THE WEST WING
3-02:
E P I S O D E # 47
2004/10/12 on NHK BS2
MANCHESTER PART 2
(マンチェスター その2)
エミー賞ノミネート(Emmy Award Nominee)
・美術監督賞(Art Direction for a Series)

アメリカモーションピクチャー音響編集賞(Motion Picture Sound Editors, USA)ノミネート

-STORY-
再選キャンペーンまであと48時間、演説の内容について依然新旧スタッフの間で揉め事が続いている中、バートレット大統領夫妻の間にも溝が出来 てしまい問題は山積みになる。そんな中記者の目を気にするCJはバートレットの紹介をアビーに頼む。食品医薬品局が発表する経口中絶薬の問題 を阻止できないばかりかブルーノからの指摘でタバコ訴訟に対する問題を選挙に利用できず、失策を認めたジョシュはイライラが募る。CJは前回の 会見で大失策を犯した責任を取ろうと再選選挙キャンペーン直後の辞職を願い出るがバートレットから「過去の選挙戦の勝利は君たちのおかげだ」 と諭され、留まる事になる。

WRITERAARON SORKIN
DIRECTORTHOMAS SCHLAMME

US TRANSMISSION DATE
17 October 2001
JP TRANSMISSION DATE
12 October 2004
-TITLE'S MEANING-
Re-election campaign event place.

-EPISODE OUTLINE-
Mr. and Mrs. Bartlet and each staff cooperates over the re-election campaign.

-QUOTING-
1, Well, that's a bit of a dilemma. Does anybody have room at their place for Bazan and sixty of his relatives?

2, I'm just saying it could be worse. I could've been an astronaut.



INTO THE MAIN TITLE:★★★☆☆

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-TEASER-
*   *   *   再選キャンペーンまであと二日(前回の続き)   *   *   *

ニューハンプシャー州バートレット所有の農場の小さな小屋でバートレットとスタッフが演説の準備をしており、バートレットがそのスピーチを読み 上げている。

”アメリカは区切られた州の寄せ集めではなく自由を求める人たちで結ばれている。アメリカはこれまで輝かしい歴史を築いてきました。あらゆる 敵を打ちのめし、平和を維持してきました。我々アメリカ人、これまでこの国で生きてきたアメリカ人は全ての文明国の羨望の的であり、人類に とっての希望です。しかしまだ満足はしていません。まだまだ物足りないのです。私が今日皆さんの前に立ったのは・・・”

全ての文明国の羨望の的である、という文面をトビーが皮肉っぽく笑いながら尋ねる。それを書いたダグは誰もイギリスでは投票しないでしょう、 と説明するが、在外投票権の可能性もある、とサムが口を出す。ダグが言いたいのは「イギリス人は」という意味だがとにかくこの文面を変える事 をサムがバートレットに言うと、トビーは「彼(ダグ)にチア リーダーがつけるようなポンポンを持たせてやってくれ」と皮肉を言う。バートレットが続きを読み上げる。

”しかしまだ満足はしていません。まだまだ物足りないのです。私が今日皆さんの前に立ったのは今のアメリカを語ることではなく、皆さんと共に 築くより良く、より強く、より繁栄したアメリカを語るためです。”

今度は「蛇が出てきた」とCJが驚いてバートレットのスピーチ予行演習に口を挟む。サムがどんな種類かと尋ねると、知らないし蛇に聞きたくも ないからとにかく誰か撃ってくれない?、とCJ。サムとバートレットが言うにそれはガーターヘビだから大丈夫との事だそうで、バートレットは先 を続ける。

”私が再選で大統領の座を狙うのは栄光のためではなくやりがいを求めて・・・”

今度はダグがスピーチ内容に口を出してくる。

ダグ:その部分は変えましょう。

サム:僕が書いたんだけど?

ダグ:君には悪いが「やりがい」と言うと職務に四苦八苦しているみたいだ。今そのイメージはまずいだろ?

サム:いや、今こそ選挙の難しさを強調すべきだよ。

ダグ:どうして?

トビー:一日中ビーチにいるようなバカでも握手さえすれば当選できると思われたら困るからだ。

だが今アメリカが求めているのは自殺志願者に装置を無料で与えたケヴォキアン博士ではなく国を導くような戦士だ、とダグは主張する。ジョシュ もケヴォキアン博士に国を導いてもらいたくはないね、と言い、世論調査結果が出ている事も言う。「蛇がこっちを見ているんだけど」とCJが蛇に かまける一方でバートレットはスピーチに戻る。

”大統領候補は自分の選挙活動にも自分の国にも責任を負わねばなりません。自分の持つ力の全てと希望をつぎ込んで・・・”

