスがこの法定貨幣改正法(Legal Tender Modernization Act)を支持しなかったらうちの議員が大統領の学校 再建の法案に反対するいい口実になるよ。

サム:いい理由を出せって言われてもなぁ。

テリー:学校再建の300億ドルは欲しくないのか?

サム:別に。僕らには連邦準備銀行で持て余している1億4000万枚の1セント銅貨があるからね。

と言うのは冗談、理由はちゃんと用意するよ、と請け負うサム。

オーヴァルオフィスの自分のイスに座りながら新聞に目を通しているバートレットがチャーリーを呼んで尋ねる。チャーリーがインディアナポリスに 賭けた事にケチをつけたがっているようだ。チャーリーが入って来たドアの後ろの部屋に副大統領のホインズが到着したのが見え、秘書のナンシーが 彼のコートを取る。カンザスシティがアリゾナには勝てない、と踏んだチャーリーをバートレットが叱る。カンザスシティにはバートレットの母校 ノートルダム大学から3人も選手が出ているのに、という事だ。ノートルダム大学出身者の多いチームに賭けるのが基本だろ、とバートレット。だが チャーリーは堅実に対戦相手との成績を比較して決めている。事はそう単純じゃないぞ、とバートレットが軽く説教を終えたところでナンシーが 入って来てホインズの到着を知らせて来たのでチャーリーもオーヴァルオフィスを出て行く。途中、チャーリーと軽く挨拶したホインズは続いて バートレットとも軽く挨拶すると握手を交わす。そしてバートレットが早々と事件の話を持ち出す。アビリーンのユナイテッドバプティスト教会 での銃撃事件だ。話を知らないと言うホインズにバートレットは昔日曜日の教会からの帰りに父から注がれた習慣のあるビールを勧めるが彼は水を 所望する。ナンシーにビールと水を頼みながらその一方でホインズにテキサス行きを持ちかけるバートレット。バートレットは座りながらテキサス 出身という事でホインズにテキサスに行ってもらいたいと言う。10年前、銃規制法案が通過したが銃を持つ権利を訴える団体は連邦議会に背を向け て州の法律に目を向けた。ここでホインズも座る。全米ライフル教会はこの法案の効力を弱めようと組織的に働きかけてきて、その結果銃の販売数 を増やし、会員も増やした。・・・ホインズはこの意見に同意しないがバートレットは続ける。州の立法府での全国会議が今週末にテキサス州サン アントニオのコンベンションセンターで開かれるからその会合に出て欲しい、と。私がテキサス人だからですか?とホインズ。副大統領の仕事でも あるからだ、とバートレット。そしてそこに水とビールを持ってきたナンシーに二人は礼を言うがホインズの顔は曇っている。

ロビーで待っていたアラン・アダムリー将軍のところにやって来てにこやかに挨拶と握手を交わすレオ。二人が古くからの仲である事は顔からも明 らかで、レオは自分の部屋に向かいながら近況を彼に尋ねる。アランは少し前の旅行中にハッサンやパイロットである皇太子とも会って来たのだと 言う。この国には何が必要か?パイロットの皇太子だ、とアラン。ところでビン・アブ・アザー君主は昔の彼ではなかったぞ、とアランが言う 。何でも前回クウェートで会った時はビンハルマー族のガダラの剣をくれたというのに今回は何ももらえなかったのだそうだ。それでシチュエーシ ョンルームに降りていって彼らを地球の表面から吹き飛ばしてやりたいのか、とレオ。ここでようやくアランが本題に入る。国家安全保障会 議NSC(National Security Council)の広報部から来週末に行われる大統領のラジオ演説の草稿を拝見したその内容についてだ。アランがそれを 読み上げる。「世界大戦の終わりの時、我が国は国連とニュールンベルグ戦争犯罪裁判の両方を創り上げてきた。ミレニアムの夜明けを告げる現在 において我々はモラルリーダーシップの伝統を裏切ることは出来ない」。レオはただの草稿に過ぎない、と言うがアランはハッチンソンやベリーヒル もそう言うだろうが彼自身やフィッツウォレスやペンタゴン、それに下院・上院の軍事委員会に下院・上院の外交委員会は破壊的な出来事だと言う だろう、と言う。・・・それではこの件について話し合うことにしよう。レオはアランを部屋に招き入れる。

