THE WEST WING
2-13:
E P I S O D E # 35
2004/01/10 on NHK
BARTLET'S THIRD STATE OF THE UNION
(バートレット3度目の一般教書演説)
-STORY-
バートレット大統領が3度目の一般教書演説を大成功に収め、スタッフが浮かれているところに次々と新たな問題が発生する。世論調査の専門家であ るジョーイ・ルーカスに調査を頼んだジョシュは、調査の途中で停電が起きたり就寝時間が迫っていることで回答が得られにくくなってただでさえ 苛々しているところにドナからジョーイをデートに誘うべきだとしつこく言われて困惑する。サムはエインズリーが大統領に会ったことがない事を 知ってバートレットに偶然を装って彼女と対面させようと考える。CJはバートレットが演説で英雄と誉めそやした警官ジャック・スローンが17年前 に黒人に過度の暴行を加えたという噂の真相を確かめるべく彼と会う。演説は大成功だったがアビーはその演説内容に不満を持ち、まずその怒りの 矛先を一般教書演説の英雄として称えられたトビーに向け、次にレオ、そして最後に厨房でバートレットへと向けていく。だがアビーが怒るのには 訳がある。バートレットとアビーはかつてある約束をしていたのだ・・・。一方演説終了後のレオは国務副長官のミッキー・トループを呼びシチュ エーションルームで、コロンビアで麻薬取締局の局員5人が捕虜にされ、彼らを服役中の麻薬王ホワン・アギラールの釈放との交換条件にされた件を 話し合う事になる。バートレットも呼び5人の救出作戦を練り上げる。
WRITERAARON SORKIN
STORYALISON ABNER
DEE DEE MYERS
DIRECTORCHRISTOPHER MISIANO

US TRANSMISSION DATE
7 February 2001
UK TRANSMISSION DATE
4 September 2001(E4)
JP TRANSMISSION DATE
10 January 2004



INTO THE MAIN TITLE:★★★★★

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-TEASER-
スタッフでひしめき合っているオーヴァルオフィスの外の部屋のTVにはアナウンサーが、間もなくバートレット大統領3度目の一般教書演説 (Bartlet's Third State of the Union)が始まることを放送している姿が映っている。 後6分で一般教書演説であるというのにオーヴァルオフィスに集まったトビーらスタッフは未だに最終原稿の細かな手直しをしている。バートレット がチャーリーを従えて入ってくるとマスコミの一人がこの演説をバートレットの政治生命がかかったスピーチだと言っていると言う。大統領夫人の アビーはすでに席に着いているとのことだ。後4分、オーヴァルオフィスを出て連邦議会へ向かうバートレットに付き添うスタッフたち。その時オー ヴァルオフィスの外で受話器を取っていたサムがある確認を取って受話器を戻し、オーヴァルオフィスからバートレットと一緒に出てきたレオに話す 。ハイウェイの建設法案と彼らの名前がついた公園を条件に彼らはブルーリボンコミッション(Blue Ribbon Commision=超党派諮問委員会)を 支持する、と言っており、バートレットもそれに同意する。その件について会見で緊急のコメントを出すために、CJに伝えるようジンジャーに頼む トビー。

世論調査室では一般教書演説の反応をいち早く知るためにジョシュやジョーイ・ルーカスの雇った人たちが席に着いて準備をしている。ふとガムを 噛んでる女に目が行き、注意を与えるジョシュ。だが、調査はまだ始まってませんよ、と別の雇われた男から言われるジョシュ。心配しなくても彼ら が立派な世論調査員であることは世論調査の専門家ジョーイ・ルーカスが保障しているわよ、とドナ。だがジョシュは演説前から神経質になりすぎ ているせいか大声を張り上げてドナを恥ずかしくさせる。

護衛に囲まれながら走行中のリムジンの中ではレオが電話で、教書演説のスピーチ内容に超党派諮問委員会の設立に対する議会首脳部と両党の同意を 得る事に関する話を盛り込むよう相談している。