今度はダグが「自分の」という言い方を国民は好まないから避けるべきだと言う。サムは、その場で聞こうとしている人たちにはそんな事はない、と 言うがコニーがダグの意図を弁明するかのようにまた付け加える。ダグが言いたいのは「そんな話は聞きたくない」のではなく「そうした話をあま り聞きたがらない」という意味だろうが私は違う、とコニー。CJに加え今度はジョシュも蛇を見つける。大統領はこの国を代表する権利を全面的に 与えられているのだから「自分の」という言い方をしても問題はない、とトビーは言い切る。そこでレオとブルーノが小屋に入ってくる。ダグは 決めるのは大統領ではなく有権者だしMSについての専門家を指し示す事になる、と指摘するがブルーノはMSはもはや秘密ではなくなっている、と言 う。ジョシュはCJと共に蛇の大きさに驚いている。「しかし私はまだ満足していません」レオ、私はもう脱穀機に頭を突っ込んで死にたくなって きたよ、とバートレット。ここでレオに話を振られたブルーノが言う。この際この小屋に皆を閉じ込めて火を点けるというのも悪くないのではない か?再選キャンペーン開始まで48時間しかないのにチーム一丸となって行動できないのであれば死ぬより他はないだろう、と。

”よって新たな決意のもと、ここに合衆国大統領に再び立候補することを決意します。”

-ACT ONE-
*   *   *   再選出馬表明後(前回の続き)   *   *   *

バートレット夫妻の寝室のベッドに横になって本を読んでいるアビーに気付かずバートレットがその横を通り過ぎていこうとするが、アビーが声を かけたので彼女の方に振り向く。軍事参謀のピーターは制裁措置は時間の無駄以外の何物でもないと考え、30分以内に低空飛行でバザンに脅しを かける戦略を実施する予定だ。アビーは疲れきったCJが会見で記者たちに袋叩きにあった件も持ち出し、彼女に2,3日の休暇を与えて休ませては どうか、少なくともハイチの件とMSの件を同時に彼女に委任するのは避けるべきでは、と提案するがバートレットは二日前とは違ってアビーと 話をする気分ではないと言う。最後に、アビーが横になってたから気付かなかったんだ、と言い訳がましく言うバートレット。分かってるわ、と アビー。

*   *   *   再選キャンペーン直前   *   *   *

ニューハンプシャーのバートレットの家のある部屋では何人かのスタッフがスピーチ内容を話し合っているところだ。最後まで選挙戦を勝ち抜くため にもダグはアメリカの偉大さを訴えるべきだと言う。サムは全ての段落に挿入していると言うがダグにはまだまだ足りないらしい。彼が言うに 「バートレットはアメリカを支配している。アメリカ最高、ゆえにバートレット最高」との事だがサムもトビーも言葉のあまりの飛躍ぶりに首を かしげずにはいられないでいる。ジョシュもその部分には賛成できないがとりあえずスピーチから外れてレオを部屋の外の廊下に呼ぶ。ジョシュは 再選キャンペーン初日に公表されるであろう中絶薬の認可について発表を遅らせようと何とか手を打ちたいと思っている。最後の最後になって 、アメリカの中心の旗を門前に出て行ってなびかせながら「あなたたちの価値観は認めない」と言うのは危なすぎるからだ。だが大統領も認可の 発表についてはあれこれ言っていないし、そもそも発表する食品医薬品局(FDA)は政府から独立した機関であるため根回しは効かない。それでも ジョシュは、FDAは保健社会福祉省(HHS)の一支部だから厳密には独立していない、と言い返す。だがジョシュが取ろうとしている強攻策があまり にも人道に外れかねない事を悟ったレオは断固として彼にゴーサインを出すつもりはない。それでも月曜日に発表だけはさせません、これで” タバコ”は何とかなるんです、と言って”中絶薬”と”タバコ”勘違いするジョシュ。レオはとにかくFDAには手を出すなと命じる。

一方バートレット家前に到着した車から降りたCJは家の近くにいるアビーの方に歩み寄っていく。アビーによれば3人の娘ゾーイ、エリー、リズも 全員この家に到着しているから後で彼女らとハイキングでもどうかとの事だがCJは今この家で取れたリンゴから作ったリンゴ酒なんかよりも大統領 と大統領夫人が一緒にエアフォースワンに乗り込まず別々に自宅にやって来た事に対する対策を取りたいのだ。記者の中には情報源から大統領夫妻 の仲が悪いと考える者がいるためなのだがアビーにはこういう情報を陰でこそこそやり取りする者が気に入らない。ともかく、情報源を明かさない のならリンゴ酒はおあずけよ、とアビー。

ニューハンプシャーのホテルではCJがレオにファーストレディとたった今話して来て「リンゴ酒をおあずけにされた」(=アビーは怒っている)と いう事を伝え、レオも頷く。他にも月曜のスピーチの事で日曜日にブリーフィングがあるが、でっち上げの記事を流すことにした、と。二人は外に 出て道路を横断しながら話を続ける。そしてレオの方からもファーストレディと話してもらうようCJは頼む。どの新聞でもエアフォースワンに 大統領が一人で乗り込む姿を一面で出していてイメージダウンに繋がるからだ。土曜日の新聞だから大丈夫だろう、とレオは言うがCJはさらに、 彼女が辞任する意向を示している話を二人の間でした事をトビーに言った事でレオを責める。ここでレオも怒りを露わにして誰にいつ何を話すかに ついてお伺いを立てるつもりはないしハイチの件で八つ当たりするのも止めるよう強くCJに言う。