淡い明りが点いている広報部のオフィス、その中でトビーのオフィスだけは少し暗くなっているが彼は中にいるようでカウチに寝転んで足をあげて 新聞を読んでいる姿を捕えることが出来る。その広報部のオフィスにCJがやって来てファイルを置いて帰ろうとするが部屋にトビーがいるのを見て 彼の部屋に入っていく。彼女が声をかけるとトビーはどこかつまりながら「いないよ」と言って新聞を顔の前に持ってきてそういう素振りをする。 CJが家にも電話して探したんですよ、と言うがトビーは「いないよ」と言うばかりだ。正確にはいるが仕事のためにオフィスに来たのではない、 大統領がホインズと会っていると聞いたのでその成り行きを見届けに来ただけだ、とこれまたどこかつまりながらCJに言うトビー。ところでトビー はCJが自分を探していた理由など露にも考えず今スタッフの間で行われている賭けについての話を急に切り出す。CJがシカゴベアーズがシンシナテ ィ・ベンガルズに勝つと賭けたのは失敗で君の金は私のものだ、などとのん気に言っているところにCJも「大統領が再選に勝ったら副大統領のおか げなんですか?」と急に話をはさみ込む。突然のCJのツッコミにトビーは面食らい、またしてもどもりながらそれが2,3日前に自分が同じ事を言っ たと告白する。それをミャンマーから追い出されて帰ってきたウィル・ソーヤーから聞いたと聞いたトビーは、自分が同じ事を言ったワシントンの ミーティングでの主題が大統領より副大統領の支持率が高い地域の話にだった事を思い出す。そしていつもの仕事モードに切り替わるとCJに少し時 間をくれるよう求める。CJは、少しなら、と言って部屋を出て行く。CJが去るとトビーはジンジャーを呼び出してホワイトハウスの西棟で働く全て の下級職員と上級アシスタントを一人残らず2時間後に階下の食堂に集めるよう言う。2時間後に食堂に来たくないのなら明日の朝も来る必要はない 、と念を押して。

激しい雨の降るドナのアパートの前に彼女が帰ってくるが階段のところで待っていた人物に目を丸くする。そこにはドナと同じく傘を差してクリフ が待っていたのだ。彼は来るべきじゃなかったが車で来たのでドナより先に彼女のアパートに着いたのだと言う。そしてクリフは唐突にドナが何故 日記のことで嘘をついたのかと尋ねる。彼は前の晩に彼女の部屋に行った時に日記を見かけたのだと言うのだ。ドナは必死に日記なんて無い、と 言い張るがクリフも見た事を譲らなく、ここだけの話にするから委員会に嘘をついた理由を教えてくれ、と聞いてくる。クリフはドナはもちろんの こと、彼女の友人や上司、果ては合衆国大統領を調査する委員会の法律顧問を率いる立場にあるがドナは彼が委員会で諂(へつら)って話し掛けて きた事が気に入らないと言う。何を尋ねても日記の存在を否定するドナにクリフが法律の専門家としての立場から彼女が置かれている状況を教える。 合衆国法第18編1001章、議会への偽証:1万ドルの罰金と5年以下の懲役。ドナはクリフの突然の言葉に驚くがクリフは構わず続ける。同じく合衆国 法第18編1505章、省庁・機関・委員会への議事進行妨害行為:5年以下の懲役。合衆国法第2編192章、議会侮辱罪:10万ドルの罰金と普通刑務所へ の12ヶ月未満の懲役。これはうっかりミスなのだからドナの弁護士と話して良い解決方法へ向けて話を進めよう、とクリフは言うが、ドナの部屋で 自分のパンツを探していた時に日記を見ました、と証言するつもりなの、と言ってドナはそれをはねつける。そしてここには来ないようクリフに言 ってさっさとアパートの中に帰っていく。