会見室に流れているTVニュースではアナウンサーがこれをバートレットの政治生命がかかったスピーチだと放送している。そこへCJが緊急の追加 事項として、長期的な社会保障計画を審議するための超党派諮問委員会の発足を大統領が演説の中で発表するつもりである、と記者たちに伝える。 民主党執行部の同意が得られたのはつい先ほどの話だ。さらに、演説終了後、ホワイトハウスのウェストウィングからTV番組「キャピタルビート」 を2,3時間生放送する予定であることを伝える。

トビーとサムは議会の中に着いてもまだ、ギリギリまで原稿を練ろうとスピーチにかかっている。そしていよいよ原稿が書き終わるとバートレット が階段を上がってやって来る。トビー、サムの前まで来たところでチャーリーから靴ひもが解けている、と指摘されしゃがみこんで直すバートレット 。それを待っているスタッフの間には大事の前の緊張感が漂っている。バートレットが直し終わるとトビーが最終原稿をバートレットに手渡し、握手 する。サムとの握手も交わし、バートレットは両側にいる別のスタッフ・関係者らから拍手で出迎えられる中、議会の入り口への一本道を歩いていく 。議会への扉の前に立っている老紳士フィニーの前まで来ると少しうつむいて、胸で十字を切ると「エイメン」と言い、チャーリーもそれに続く。 覚悟を決め、顔を上げるとフィニーに連邦議会の議長に取り次いでもらえるよう頼む。
フィニーが扉を開け議会に入り、少しざわめいている場内を静寂にするために小槌を叩く音がする。

フィニー:議長・・・合衆国大統領閣下がお見えになりました

フィニーの言葉を聞いたバートレットは万雷の拍手に出迎えられながら議会へと歩き出す。

-ACT ONE-
バートレットの演説が終わると、それを見ていたジョシュらスタッフも議場の議員たちも総立ちになって大統領に拍手を送る。ジョシュはフライトが 遅れてやって来たジョーイ、ケニーを少し責めるが飛行機に発生した機械的な問題は彼らにはどうしようもない。それに子供のころは飛行機の構造 に興味がなかったもの、と言うジョーイに、そういう、英国の劇作家ノエル・カワードのようなユーモアが一晩中出てくるのかな、とジョシュ。とも かく今は早く一般教書演説を見た国民の反応を知りたい。ジョシュはジョーイに開始の合図を出すように促す。誰かガム噛んでる人はいる?とジョー イが尋ねると一斉に「ノー」と返ってきて少し驚くジョシュ。調査開始。

ホワイトハウスのロビーではTV番組の生放送「キャピタルビート」のカウントダウンが始まっている。

〜 CAPITAL BEAT start 〜

時間がきて司会者マーク・ゴットフリードによる挨拶が始まる。この番組でこれから、先のバートレット 大統領による一般教書演説の内容を徹底分析しようというのだ。マークの他に民主・共和両党からの代表が1名ずつ座っている。座っているのは 民主党から報道官のCJクレッグ、共和党からは下院院内副総務のヘンリー・シャリック議員だ。CJは今夜のバートレットの演説を10点満点中14点だ と評価する。マークらの調査によれば拍手で演説が中断された回数は73回、CJらが数えたものよりも1回多い。だが、とシャリック議員が間に入る、 大統領は演説上手であると同時に人の意見を横取りする才能もあるようだ。その73回のうち23回の拍手による中断は共和党の見解に対してなされた ものだからだ、と説明する。ここで一旦番組がCMタイムに入る。

〜 commercial time start 〜

CMタイムに入り、マークがCJが下着をはいていない事について言ってきたので秘書のキャロルを呼んでバスローブを持ってくるよう 伝えるCJ。そのCJのところにサムがやって来るが彼女は今下着をはいてないので立ち上がれない。しかしキャロルがバスローブを持ってきてくれた ので少しそこから離れて話をすることにする。CJはなぜ下着をはいていないのか。それは新鮮な空気を吸うため外に出て、ベンチに座ったらペンキ が塗りたてだった、というありきたりな展開だ。ペンキ塗りたての張り紙が目に入らなかったらしい。バスローブを巻いてるCJを気遣うキャロル。 そこでサムがふと疑問に思う。

サム:このバスローブどこから持ってきたの?

キャロル:ジムよ。

サム:ジムにバスローブなんかあったっけ?