*   *   *   再選出馬表明後   *   *   *

シチュエーションルームに向かいながらバートレットはレオとハイチ問題について話し合っている。バザンを降伏させる、とレオは言うが要求がある なら降伏とは言えないだろう、とバートレット。バザンの要求はアメリカドルで1000万ドル、自家用機、戦争犯罪で訴追されないと言う保障、そし て彼自身と親族60人のアメリカ亡命だ。よりによってアメリカへの亡命など認められるわけがない。シチュエーションルームに入ったバートレット はバザンと親族60人を誰か受け入れてやってくれないか、と冗談めかして言う。軍関係者の一人マイクは各アムネスティ団体がハイチ条約の違反を 指摘するだろう、ピーターはクーデターを起こして失敗しても逃げられるという前例を作ってしまうことになるだろう、とそれぞれ言う。ナンシー は大統領官邸で銃撃戦が行われることが最悪のケースであり、バザンの全面降伏こそが理想の展開で議論すべきであろう事柄であると言う。平和的に 解決したいバートレットは亡命先にベネズエラを 提案するがそうなるとベネズエラはSPR(石油備蓄戦略)で石油の買取を要求してくるだろう、とナンシーは言う。バートレットがSPR解放に強い 理解を示している事を彼らに伝え、マイクには、アメリカの口座を解凍するがハイチから金を動かすことは出来ない事をカナダ人に伝えさせる。 彼の妻、子供、両親には亡命を認めるが国に戻ろうとすれば逮捕する、ともバートレットは付け加え、レオはさらに、自家用機は諦めてC-9で ポルトープランスからベネズエラの首都カラカスに飛ばし、途中で暴れたら頭を撃ち抜く、と付け加える。
会議はここで終わり、レオがナンシーを外に連れ出してハイチの件での会見を頼む。政治部門担当の彼女ならMSについての質問は出ないであろうか らだ。当のナンシーは会見でミスを犯したCJには罰を与えるべきだと言うが、驚いたことにレオはCJを擁護して罰するつもりはないことを明らかに する。

マーガレットの部屋にサムがやって来てシチュエーションルームにいるレオを待つ。その間、ハイチの件で上手くいったことをマーガレットに話し かけるサム。するとマーガレットは4隻の艦隊を伴って侵略を目指し、カジノを作るべきだと言う。アメリカの明白な使命は領土拡大であるという 昔の考え方によるものだ。そこでレオがやって来たのでサムはレオについて彼の部屋に入る。サムはまず先日のレオとのやり取りを謝罪してから 本題に移る。

サム:インタビューの中で大統領は謝っていないんです。後々問題になるのではないでしょうか。

レオ:まぁ2,3週間待って支持率の様子を見ようじゃないか。

サム:えぇ。

レオ:他には?

サム:(バザンが)自家用機をよこせと?

レオ:何考えてるんだろうな?


サムは少し笑い、レオが去った後自分も部屋を出る。

そのレオはオーヴァルオフィスに行ってバートレットに会う。バートレットが言うに国務省はフランス政府がこの件を解決に導く援助をしてくれた 事に対する謝意を表すよう言っていると言う。だがまだバザンが降伏していないのに解決とは言えない、と言うバートレットにレオは直にそうなり ます、と言って二人は柱廊に出て歩く。会見はナンシーが行う事になりました、とにかくあなたはよくやりましたよ、とレオ。

-ACT TWO-
CJのオフィスにレオがやって来てアイオワ、カンザス、アーカンソー、イリノイ、この4つの州での再選戦略がまだ練れていない事でレオはアルゼン チンの農業協定についての話を持ち出して農業とかかわりの深いそれら4州の機嫌を取ればいい、と提言するがまだ1週間しか経っていないから協定 もさほど話題にはなっていない、とCJは言い返す。レオが出て行くとCJも後について行き、自分が犯した失策も大して取り上げられていないと 訴えるがレオがもう責める気は無い事を知る。だがその代わりに再選スタッフにブルーノ・ジアンネリを投入することを知って顔をひきつらせる。 まだ彼を入れるには早すぎるしトビーもサムもジョシュも彼を気に入らないだろう、と言うがレオの腹は既に決まっている。彼らと上手くやって いってもらうしかない。

*   *   *   再選キャンペーン直前   *   *   *

レオがバートレットの家のリビングで書類に目を通しているその二つ奥の部屋ではダグ、トビー、サム、コニーらがスピーチ作りに熱を入れている 。ダグが書き上げたスピーチを読み上げる。”私はこの国を愛しています。そしてこの国の軍隊を世界最高のものにするために最高の訓練、最高の 装備、そして最高の指揮能力を与えます。”サムは声を上げて、男性ホルモンのテストステロンを国の政策に持っていきたいのなら大統領と聴衆に 腕相撲でもさせればいいだろ、と怒鳴る。コニーもダグも外交政策のセクションでのくだりが長すぎると主張するが大統領の職務の4分の3を 占める外交政策を取って捨てるようなスピーチ内容にサムもトビーも納得いかない。これこそ全市民の羨望の的たらしめる考え方じゃないのか、と トビー。コニーが言うに問題はまだある。”神はこのキャンペーンで私に病気をお与えになったわけではなくこの国に機会をお与えになった”の 一文だ。これこそが病気についての正しい理解を国民に促すためとはいえ1ヶ月前に取った戦略で、ここに戻ってきてはダメだ、とダグが強く言う。 いつもMSの話ばかりだ。トビーは痛手を負わないためにもある程度の情報操作は必要だと言うが結局はそれが止めれないでいるだけだ、とダグに 指摘される。74%の国民がMSが身体に致命的だからといってそれを否定してばかりいるからMSの話ばかりになってしまう、戦略を変えるべきなのだ 。半ば皮肉っぽく「何でそれに気付かなかったんだろうな」とトビーが言うと「知りませんよトビー、でもあなたがそれに気付いていたら僕は今頃 ここにはいなかったでしょうね」とダグが強烈に返す。返す言葉が無いトビーはそのまま部屋から去り、ダグもさらにイライラを募らせる。