-ACT THREE-
広報部のオフィスのドアにジョシュが寄りかかりながら広報部内のイスに座っているサムと話している。サムがこの国、特にワシントン、にバランス 感覚の無い危ない人がうようよ集まっている、まるで大陸がこの一箇所めがけて送り込んでいるかのように、と言っている。ジョシュの次の言葉で それが1セント銅貨であるペニーの廃止に関する話である事が分かる。サムと話をしたテリーの上司の議員は1セント銅貨を廃止したがっているわけ ではなくて政府が何故廃止できないのかという理由を欲しがっているのだと言う。ジョシュは馬鹿げてるからだ、と言うが調査を行ったサムにはそう は思えない。というのも1セント銅貨はこの国では流通していないからだ。大抵の1セント銅貨は貯金箱や引き出しの奥に置かれていてこの30年で製 造された1セント銅貨の3分の2は市場に出回っていないのだ。サムがこれらの事を好奇心で調べたのだと言うとジョシュが少し引き気味に構えるが サムは構わずに続ける。造幣局にはノートの切れ端にテープで留められた1セント銅貨が手紙として送られてくる。それは道端で1セント銅貨を見つ けた人や財務省に送って負債を減らすようにと考えた市民が送ってくる物だ。それでも負債が減らないのは何故だろう、とジョシュ。サムが言うには どうやら1セント銅貨に使われている素材の銅と亜鉛も環境には良くないようだ。1982年に配合が変わって亜鉛の比率が97.5%で銅が2.5%・・・・ ・・。サムがそっちの世界に行き過ぎないうちにジョシュが彼の名前を呼ぶ。危うく危ない人になりかけてたよ、とサム。ところで、ジョシュがド ナに怒っている、という事を本人に確認するサム。ジョシュは否定するがドナが行政監視委員会へ出向く前にそう言っていたとサムが言う。上手く やってればいいんだけど、とジョシュ。と、ここでサムがクイズを出す。アメリカのいたるところに偏在する物で機会や社会の仕組みに作用してい ない物は何でしょう?「1セント銅貨か?」とジョシュ。「正解」とサム。料金所でも使えないがイリノイだけは別との事。何故イリノイだけは使え るんだ、と尋ねたジョシュ、サムの好奇心をくすぐったことを後悔して広報部のオフィスを出て行く。

会見室の後ろのプレスルームでウィルを見つけたCJは早速彼から聞いたことの真偽を本人に確認しているところだからもうすぐ説明が来ると教える 。ところであなたミャンマーでは王様だったの?と彼に尋ねるCJ。ウワサではどこかの部族と一緒になってそこの王様に祭り上げられた、とCJは聞 いているが実際には「王様」ではなくて「神様」に祭り上げられたのだとウィルは言う。フィジーのバウ族が行う生け贄の儀式を目撃した唯一の白人 が彼なのだ。もう少しで自分も生け贄にされかけたけど世界のサポーターにされたよ、とウィル。何でも小型携帯機器のPalm Pilotを使って自分の 意思で神様を目の前に出す事ができるようにし、次の日に天候を当てたことが決定的だったのだそうだ。それで晴れて豊作と死者の国の神になったと いうわけだ。 あたしもlaptop持っていってEメールをしたら神様になれるかしら、と尋ねるCJ。背が高すぎるからダメ、と返すウィル。彼女が行けば顔を指差され て顔も身体も真っ黒に塗られるだろう、戦いや祭りで使われる戦士の像に似せて。そしてイノシシの腸で首を絞められるよ。話しながら会見室の壇上 までやって来たウィルはふとアラン・アダムリーがホワイトハウスにやって来ている事をCJに尋ねる。CJはレオと会っているとだけ言い、何を話し あってるのかは知らないと言う。それよりも、とCJには先ほどウィルが、いい記事を書くまではホワイトハウスの記者を務めなければならない、と 自分の仕事に不満を持っているかのような言い方をしたことが引っかかっている。あれはただの冗談だったのか?ウィルが、冗談だよ、と言うの でCJは近いうちに説明が来るから、と言って会見質を後にする。