CJ:女性用ロッカーの方にあるわよ。

サム:でも男性用の方にはない。

CJ:そう。

サム:ホンと、とんでもないよね。ホワイトハウスでは50人の女に対して男は1000人が働いているというのに・・・

CJ:えぇ、とんでもないのはバスローブよ。

そこまで話したところで番組が再開するまで後30秒だという知らせが入ったのでサムが本題に入る。バートレットが演説の中で英雄だと褒め称えた 警官ジャック・スローンが17年前黒人に過度の暴行を振るったとして公に懲戒処分を受けた事があるのだという。刑事訴訟も民事訴訟も免れたが 地元の黒人たちから警察関係者に政治的圧力をかけたために発覚したのだ。とにかくCJはその件でジャック・スローンと会う事にする、とサムに 請け負うとバスローブをキャロルに預けて番組のゲスト席に戻っていく。

〜 commercial time end 〜

再び始まった「キャピタルビート」の様子をTVで見ながらミセス・ランディガムはチャーリーにCJがどうして下着をはいていないの か尋ねる。チャーリーが答えると今度はチャーリーがメモを取り出しながら彼女に尋ねる。バートレットが暇つぶしに小切手帳を切っていたらその 中に500ドルが現金化されていない、ファーストレディのアビーがサインしてある女性に宛てた、小切手が見つかったのだという。バートレットは 何も聞いて いないから彼女にどういう使い方をしたのかチャーリーの方から聞いておいてくれ、というわけだ。

チャーリー:大統領が小切手を切ってたんですか?

ミセス・ランディガム:えぇ。

チャーリー:どうしてです?

ミセス・ランディガム:リラックスするためよ。

チャーリー:なるほど。

ミセス・ランディガム:えぇ。

チャーリー:でもどうして大統領は自分からファーストレディに500ドルの小切手のことを尋ねないんですか?彼女と結婚しているのに。

ミセス・ランディガム:大統領がファーストレディの小切手を切っていたと分かったら彼女から怒られて怒鳴られるからよ。

チャーリー:なるほど、でも僕が尋ねたら僕がガミガミ怒られて怒鳴られますよ。

ミセス・ランディガム:えぇ、でも(笑顔で)大統領は気にしないんじゃないかしら。

当然納得はできないが渋々言われるがままにアビーの部屋へと向かうチャーリー。一方のミセス・ランディガムは楽しんでいる。
一方そのアビーは自分の部屋で先ほどのバートレットの演説のある一部分を繰り返し見ている。見ているのは例の超党派諮問委員会の前後だ。そこに ドアをノックしてチャーリーが入ってき、あの小切手が何に使われたのか尋ねてくる。アビーは数ヶ月前に新聞で読んだジェーン・ロビンソンという 女性に送った、と言う。彼女の夫が彼女を放り出しベッドに火をつけ、子供たちのクリスマスプレゼントまで何もかも燃やしてしまったというので 500ドルを送った、と説明するアビー。だがその小切手はまだ現金化されていないのでチャーリーはこれから彼女に確認を取ってみる、と言い部屋を 出る。アビーはベッドに座りながら再び先ほどの演説の場面を繰り返し見る。

レセプション会場にやって来たサムはゲストたちから盛大な拍手で出迎えられる。先ほどの演説のスピーチを書いていた一人が彼なのだから当然と いえば当然だ。僕にコメディは書けない、と言ったのは誰だったかな、と皮肉るサム。そこにレオがやって来てジャック・スローンの事件をマスコミ が掴むのは時間の問題だと言ってくる。世論調査は1時間ほどで終わるようだがレオが気になっているのはジャック・スローンの方だ。バートレット が演説で英雄と誉めそやしただけにレオが心配するのも当然だが当の本人がここに来ていると聞いて大統領との写真を撮らせないように、とサムに 念を押す。この件をCJが担当している事を告げるとその場を去るサム。そこへマーガレットが現れ、レオに今すぐシチュエーションルームの方に来 るように、と伝える。

シチュエーションルームに緊張が走っているのは明らかだ。5人の麻薬取締局の局員がコロンビアのボゴタからプエント・マヨの訓練施設へ移動して いた時に誘拐されたのだと言う。確証はないが解放戦線のゲリラが関わっていた可能性も十分ある。捜査官たちはバッジを運んでいたために捕らえ られた。だが記者があちこち動き回っていたり、生放送の途中である今のホワイトハウスで慌しく歩き回るわけにもいかないゆえ目立たないように 各関連機関の職員を連れてくるよう海兵隊員に伝えるレオ。