*   *   *   再選出馬表明後   *   *   *

男がマーガレットのデスクにやって来て自分はブルーノ・ジアンネリだと言うがマーガレットは「だからどうしたというのでしょうか」という顔を している。アポイントを取っているということでマーガレットは自分の予定表を見てみるがどうやら彼女のノートには彼の名が載っていなかった らしく、ブルーノに待っていてもらうようジェスチャーすると立ち上がってレオのオフィスに行って話を聞く。ブルーノは思わずため息をつく。

マーガレット:ブルーノ・ジアンネリって誰ですか?

レオ:政治戦略家だよ。

マーガレット:本当に?

レオ:彼は5人の上院議員と3人の州知事、46年間民主党候補が当選できなかった土地で民主党候補のハケットを当選させたし、イスラエルの首相を も当選させたが本人は一度も投票したことが無いらしいな。

マーガレット:彼がいらっしゃってるんです。

レオ:どうして彼を通さないんだ!?

マーガレット:アポイントを取っていなかったので。

レオ:だから・・・・・・私が取ったんだ!

マーガレット:ご自分でアポを取ったんですか?

レオ:あぁ。

マーガレット:アポを取るのは私の仕事なんですよ?

これ以上の言い争いは避けようとレオが大声でブルーノを呼んだのでマーガレットは渋々出て行く。ブルーノはレオと握手するや山積みの問題を どうにかすべきだろうと言う。そしてMS公表の前に私に声をかけるべきだった、そうすれば公表させなかった、とも。真実を覆い隠してきたのは 今に始まったことではないだろう、とブルーノ。彼はジョーイの元で働いていた経験もあり、ホワイトハウスでまた彼女と一緒に仕事をするのは 問題ないと言う。彼の要求はまず広告費の13%、スタッフの任命権と解雇権、まず最初にダグ・ウェグランドとコニー・テイトをスタッフに加える 事。そしてホワイトハウスの北側にあり、ホワイトハウスの眺めが他のホテルの追随を許さないと言われるほどのヘイ・アダムスホテルに部屋を 取って、さらに車と運転手をつける事。レオはその条件を全部呑むが最後に彼がつけた注文「大統領への自由なアクセス」だけは頑として認められ ない、と言う。だがブルーノに言わせれば、彼がアドバイザとしてついていた候補者が負けたのは彼の話を聞かなかったからか、あるいは話の意味 を理解していなかったからなのだ。今回はそういうような事にしたくない。なら自分で大統領を説得してみせろと言わんばかりにレオがマーガレッ トにブルーノをオーヴァルオフィスに案内させる。試されてると思いはするがブルーノは自分からの説得を試みようとマーガレットについて行く。
オーヴァルオフィスに通されたブルーノはまずバートレットと儀礼的な握手をしてから椅子に座って話を切り出すがバートレットも彼に要求 している事がある事は分かっている。まず最初に報酬を広告費の「12%」と切り出され、先ほどのレオと話した数字から1ポイントダウンさせられ てしまう。さすがのブルーノもバートレット大統領の無言の圧力には敵わなかったようだ。そして次はブルーノの方から「大統領への自由なアクセ ス」を求めるがバートレットもレオと同じくそれだけは頑としてはねつける。それに関して全てはレオの意思次第だ、とバートレット。とにかく バートレットは手を貸してくれることに感謝し、双方ともに立って握手を交わす。
その直後、レオのオフィスではマーガレットが自分の仕事であるアポの取り方についてレオに解説しようかと試みるがはねつけられる。そこに ブルーノが出てきて自分とは違う意見で押し通されてしまった事に少しイライラしているようだ。だが取り直してまずはスタッフの顔合わせをし、 月曜日の2週間前にニューハンプシャーのコロンビア高校でイベントを始めるつもりだ。

*   *   *   再選キャンペーン直前   *   *   *

晴れた日、ニューハンプシャー州マンチェスターのコロンビア高校ではマーチングバンドが演奏をしておりあちこちで旗をゆらめかせているのが 見える。イベントを準備している人の中にはバルーンを用意したり、何かを書いている人たちもいる。人が大勢いるその中でブルーノがサムに 歩み寄って4大ネットワークで同道と流せるようマーチングバンドの曲目ぐらいはこちらで決定できるような契約を交わしておくべきだろう、と釘を 指す。曲名は「Columbia, Gem of the Ocean」(コロンビア、海の宝石)、大統領は機雷の撤去で洗礼を受けたわけじゃないだろう、とブルーノ 。サムが去り、今度はトビーがブルーノの方にプラカードを持って歩み寄ってくる。どうやら「バートレットを大統領に」 (Bartlet for President)という文面が気に入らないようだ。バートレットは現職の大統領で、私は彼の就任の宣誓に立ち会ったんだ、とトビー 。ブルーノもそれは理解しているようでその文面の削除を請け負うが、トビーにも鏡に黒のカーテンがかかったようなくらい部屋に座っているような 気分にさせられるスピーチだけは書かないでくれ、と頼む。トビーも親指を上に突き出して請け負ってブルーノの元を去る。