カーペットの紋章を挟む形で座りながら話しているバートレットとホインズ。

ホインズ:29の州では「問題だろう」という程度の法律です。

バートレット:だがニュージャージー州を見てみろ、あそこは「問題かもしれない」程度の認識だぞ。これがどういう事か・・・

ホインズ:何も私はそうは言うつもりで・・・

バートレット:言い換えれば服の下などに隠して持つならいつどこに銃を持って行こうと構わない事を法律が宣言しているのと同じだ。 テキサスも今まさにこの「問題かもしれない」という認識に移行しつつある。そこに君が行けば・・・

ホインズ:自殺行為になりますね、それはお分かりでしょう。

バートレット:そこを反対に利用するんだ。敵対心を持つ聴衆の前で彼らにその事を説けば勇気の証明になるじゃないか。

ホインズ:ニューヨークタイムズの編集長なら私の勇気を絶賛するでしょうがテキサスの有権者たちは・・・

バートレット:テキサスではヒーローだろ。

ホインズ:それは過去の話です。

バートレット:テキサスの人々が君のその信念に裏打ちされた勇気を好かないと思うのか?

ホインズ:それは私の信念ではありません。あなたのものですよ。

バートレット:そうか、忘れてたよ。


バートレットは勢いで立ち上がり、室内を歩き回る。ホインズもしばらく黙って座っていたかと思うとおもむろに立ち上がって説得を始める。銃の 所持者を挙って精神障害者扱いしたところで問題解決にはならない。特に南部に於いて銃は、父親から息子に譲り渡される一つの伝統であり遺産に なっているからだ。だがそれだけでは不十分だ、とバートレット。今は父から息子へ受け渡す伝統が盛んに行われていた開拓時代ではないからだ。 ホインズは、全米ライフル協会であるNRA(National Rifle Association)はバートレットがアビリーンでの銃撃事件を利用し、利用する機会が 生まれたことを喜んでいると言うだろう、と言うとバートレットは顔を赤らめて激怒する。そんな事を言う連中を自分の目の前に連れて来いと言わん ばかりの勢いだ。死んだのは9歳の少女だぞ!そこでチャーリーが部屋に入って来てグリーンベイ・パッカーズが負けた事を記したメモを渡すとバー トレットはため息をつく、死んだ子は9歳だった。ホインズがある事例を持ち出す。先月アイダホで男が身重の妻を含む家族6人を殺害した。なのに リベラルな知識人は何も騒がなかった。使われた凶器が斧だったからだ。斧も規制すべきだろうか?・・・もちろんホインズは反対派の立場として 言っただけで、実際にはバートレット同様にそれが馬鹿げたたとえ話だと言う事は分かっている。だがバートレットが銃やタバコやアルコール問題 についてがなり立てながらその一方でマリファナの合法化を説いて回る公衆衛生局長官のミリセント・グリフィスを野放しにしている、とホインズ は指摘する。だがこれについてもバートレットは具体的な被害数を持ち出してそれが間違いだと説得する。昨年の銃の犠牲者は30708人、アルコール では35450人、タバコでは40万人、マリファナでは0だ。この2番目に銃を取り出したランボーは教会に銃を隠し持ってはならないと言う張り紙が無か ったために何の罪にも問われない。これこそ反対派が取り上げるべき案件だ。死んだ少女は9歳なのだから。