-ACT TWO-
世論調査室では世論調査員がジョーイの監督のもと調査をしている最中だ。今のところの回答率は17%と順調だそうだ。そこへジョシュが17年前に 問題を起こしたとされる警官ジャック・スローンの話を持ってくる。民事訴訟も刑事訴訟もされなかったが事実は事実だ、とジョシュは言う。飛行機 に乗っていてその部分を聞いていなかったジョーイはジョシュに続きを聞く。デトロイト警察の警官ジャック・スローンの小学校での英雄的行為が 土壇場で大統領の一般教書演説に加えられ、彼を議会の壇上で英雄だと誉めそやしたのだ。だが今はそんな事よりも世論調査の結果を早く知りたい ジョシュだがジョーイはドーナツでも食べて結果を待つと言って向こうへ行ってしまう。あの演説は大成功だったから世論調査もおおむね満足のいく 結果にはなるだろう。だがこのジャック・スローンの件がマスコミから国民に知れ渡ったら支持率が急落すること必至だ。だがそんなジョシュの 心配をよそにドナはなぜかジョシュがジョーイをデートに誘うべきだとしつこく言う。ドーナツでも食ってろ、とジョシュ。

〜 commercial time start 〜

マーガレットがゲストと談話中の国務副長官ミッキー・トループ(Tony Plana)を周りには気づかれないようにシチュエーションルームへと誘導 する。既に軍部関係 者が大勢座っているシチュエーションルームにトループが入ってくる。レオがトループに、捕まったのは現地時間の昼2時にコロンビアのボゴタで 地元警察と協力して、解放戦線で製造されているコカインラボで証拠を集めていた5人の麻薬取締局の局員である、と報告する。トループによれば そのラボのあるプエント・マヨは解放戦線の中でも最大規模を誇る施設でそこで製造されているコカインの生産量はかなり高いと言う。司令官を 通じて解放戦線のボスであるネルソン・ゲェラと話し合うことにする。現地の兵力を駆り出そうとしてもいるのは6人の司令官と13人の補佐がいる 程度の規模だから5,600人が警備にあたっている、捕らえられた5人のいる砦を突き崩すのはほぼ不可能に近い。人海戦術でなし崩しに落とそうとも ベトナム時代の悪夢がレオの脳裏を過ぎる。そこでレオはフォートブラッグの特殊部隊に救出作戦を3つ打ち出させて現地の19人にも戦力になって もらおうと考える。

〜 commercial time end 〜

TVで演説中のバートレットが公立学校でも制服の着用を義務付けてもよいのではないかと訴えている。「キャピタルビート」の司会者マーク・ゴッ トフリードが今の様子をTVで見て新しいゲスト二人に意見を尋ねる。ホワイトハウスからは准法律顧問のエインズリー・ヘイズ、アメリカ市民自由 連合(ACLU=American Civil Liberties Union)で公共教育担当のグレッチェン・タイラーがゲストの二人だ。まずはグレッチェンに意見を訊く マーク。彼女曰く、修正第1条「表現の自由」を強く訴えているはずの大統領に驚き、失望した、とのことだ。自由を重んじるACLUの彼女の立場と しては同じ制服で生徒の衣服の着用の自由を縛るというこの考え方には納得できないというわけだ。次にエインズリーに話を訊くマーク。
そのTV中継の様子を別室のTVから見ているサム。エインズリーは、バートレットは制服の着用を義務付けることで衣服の質の差でいじめにあう子供 をなくしたいと思っていたからこそ、だと説明する。そして続けて、大統領の仰ったことが100%合憲かどうかは私には分からない、と言う。その 様子を見ていたサムは部屋を離れ、生中継をしているロビーの方へと向かう。エインズリーは制服を着せた方が学校の成績も上がる、というデータを 持ち出している。ふとマークからこの件について大統領がどの程度真剣に受け止めているのかをエインズリーに尋ねてくる。エインズリーは大統領 とは話したことはおろか会った事すらないと答える。むしろ中国料理のシェフたちの方がよく会ってるんじゃないかしら。するとここでマークが一旦 CMに入るために区切りを入れる。