学校の中ではCJとジョシュが下見をしているところで、ある教室に来たところでそこを楽屋にするといいんじゃない、とCJが言う。ここでジョシュ がCJにここ数週間の間で彼女の身に起こった事について様子を尋ねるがCJはいたって普段どおりに振舞う。CJが学校の外に出てジョシュもそれに ついて行きながら中絶薬の問題について話をする。尋ねられたジョシュはレオからこの問題を放置するように言われた、と話す。違法だしね、 とCJ。しかしジョシュは何も果物のスタンドで脅しをかけるわけじゃない、友人として電話をしたいだけだ、と。その知り合いを小委員会のチーフ スタッフにしたのは僕なんだから、とジョシュ。だが小委員会ではなくFDAである事をCJに指摘される。レオに続いてこの1週間で2回目の言い間違い をしたジョシュ。話をしているうちに二人は外でトビーを見つける。どうやら例のプラカードに自ら手直しを入れているところのようだ。 「Bartlet for President」(バートレットを大統領に)を「Bartlet is the President」(バートレットは大統領だ)と丁寧にも一つずつ訂正 していっている。よっぽど気にしているのか誰の手も借りずに自分で訂正するトビー。

*   *   *   再選出馬表明後   *   *   *

ルーズベルトルームではブルーノを始めとした新スタッフのダグやコニーらと一緒にトビー、ジョシュ、サム、そしてジョーイらが再選選挙 戦略を練っている。トビーはブルーノの提案する、全部で18回目にもなるイベントを行う必要はない、と断言するが彼と折り合いの悪いダグは、 再選に打って出るならその意思表示をすべきだ、と言う。2週間前にも同じ事はしたが支持率は依然微妙なラインで、かろうじてのところなのだ。 とはいえ他の候補者と同じように大統領を置けば現職の大統領と言う利点を失うことになる、とジョシュ。しかしそろそろ大統領と言う座にあぐら をかいて大統領命令を口にするだけでツリーの飾り付けばかりはしていられない、とダグは言う。何度もくり返されてきたこうした議論をブルーノ は早く引っ込めたがっているがダグとトビーの間で行われる謝罪に関する議論はまだ終わらない。選挙キャンペーンを手伝ってくれた人たちに対 して謝罪するのが筋、ホワイトハウスは嘘をついてきたのだから、とダグ。その言葉にジョシュとトビーは互いに顔を見合わせるがダグはまだ続け る。彼はオレゴン出身だがオレゴンでは間違いなく謝罪を求めてくるだろう「あなたの出身は?」。尋ねられたトビーは次第に熱が上がってきたの かケンカ腰になろうとするがすんでのところでジョシュが間に入り事無きを得る。ここでランチタイムを取ることし、各々のスタッフは席を立って いくがダグはファイルをまとめながら最後の最後まで文句を言う。共和党があなたたちを傲慢だといつも言っているのは自然な反応だと思っていた が自分はその考えを過小評価しすぎていた、と。つまり今の彼らは立派に「傲慢」だという事だ。
休憩に入り、自由な時間が少し出来たことでブルーノがジョシュをつかまえて彼のオフィスに歩きながら話をする。先ほどのダグの意見にも一理 ある、と。ジョシュは「ダグは僕の16歳の胸躍らせるお友達じゃないからね」と言い、ブルーノを思わず笑わせる。だがブルーノには別の用件が あって、ジョシュがタバコ訴訟の件で小委員会に公式声明文を出した件を持ち出し、それは愚かなやり方だ、と言う。ジョシュはすかさず自分の 経歴(下院で立法担当を2年、上院で議場担当を2年、ホワイトハウスで次席補佐官を30ヶ月務めた)を持ち出して本当に訴訟の件を理解しているの は自分だとアピールしようとするがブルーノにはそんな事はどうでもいい。ジョシュは、途中で別のスタッフからの書類にサインしながらあの声明 文のおかげでロータリークラブの常連のホラ吹き野郎カームバックは訴訟の費用を出したんだ、と言う。だがカームバックは地元に圧力に弱かった だけの事だ、とブルーノは言う。カームバックの地元にはテクノロジーや他のクリーン産業が9号線沿いに密集していて、子供たちに喫煙を許さない 親たちこと有権者も郊外に溢れるほどいた。ジョシュの部屋まで来た二人は座って話を続ける。