レオとアダムリーはレオのオフィスで腰掛けながら戦争犯罪問題について話し合っている。戦争犯罪について一つ:厳密には戦争犯罪を裁く場では ない、二つ:大統領はまだ決断を下していない、という事だとレオは説明する。だが国連はしている、とアラン。レオも国連が設立された1948年に 民族虐殺を犯罪だと国連が認めている事は知っている。だが一つの裁判所や政府では裁ききれないほど事件の犯罪性が幅広い犯罪、たとえば市民の 階層的な虐殺、奴隷制、拷問、レイプ、強制妊娠、テロリズムなどのような犯罪については恒久的な第3者的な機関を設ければ・・・。 だが国家の主権にとっては危機的状況だとアランは言う、アメリカ国民は誰に対しても責任を負う必要は無いが彼らの政府や法律には責任があるし それに国民は国連が民主的な組織ではないことを思い出すべきだ、とも。しかし法廷は幾つもの護衛手段によって守られているし、言うまでもなく アメリカが自ら協約我が身を晒さなければ他の国が晒し者にしようと乗り出してくるだろう。それに戦争犯罪人に対する国連の追及を弱めることに はならないだろう、とレオ。
そこに、マーガレットがいないのでということでサムが勝手に部屋に入って来る。二人が民族虐殺を廃止しようという話をしているのを知ったサム は1セントを廃止しようとしている件についての話を控えてすごすごと部屋から出て行く。諦めて廊下を歩いている途中、聴聞会から帰ってきたドナ と合流したサムは聴聞会での様子を尋ねる。ドナは上手くいったとだけ言うとサムもそれ以上は追及しない。それよりも、とサムは1セント銅貨の 廃止についてドナに意見を求める。1セント銅貨で使用されている唯一のものといえばそれを巻くコインラッピングマシーンしかない、それを皆が 買おうとする事が1セント銅貨を廃止しようとしている何がしかの証明になるのだろうか?ドナが???という顔をしているのでサムは諦めて彼女と も別れる。一方のドナは自分のデスクの近くでジョシュを見つけ、大事な話があるといって彼のオフィスに彼を自然に引き込む。ジョシュがドアを 閉めるとドナは「日記をつけているか」と聞かれて「つけていない」と答えたが実際にはつけていた事を話す。どうしてドナがそのような嘘をついた のかジョシュは分からずにいるがさらにまずい事にその日記を自分のアパートの部屋に来た時にクリフに見られ本人から直接詰問されたのだとも聞 かされる。ジョシュはその話からドナが嘘をついただけではなく彼女がクリフと関係した事までも知ってしまう。

ドナ:決して計画して言ったわけじゃないの。日記には何も書かれていないわ。その日記には何も・・・

ジョシュ:それを決めるのは君じゃない!その日記が重要なものかどうかを決めるのは君じゃないんだぞ、ドナ!

ドナ:大きな声を出さないで・・・

ジョシュ:こうやって事は起こるんだ。彼らは大統領のMSに関する話なんて何も掴んじゃいない、ただ彼らがそれを探し回っている所に君が行って それを差し出したんだ。

ドナ:(怯えて)分かってるわ。

ジョシュ:君は召喚され宣誓下にありながらそんな馬鹿な答え方をしたんだぞ!!

ドナ:間違えたの。

ジョシュ:分かってるのか!?

そう言いながらジョシュは手を頭に当てながら椅子に座り込み、頭を下げる。ドナも怒鳴られてショック状態になりながらも何とかどうすればいいの か尋ねる。ジョシュからただ何もしないよう言われるとドナは黙ってゆっくりと出て行く。