〜 commercial time start 〜

さっきのはウケたよ、というマークの言葉に思いっきり喜ぶエインズリー。そこへサムがやって来て大統領の言ったことが100%合憲がどうこういう のは言わないほうがよかったんじゃないかな、と言う。ACLUは大統領を訴えることもできるのよ、というエインズリーに、それを大統領の法律顧問 が後押しすることはないだろう、とサム。ところでエインズリーが大統領に会ったことが無かったとは知らなかったから、と彼女をバートレット大 統領と会わせようと申し出るサム。だがエインズリーは緊張してしまうから、と断ろうとする。再びTVに出るために戻っていくエインズリーにテレ ビが終わるまでは飲まないほうがいいよ、とアドバイスするサム。「それに君はブロンドで共和党の女で誰からも好かれてないって事を覚えておいた ほうがいいよ」。エインズリーはロビーに戻り、サムもそこから去る。

レセプション会場ではアビーがゲストを前に壇上でジョークを飛ばしながらスピーチしている。それがサムの書いたスピーチであるという事までバラ して大衆の笑いを誘うアビー。やがて乾杯の合図をすると壇上から下りて待っていたレオの方へと向かう。スローンの件をCJが担当していることを 伝えると超党派諮問委員会の件は演説の直前に入れられたものだと弁解するレオ。だがアビーはそんな事では納得しない。それにそのスピーチの 責任者が誰であるかぐらい彼女も知っている。その時トビーがゲストから盛大な拍手で出迎えられて現れる。アビーはトビーと抱き合うがそれはお 世辞にも温かいとはいいがたい。「あなたの部屋で30分間だけ話があるの」とだけ伝えるアビー。

-ACT THREE-
〜 commercial time end 〜

TV番組の席に戻ったエインズリーが下院議員と学校でのテストに関する話し合いの様子が流れているTVをチラチラ見ながら苛々して雑誌をめくって いるジョシュ。その時ドナが後ろからやって来て、またもやジョーイをデートに誘うようにジョシュに話す。何度も何度も尋ねてくる彼女をはねつけ ながら世論調査の結果が届くのを待っているがやって来たジョーイも先ほどから「あと5分」と言い続けて15分が経っている。真夜中で寝る時間に なっているから回答率が落ちているのだそうだが今度こそあと5分で結果が出る、と請け負うジョーイ。ジョシュには残念な事だがその時偶然に も停電が発生して、世論調査に使用していたコンピューターはもちろん、機器類が全てブラックアウトしてしまったのでもう少し時間がかかる かも、とジョーイ。

今度の「キャピタルビート」ではヒートアップしているシャリック議員に対し冷静なトビーが銃規制についての議論をしている。シャリック議員に よる共和党の見解では、バートレット民主党政府は1年前に修正第1条を理由に国旗の焼却やポルノ、学校での祈りを守ってきたのに銃の携帯は認め ないとしている。修正第2条で銃の所持は国民が持つ権利として定められているのに、だ。だがトビーはあくまで冷静に反論する。銃を持てるのは 自由と安全 を脅かす非常時に出動する正規の国民軍であると明記されているゆえ普通の市民に持つ権利はない、と。それに「ドッジ・デュランゴ(車)に乗っ た3人」のようなものを危険であると立案者が考えるわけがない。だが立案者に会って聞いたわけじゃないだろう、と議員。

トビー:もちろんだ。だがイギリス、フランス、ドイツ、日本、スイス、スウェーデン、デンマーク、オーストラリアの人口の総和が大雑把に言って アメリカ合衆国の人口に近い。銃で死んだ人数がアメリカでは32000人にものぼるがその国々は合わせてもたったの112人だ。これは アメリカが他国よりも自殺願望が強いからなのかそれとも今挙げた諸国では厳しい銃規制がしかれているからなのか。