ジョシュ:でも資金は得たんだ、ブルーノ。

ブルーノ:資金の話じゃない、あの声明文だ。あれは出すのを鐘の鳴る秋まで待っていれば彼ら全員を一緒にして彼らを叩けたんだ。カームバック 、レダー、ロス、ロアーク、スティーブ、誰が候補に挙がろうと彼らの首根っこを掴んでニコチンの売人だとつるし上げることが出来たのに。それ によって金も入っていただろう。私の言う事を理解して私が君のところにもっと早く来ていればこうはならなかっただろうな。もちろんそれでも 資金は承認されたのだろうが彼らが君にキャンディとストリッパーをよこさなかったのには驚いたよ。なにせペンシルバニア、ミシガン、オハイオ 、この3つの州をそれで取り込めたんだからな。・・・・・・それが選挙だ。


ブルーノは立ち上がって出て行き、ジョシュは言葉を失う。

*   *   *   再選キャンペーン前夜   *   *   *

再選イベント地、コロンビア高校は夜だが聴衆用の客席の設置やら警備やらで人はまだ全て帰ったわけではない。中にはアビーがスピーチの手直し をしている姿まであるぐらいだ。そこにバートレットの乗るリムジンが到着し、大勢に話すより一人に話すほうが気が滅入ることをチャーリーに 打ち明ける。そしてアビーを発見して驚く。どうやら来るとは思っていなかったようだがレオではなくCJに頼まれて来たの、とアビー。スタッフと よく話し合って彼らの不安を解消してあげるのがあなたの仕事よ、と忠告してからアビーは家に帰る。

*   *   *   再選出馬表明後   *   *   *

バートレットの公邸の寝室ではバートレットとアビーがそれぞれイスに座りながら読み物をしている。バートレットはどうやら農業についての本を 読んでいるようだ。農業はあなたの専門ではないでしょう、とアビーは言うが5人に1人のアメリカ人が農業で生計を立てている以上専門外と言う わけにもいかんだろう、とどこか言い訳がましいバートレット。アメリカは世界の綿の15%、牛肉の25%、大豆の50%の収穫量をそれぞれ占めて いる、そして農場主や牧場主はこのアメリカで税金を払い、彼らの子供もアメリカの学校に通い、アメリカで服役するし戦争にも駆り出される・・ ・・・・などという無意味な説明を聞いているうちにアビーはバートレットが自分に対して筋違いの怒りを持っていることを彼の言い訳じみた説明 から推測し、激怒する。それでもバートレットは再選出馬を決めたのは本心からだと告げる。

*   *   *   再選キャンペーン前夜   *   *   *

コロンビア高校は夜だが照明が幾つも点いているのでそう暗くは感じない。バートレットとレオもお互いを認識するには十分すぎるほど明るい。 アビーを紹介したのはレオではなくCJであることをレオ本人から聞き、明日目の前にするであろう大観衆の姿を想像するバートレット。だが彼には まだ遣り残したことがある。バートレットは会場のイスに座ってスピーチ原稿に目を通す。

-ACT THREE-
ホワイトハウスのサムの部屋にトビーがやって来る。どうやらサムはまだスピーチ原稿に謝罪文を入れるかどうかで悩んでいるようだ。大きな嘘 をつき通してきたのだから大統領には謝罪が必要なんだ、とサムは考える。カトリックで言うところの「怠慢による罪」、サムはカトリック教徒では ないが誰が見てもそれが「怠慢の罪」である事は明らかだと彼は言う。バートレットは嘘をついたのだ。大統領を呼び捨てにするな、とトビー。 MSを患った人を見た人たちはMSの知識について勘違いしているからそれが表に出ないように隠すことが多いのだと言う。だからといって大統領にま でその指針を貫かせる必要はない。そしてトビーも告げられた夜、オーヴァルオフィスでバートレットに怒鳴り散らしたことを認める。サムもそう したかった、と打ち明ける。大統領がこの事を公表していれば何もかもが違っていただろうに・・・・・・。

ホワイトハウスを出てバートレットの農場の柵に寄りかかっているサム。そこにコニーが車でやって来てサムの後ろで止まり、車から降りてサムの隣 に来る。するとスピーチは完成しているのにまだもめているのだと言う。完成と言ってもそれは大統領の口から出てこない限りは完成とは言えない 、とサム。ところでコーヒーショップのスターバックスを探していたけどこの辺じゃ1杯4ドルもするコーヒーを飲む人はいないってガソリンスタン ドの兄ちゃんが言ってたわ。それはニューハンプシャーでは物価が安いことを示しているわけだがコニーは話を元に戻してダグの事を悪く思わない でくれ、と言う。サムはいつもそうしてダグのフォローに回る彼女が不思議だ。スピーチの中に謝罪文を入れるべき、とコニーは言う。この考え方 は新スタッフ全員に共通している意見であって彼女だけのものではない。それにサムも内心では大統領に謝ってもらいたいと考えている事をコニー は見透かしている。それはサムが外見上否定しても彼女には分かるものだ。バートレットを当選に導くためにサムは1日18時間も働いてきたのだから 。すかさずサムは大統領を呼び捨てにするのはよくない、とコニーに言う、先ほど自分がトビーから言われたことをそっくりそのまま。そう言って サムはホテルに戻っていく。