-ACT FOUR-
トビーはホワイトハウスの下級職員3,40人を集めた食堂に自ら向かっているところだ。食堂に着くと何人かのスタッフは気軽にお喋りし、何人かは 黙って座っていたり立ち歩いていたりもする。だがトビーが来たのを見るや静かになって全員が椅子か机の上に座り、または立ってトビーの方を見る 。スタッフの後ろの中央にはジンジャーの姿も見える。全員が静かになるとトビーも静かに話し始める。古い諺に「喋る者その意味を知らず、知る 者喋らず」がある。これが真実であるかどうかは分からない、だが一般的に記者たちはコメントさえ取れればその人間が知ってて喋っているかどう かなんて気にしない。先週の金曜日には週明けについてのミーティングがルーズベルトルームで行われていた。ここに集まったスタッフの中からも そのミーティングに参加した者がいるはずだが出てない者が殆どだろう。だが今から話すことはここにいる全員に聞いて欲しい、とトビーは念を押す 。ブルーノ・ジアンネリとトビーはその時大統領が西海岸からの帰宅途中にカンザスに立ち寄るかどうかについての話し合いで先導を取っていた。 そしてトビーはその時副大統領の支持率が大統領よりも高い地域についての話をしていて、もし大統領が再選を果たしたらそれは副大統領の力による ものだ、と言った。そしてその話がホワイトハウスの記者に伝わっていた。しばらく間を置いてトビーは「我々は仲間でありチームだ」と言う。 大統領とレオを筆頭とするチームで勝つときも負けるときも祝うときも嘆き哀しむときも一緒だ。チームで一緒にやったからこそ敗北に耐えられる し勝利の酒も美味い。そうしたチームが気に入らないのであればドアはすぐそこにある(=辞めればいい)。「知る」ということは素晴らしい。 スクープやネタを掴んでいれば記者のところに言って「君らの知らないことを知っているぞ」とも言いたくなるだろう。だがそれはチームを売る 裏切り行為に他ならない。明日新聞に出る記事はトビーにとっても大統領にとっても困りネタになるものだ。だからといって魔女狩りをする気もない 、とトビーは言う。誰かを怒鳴りたてる気も誰かのクビを切る気もだ。ただトビーはこれだけを彼らに言っておきたい:君らは私の仲間で あり私も君らの仲間だ、君らのためならなんでもする、と。
全員が拍子抜けしてあっけにとられている中、立ち上がって去っていくトビーに途中から話を聞いていたサムが合流して「予想外でした」と言う。 あぁ、君もいい部下だよ、とトビー。今の彼は紛れもなく部下を労わる心を持った優しい上司だ。別にフットボールの賭けに勝ったから上機嫌なの ではない。それよりも何か助けになれることがあったら言ってくれ、とトビー。サムは早速それに甘えて今悩んでいる1セント銅貨の廃止について それをホワイトハウスが支持できないもっともな理由を出して欲しいとせがむ。ハックルベリー法案ではなく法廷貨幣改正法の事だ。これは上院で 審議される事すらないだろう。サムが理由を尋ねると逆に下院議長が何処の州の出身かを尋ねられる。階段を上がりながらサムは議長がイリノイ出身 であることを口にしながらイリノイが料金所で1セント銅貨を使える唯一の州である事に気付く。何故イリノイだけが使えるのか?それはリンカーン の出身地だからだ。そして下院議長の出身地でもあるのだからホワイトハウスが反対するには充分すぎる理由だ。サムはトビーにいろんな意味での 感謝の気持ちを表す。

CJがため息をつきながらキャロルのデスクの端に腰掛けて待っているウィルの傍を通り過ぎていく。CJは自分の部屋から何の用件かを尋ねるが彼を 呼んだのは彼女の方だ。それを思い出したCJは新しい世論調査に対するコメントをトビーが出そうとしていることを告げる。本人にはジョークの つもりだったが今は後悔している、とCJは言うがウィルはもう記事にするつもりはないからそのニュースは必要ないと言う。こんなのはニュースに もならないからと言うのだがCJは彼が前にふと漏らした事の説明を求める。何故ホワイトハウスの記者を務めたくないのか?ウィルは速記者にも ゴシップを書くだけの記者になることも嫌だと言う。彼が先週読んだコラムの女性記者はまるで自分の記事がジャーナリストとしての資質を問われ ているかのようでこの10年スキャンダルだけを書き続けてきたことを後悔していたのだと言う。ウィルはもっといいことをするために時間を使いた いのだ。だからトビーがスタッフに冗談を言ったことなど彼にはどうでもいいことなのだ。CJは納得し会見室に行こうとする前に、会見室では好き な席に座るように伝える。