ここでマークが話を終わらせCMタイムに入る。

〜 commercial time start 〜

CMタイムにはいるやいなやジンジャーから「来た」という連絡を受けるトビー。その相手はもちろん決まっている。広報部に戻って自分のオフィス に入ると待っていたのは先ほど会う約束をしたアビーだった。話を始める前に、マスコミがこの辺りをうろうろしているという事をお忘れなく、と 前もって予防線を敷くトビー。大声を出されるとまずい事態に発展しかねないからだ。アビーはその注意を余計な事ととらえながらもすかさず本題 に入る。彼女が見た演説用の草稿では「政府の優先順位のトップにあるのは社会保障と高齢者医療保険の確立」となっていたのに終わってみると トップにあるべきなのは「党派精神の超越とイデオロギー固執の放棄」に変わっていたのだ。たくさんありすぎて削ったのなら学校での制服着用に すればよかったでしょ、とアビー。それらの質問にも的確に答えていくトビーに対して「不意を突かれた」とだけ言って、アビーはふと質問を止め て部屋を出る。

CJが部屋に帰ってくると中にはすでに呼び出していたジャック・スローン巡査が待っていた。そしてCJはいきなり本題に入る。17年前にウォルター ・タペスという容疑者との間に何があったのか?スローン巡査はしばらく顔を下ろしていたがCJは地方検事やFBIに調べさせれば明らかになることだ と言って答えを急かす。弁護士が必要かな、とスローンは言うがやがて事件の詳細を話し始める。タペスは逃走中の武装した強盗で、当時のスローン は彼を走って追いかけていた。そして倉庫の裏にあるフェンスに囲まれた場所に追い詰めた時に手と鼻を折られたというのだ。では彼が容疑者の足を 折ったという話を容疑者がしていたというのはどうか?その件に関しても彼は依然と無実を主張する。容疑者のタペスは金目当てでデトロイトを5万 ドルで訴えていたほどの大嘘つきであり、大柄で州の高校陸上競技で銅メダルを2つもとったほどのスプリンターだったのだという。そこでスローン は自分をよく見てくれとCJに言う。スプリンターである容疑者の足が既に折れていなければスローンが追いつけただろうか?もちろん追いつけなか っただろう。CJは、招待された時に何故その事を言わなかったのかと尋ねるがスローンは、小学校での英雄的な行為について褒め称えられた直後だ ったから言わなくてもいい、と思ったのだそうだ。実際のところよもやこの件がいきなり浮上してくることは彼も予想だにしなかっただろう。だが マスコミに発表されたらバートレットのイメージダウンに繋がるのは必至だ。この件に関する苦情の出所が民主党員の黒人警官であるだけにかなり 立場を悪くしてしまうだろう。スローンは嫌がるがこちらから先手を打つのが最良の方法だと諭されて彼も承知する、もっともまだ納得まではして いないようではあるが。部屋を出る前にも「ただ言わなくてもいいと思っただけだった」とスローンは繰り返す。彼には責められるいわれはないが だからといってCJもこれを放ってはおけなかったのだ。

電話を握っていたドナが「いいニュース」と言いながら停電の理由を事細かに述べているがそんな事を報告してもジョシュの怒りを増すばかりだ。 ジョシュが今欲しいのは世論調査の結果なのだ。だがドナは構わず続ける。この停電に2000世帯が影響を受けたのだという。ジョシュはサムを呼ぶ よう言って頭をかきむしっているがドナはこの状況楽しんですらいるようだ。こんな時に楽しんでいるのは君だけだよ、とジョシュ。そこへジョーイ が後ろからやって来、声を出してジョシュを脅かそうとする。ジョーイに八つ当たりしているところにドナからサムの電話を受け取るジョシュ。停電 の様子を尋ねていたサムが、ドナからジョーイを誘うように僕も言われたよ、とジョシュに告げる。どうやらドナは何が何でもジョーイとくっつけた がっているようだ。バートレットが帰ってきたのを見てサムは急に電話を切って大統領のほうへ歩み寄る。
当初懐疑的だったサムの原稿をバートレットが今褒めたのをきっかけに、バートレットと会うのを怖がっている、ホワイトハウスに来て3ヶ月になる エインズリー・ヘイズと偶然を装って会ってほしいと頼む。そして彼女に自己紹介して励ましの言葉をかけてくれたら最高だ。場所のセッティング ついでにサムは会った時のセリフもアドバイスする。「ここにいる大勢の人は君がブロンドで、共和党員で、可愛い子猫ちゃんだから雇われたと思 っているようだがそれは明らかに違う。その調子で頑張りなさい」。いいね、とバートレットは言うが・・・。ともかくサムと別れてレオと会う バートレット。
そのレオからコロンビアで緊急事態が発生した、と聞かされオーヴァルオフィスに入るとそこには既にシチュエーションルームから上がってきた参謀 たちが待っていた。