一方マンチェスターのホテルではトビー、ブルーノ、ダグがテーブルの周りに座って最終原稿を練り直しているところだ。ダグやトビーが価値観に ついて話す一方で、この30年間民主党には後先考えずに税金の無駄使いを繰り返してきたというイメージがついている、まずはこれを払拭すべきだ 、とブルーノは言う。しかし今作っている文面からその意図は伝わらない、とトビー。段落を3つカットして・・・とダグが言いかけるとトビーが ここぞと言わんばかりに大声を張り上げてローズボールパレードの先導役に立候補しているのとはわけが違うんだぞ、と怒鳴ってキッチンに行く。 その次の瞬間、ブルーノはある電話を受け取る。
キッチンに寄りかかって息抜きをしているトビーのところにダグもやって来てローズボールパレードの先導役は誰かが候補に推薦するのではなくて 選挙で決まるものなのかとさりげなくトビーに尋ねる。知らんよ、とトビー。

ダグ:あなたたちは知らず知らずのうちに大統領に怒っている、記者や党が感じているよりもずっと彼に怒っている。あなたは大統領にも怒って いますが僕にも怒っている。それも当然でしょうね、大統領が嘘をつかなかったらここに来てあれこれ口出しして、誰かれなく当り散らさないよう にといちいち僕たちに注意されずに自由に再選選挙戦略を練る事が出来たんですからね。でも僕はクールエイドを飲みに来たわけじゃないんですよ 、トビー。勝つために来たんです。あなたは大統領への怒りでとても認めようとはしないでしょうがこの2週間 は僕がした事に感謝して夜は安らかに床についているはずですよ。

トビーは否定も肯定もしない。さらにダグが言うには、先ほどブルーノが受け取った電話はレオからで、スピーチが完成したというものだったの だと言う。

-ACT FOUR-
*   *   *   再選キャンペーン初日   *   *   *

再選キャンペーンの初日という事もあってかレオらのいるマンチェスターのホテル内はスタッフと関係者らでごった返している。レオは座っている スタッフ数人の横に立っていたがドナを見つけてジョシュを呼んで来るよう頼む。
ジョシュの部屋まで上がってきたドナはジョシュがまだ着替えていない事に気付き、急いで着替えるよう急かしている中でジョシュが話し出す。 中絶薬の発表のタイミングは疑問の余地なく最悪だった。中絶賛成派は多数いるが少数派は自分たちの人生と金を注ぎ込んで「銃は人を殺さないが バートレットは殺す」と言ってくるだろう。その上記者たちはこの問題は取り上げず我々がやられようとしているその姿の方を大々的に書きたて ようとするだろう。記者にまず最初に政治の事について書けというのは子供に野菜を食べろと言うようなものだ。子供に野菜を食べさせるには どうすればいいのか?他に食事を与えなければいいんだ、とジョシュ。室内のあちこちが散らかっていてジョシュに何かあったのだと気付く前に ドナは、ジョシュがタバコ訴訟の公式声明文を出すタイミングで失策を犯した件でイラついていると気付かされる。ジョシュは声を荒げて中絶薬の 発表を延期するよう電話でサラッと言えば良かったんだ、と言う。タバコの件も失敗した事をドナに打ち明けるジョシュ。時期を待っていれば再選 戦略で利用できたのに・・・これは苦しい戦いになりそうだ、とジョシュ。とにかく式典に向けてジョシュはシャワーを浴びにバスルームに行く。

CJの運転する車がバートレットの農場に止まる。車から降りてきたCJはまっすぐとバートレットのいる小屋に入っていく。バートレットは中で一人 でスピーチの予行演習をしていたところだ。CJを呼んだバートレットはCJに結婚カウンセラーになって夫婦間に立ち入らないでくれ、と念を押す 。CJはただそれが一番いい手段だと思っていたと話すがバートレットは彼女をはねつけるようにスピーチに集中しようとする。その様子を見たCJは 立ち去ろうとするが足を止めて再びバートレットの方を振り向き、この演説で支持率が上がった場合に辞職する意向をバートレットに示す。だが バートレットは聞く耳をもたずやがて声を荒げてそんな事をする必要がどこにあるんだ、と怒鳴る。続いて、新しい雇用を生み出しても最低賃金で 仕事を掛け持ちするシングルマザーが増えたし卒業する学生の半分は学校を中退する、黒人スラム街で生まれた子供は4年制大学に入るよりも刑務所 に入ることのほうが多いしさらには学校に銃を持ってくる子供だっているんだCJ!、と怒鳴るがその部分はバートレットに講義をされるまでもなく CJにも分かっている。CJがそう言うとバートレットは怒鳴るのを止めてメガネを外し、静かに話し始める。本来私は勝つはずではなかった、と。 バートレットの支持率は当初一桁でホインズが支持を集めていた。だがそこにCJを始めとした今のスタッフたちが集まってアイオワの選挙集会で いきなり22%の支持率を獲得した。続いてサウスカロライナ、ミシガン、イリノイも制した。最後の記者会見だけ彼女をベンチから下げる事こそ 間違っている、とバートレットは力強く言う。二人がお互いをしばらく見ていると、チャーリーがやって来てCJが必要だと言うとバートレットも 「君が必要だ」と言う。CJは感謝の言葉を述べて小屋を離れ、チャーリーについて行く。