レオの部屋ではまだレオがアランと戦争犯罪について話し合っている。この戦争犯罪協定には139カ国が調印し35カ国が承認した。これで60カ国が 承認しようものなら戦争状態に突入することになりかねない、とレオが言う。だが承認をするとなれば議会からも火の手が上がるほどの猛反対を受 けることにもなるだろう。すでに一部の先走った共和党員はこの協定に署名したNATO軍に対する軍事援助を打ち切る法案に修正案を取り付けようと しているぐらいだ。レオはそのような法案は通るはずもないと考えるがアランは続けて、法廷に駆り出されるアメリカ人兵士を救うためにアメリカ 国に圧力をかけている議員までおり、戦争犯罪人を収容しているオランダに攻め込むべきだとまで言っている、と言う。だが既にアメリカはニュー ルンベルグ裁判や東京戦争犯罪裁判で戦犯を裁いてきたし、冷戦の脅威で優位を脅かされるまでの間はそれで良かった。だがドイツのロケット科学者 が技術協力のためにアメリカにやって来た時にその後ろに旧ナチス親衛隊とCIAの護衛付きでやって来ても、共産圏との戦いに手を貸してくれたため にアメリカはドイツに対して目をつむっていた。ドイツと密通していながら今更どうやって言い逃れようと言うのか、とレオは言う。二人がしばら く間を置いた後、アランがテーブルの上からファイルを取り出してレオにローリングサンダー作戦の事を尋ねる。レオも当事者だったのでその作戦 についてはもちろん知っている。1966年の9月、レオはタイの355戦術戦闘航空団であるF-105ファイターチーフに乗っていてアランが空軍基地から 指揮官としてレオに指令を与えていた。アランがその作戦内容を読み上げる。

アラン:”最初の地点から273の方向へ向けて17Km進め。ターゲットは東西に連なる山脈から1Km離れた河に対して南北にかかる橋だ”。

レオはそれに対してじれったく首を縦に振るがアランが首を横に振った事に驚く。

レオ:いや・・・・・・あれは軍事施設だった。

アラン:いや、あれは民間施設、ダムだったんだ。民間人に11人の犠牲者が出た。

アランはテーブルの上にファイルを置き、レオはあまりのショックに長い間動けないでいる。だが首を振りながらようやく言葉をひねり出す。

レオ:どうして今それを言うんだ!?

アラン:君も戦争犯罪(War Crimes)の件で告発されていたかもしれないからだ。

再びレオは信じられないといった表情で固まってしまう。そして深いため息をついたかと思うとアランを見上げ、怒りを交えながらもう一度尋ねる 。

レオ:どうして今になってそれを言うんだ!!

アラン:戦争は全て犯罪だ(All Wars Are Crimes.)。

アランはため息をつき、レオもイスの後ろにもたれかかりながら首を振ってアランを見る。そして我を取り戻した後レオはアランとのミーティ ングをお開きにして、今週中にこの件について大統領と話し合うことを約束する。そしてレオは立ち上がってかつての上司に礼を言うとアランも 礼を言って帰っていく。アランが帰ったあともレオは少し立ったまま窓の外を見ている。

オーヴァルオフィスではバートレットとホインズが向かい合う形でソファに座りながら前のめりになって話し合っている。バートレットがふと疑問 に思っていることを尋ねる。銃が犯罪の脅威を抑止するのなら何故それを隠す必要があるのか?犯罪者には銃を見せ付けたほうが有効じゃないのか ?ホインズもそれには同意するが理由までは分からないと言う。そして問題なのは銃を持つ権利を保障する修正第2条が脅かされていることだと ホインズは言う。バートレットは通りに街灯もなく警察官も今より少なかったその時期に書かれたくだらない修正条項など同意するにも値しないと 言ってのける。国民が武装する必要は無いと言うことだ。ホインズはそれにも同意するがすでにアメリカ人の40%が家に銃を持っている事実をバー トレットに突きつける。するとバートレットは立ち上がって歩き回りながら具体的な数字を挙げ、銃の所持についてどちらとも言えないとしている 中間層を取り込めば勝てると力説する。だがホインズがうつむいて苛立ちながら病気についての弁明を続けている今では無理だと言ったのをきっかけ にバートレットもホインズが大統領選への出馬を匂わせた事に言及して言い争いになる。ホインズがバートレットの地元ニューハンプシャー州のナ シュアへの旅行と石油業界との件、そして行った世論調査の件をバートレットが指摘するとホインズも立ち上がり顔を真っ赤にしながらバートレット が突然病気の件をTVで公表した事に話を持っていって勢い余って二人の間に微妙な空気が流れる。