静かな農場の一本道を大統領のリムジンの行列が前後に護衛を置きながら走っている。リムジンの中ではバートレットとアビーが隣同士に座っては いるが会話も無く静かに窓の外を見ている。だがバートレットの方からふと話を切り出す。月に到着した男たちの大半は彼らが以前結婚していた 土地でまた別の人と結婚している。アビーは何の話をしているのか分からないといった顔をするがバートレットは構わず、私が宇宙飛行士じゃなくて 良かったな、と続ける。高いところも速い乗り物も火も狭い場所も苦手じゃない、とアビーは指摘するが月へ行くためなら、とバートレットは言う。 そして演説でアビーが自分を紹介してくれることに感謝していると言う。それを聞いたアビーもややためらいながら、今なら私もあなたに投票した いと思うわ、と告げ、バートレットもかすかに笑う。

演説会場では大統領の到着前から華々しいファンファーレが鳴り響いており、聴衆のどよめきもかなりのものだ。バートレットが上がるであろう壇上 にはスタッフ関係者の他に護衛もバートレットの到着に備えて待機している。そのすぐ奥の教室ではサム、ジョシュ、トビー、レオ、ドナ、ブルーノ 、ダグ、コニーらが原稿の最終手直しを行っている。文句をつけているのはやはりダグで「遅鈍」という言葉はたいていの人たちは知らないんじゃ ないかな、と言うとサムが「鈍い」、トビーが「または無気力」と答える。もちろんダグは知っている、でも有権者は、という意味でだ。そこ にCJが入って来てトビーとレオが彼女の方を見るがもはや言葉は要らない。ダグはもう一度この意味を国民が知っているかどうか確信が無いと言う と今度はCJが「鈍い」、トビーが「または無気力」と答え、またしてもダグは自己弁護に回りこむハメになる。そこにダグの後ろからバートレット が入ってきて全員が挨拶する。バートレットも今のやり取りを聞いていたらしくダグにアドバイスをする。我々の仕事は低い教育レベルに合わせる 事では なくそのレベルを上げることだ。教育的な大統領を目指すのであれば教養を隠さないほうが理にかなっている、というわけだ。聴衆が盛大な拍手を 送る中アビーが壇上でバートレットの紹介のスピーチをしている裏側でバートレットは新スタッフのブルーノ、コニー、ダグを一時部屋から締め 出して旧スタッフたちに話を始める。バートレットの後ろの壁にはリンカーンの肖像画がかかっており、その近くにレオとチャーリーがいる。 チャーチルとフランクリン・デラノ・ルーズベルトは大いなる目的のために大いなる言葉を使用していた、とバートレットが言った後、数秒間の沈黙 が続くがやがてまた話し始める。

バートレット:ふと思ったんだが私はまだ「すまない」と言ったことが無かったな。(間を置く)すまない。(間を置く)弁護士にも記者にも 仲間にも神にも。ブルーノもダグもコニーも優秀なスタッフだ。彼らも我々も勝ちたいんだ。我々が目標とすべきなのは誠実でいることだがその 二つを完全にこなせはしないだろう。

バートレットはゆっくりと立ち上がる。

バートレット:新しいページにペンを入れる時が来た。うまくやって儀礼的にキャンペーンを行えば勝利を収めることが出来るだろう。トラブルや へまを避けたり、良い事にしろ悪いことにしろ考えている事を明かさないで淡々とこなしていれば選挙に勝てるだろう。だがそんなやり 方は我々にふさわしいか、トビー?

トビー:いいえ、大統領。

バートレット:ふさわしいわけがない、我々にとってもアメリカにとっても偉大な国家にとっても。新しいページにペンを入れよう、今日この瞬間、 この場所から歴史の1ページを紡ぎ出していくんだ。

スタッフの顔、特にCJのそれは決意に満ち、側近がドアを開けてバートレットを呼ぶ。壇上に上がる時だ。壇上のアビーもバートレットの登場が 近い事を匂わせている。バートレットは側近に頷き、レオとチャーリーの顔を見て壇上へと向かう。

アビー(V.O.):それではご紹介させて頂きます。彼を紹介する役目を任されたことに喜び、そして光栄に思います。私の夫であり、友でもあり、 ニューハンプシャーの誇れる息子であり、合衆国大統領でもあるジョサイア・バートレットです。

アビーがスピーチを終えるや否や観衆から拍手と大歓声が巻き起こり、バートレットも最後にスタッフに告げる。

バートレット:何故だか分かるか?息抜きは終わり、闘いの始まりの時だからだ。

バートレットが壇上に歩いて行ってアビーとキスをするとドナとチャーリーを除いた大統領スタッフも後に続く。歓声も拍手も一段と大きくなり 、観衆に向けてバートレットも大きく手を振る。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Stockard Channing as Abigail Bartlet
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J. Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Ron Silver as Bruno Gianelli
Anna Deavere Smith as Nancy McNally
Marlee Matlin as Joey Lucas
Bill O'Brien as Kenny Thurman
Connie Britton as Connie Tate
Evan Handler as Doug Wegland
Peter James Smith as Ed
William Duffy as Larry
Glenn Morshower as Mike Chysler
Victor McCay as Henry
Aaron Michael Lacey as Officer Brown
Jim Beaver as Carl
Earl Boen as Paulson
Lois Foraker as Bartender
Kirk Kinder as One Star General
Mark Henderson as Driver
Charles Noland as Steve
NiCole Robinson as Margaret



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