バートレット:私の副大統領は楽ではないか?

ホインズ:全くですね。

そうだろうなと言いながらバートレットは机の内側に歩いて行き、ホインズに言う。

バートレット:だが君が指名候補を勝ち取るには私が選挙で勝つしかない、分かっているだろう?

ホインズ:えぇ、そしてあなたが選挙で勝つには私が公認候補になることです、それもお分かりで しょう?

立ち去ろうとするホインズにテキサスへ行ってくれるよう頼むバートレット。指名を約束してくださるのなら、と言うホインズにバートレットも頷く 。そこにチャーリーが現れて会見の準備が出来たことを伝える。他に用がないことを確認してからホインズは部屋を出て行く。バートレットもシャツ を整えながら会見に向けてオーヴァルオフィスを出て行く。

クリフと待ち合わせをした公園の噴水のそばに既にやって来ているジョシュとドナ。雨は止み、二人してベンチに腰掛けている。張り詰めて不安定な 様子が見て取れるその場所にクリフもやって来る。ジョシュが彼を確認すると一人立ち上がって彼の方に歩いていく。ドナはその様子を不安そうに 窺っている。ジョシュは通りの向こうにコーヒーショップがあるから1時間以内に読んできて欲しい、と言ってクリフにドナの日記を見せる。ジョシ ュはまだその中を読んでいないようだがもしクリフが見て問題があると思うのなら翌朝には召喚状を発行できるだろうしそうしなければそれまでだ。 頷くクリフにさらに注意を促すジョシュ。

ジョシュ:通りの向こうにコーヒーショップがあるからそこで読んで1時間で戻って来てほしい。僕はまだ読んじゃいないけどもし何か君の気に入ら ない事があれば翌朝には召喚状を発行できるしその日のうちに日記も押収できるだろうけど、何もなければそれまでだ。

クリフ:あぁ。

ジョシュ:でももしこの件に関する記事が新聞に載ったり僕の気に入らないことがあれば10月4日と5日の内容を暴露する。

クリフ:10月4日と5日に何があるんだ?

ジョシュ:(指差す)君だよ。

クリフはようやくドナが「日記は持っていない」と嘘をついた本当の理由を知る。そのドナは二人のほうを見ないで真っ直ぐに前を見ている。ジョ シュがクリフに問題の日記を渡すとクリフはその場を立ち去る。しばらく去り行くクリフを見ていたジョシュだがやがて振り返りドナの隣に再び腰 を下ろす。寒さのためか身震いさせながらジョシュはドナに、寒くなってきた、と言う。彼を見るドナの目もどこか心配そうであるがそんなドナに 「上手くいくさ」と優しく声をかけるジョシュ。

そばにある噴水が皮肉なほどに輝いている。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Stockard Channing as Abigail Bartlet
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J. Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Tim Matheson as John Hoynes
Mark Feuerstein as Cliff Calley
Michael O'Keefe as Will Sawyer
Gerald McRaney as Alan Adamley
Bob Glouberman as Terry Beckwith
Chris Ufland as Benton
Mary Ostrow as Sharon
Keith Pillow as Klesko
Mindy Seeger as Chris
Charles Noland as Steve
Randolph Brooks as Arthur Leeds
Kim Webster as Ginger
Renee Estevez as Nancy
Melissa Fitzjerald as Carol



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