-ACT FOUR-
麻薬捜査官たちは私服でいたがバッジを持っていたために正体がばれてしまった。コロンビア国家警察が彼らの現在地を解放戦線の拠点にいると既に 確認している。コロンビアのサントス大統領が服役中の麻薬王ホワン・アギラールを釈放しなければ彼らは殺されてしまうがコロンビア政府は今の ところ交渉に応じるつもりはないと言っている。レオは解放戦線のゲリラたちは単に捜査官たちを殺して祝杯をあげたいだけなのだと考える。コロン ビアは世界のコカインの7割を生産している。12万2000ヘクタールのコカの栽培地を持っており、昨年プエント・マヤで生産されたものだけを考慮し てもざっと400万ドルは稼ぎ出している。国内で堂々とコカインが精製されているというのにコロンビア政府の目はそこまで届いていないのだ。そこ には法律も存在しない。捜査官たちを殺してパレードをしたがっているんだ、とレオは続けて言う。トループはそうは思ってないようだが。参謀の 一人ロビーに救出プランの概要を聞くバートレット。作戦名は「カシオペア」。ブラックホーク3機、MM-6リトルバードを2機、対地攻撃機のAC-130 を現地に向かわせる予定になっている。各ブラックホーク機には特殊部隊10名が乗り込んでいる。しかしこれはあくまでも水面下での活動だ。表向 きには交渉を続けたほうがいい、とトループは言う。

バートレット:我々がベトナムへ向かっていると思っているのか?

トループ:我々が武装して攻撃を仕掛けたら向こうも反撃してきます。

バートレット:どういうふうに?

トループ:おそらく彼らは大使館を爆破し、外交官を殺し、市民の人質をも殺し軍隊による全面報復でもって返してきます。麻薬王 たちが結束してしまったら地域の治安が乱れ、おそらくは戦争にまで発展するでしょう。

レオ:戦争に発展?我々は既に麻薬戦争の渦中にいる。麻薬戦争を戦うために人を送り込んでいるしそれに彼ら は人質ではない、捕虜だ。

特殊部隊が行動を移せるまでの3時間、ネルソン・ゲェラとの交渉を続けるほかない。だが3時間経ったら作戦を開始する。レオに上級職員を全員集 めるよう言うと外に出て行くバートレット。

電力供給車らしき車が窓の外をゆっくり走っているその室内では依然として暗いままただイスに座っているジョシュとドナ。ドナの無駄話にもジョー イへの八つ当たりもいいところにちょうどサムから電話がかかってくる。上級職員が呼ばれた事になっていると聞き、問題発生であることは彼にも 分かっているためすぐさまその部屋を出るジョシュ。

電話を切ったサムがジンジャーに、広報部のオフィスで待ち合わせしていたエインズリーがやって来ない理由を尋ねる。すると呆れた事に彼女もまた CJ同様ペンキ塗り立てのベンチに座ってしまってズボンをはいてないのだという。おいおい、といった表情をしながらスチームパイプの彼女の部屋 へ向かうサム。すると部屋から派手な音楽が聞こえてきて中に入るとエインズリーがバスローブを着て陽気に踊っていた。何があったのか改めて 本人に尋ねたあと、 何でベンチの上の張り紙を見ないんだ、とぼやくサム。そして何と彼女はTVが終わったから、とアルコールまで持ってきている。クリームカカオつ きとはいい度胸だ。しばらくそのまま彼女は踊り続けるがふとサムの後ろにバートレット合衆国大統領が来ているのを見て悲鳴を上げ、コップを放 り投げて割ってしまう。ここにナイトクラブがあったとは知らなかったよ、とバートレット。その言葉に慌ててラジカセの電源を切るエインズリー。

バートレット:そうだ、エインズリー。ここに来てこう言いたかったんだ。「ここにいる大勢の人は君がブロンドで、共和党員で、可愛い子猫ちゃ んだから雇われたと思っているようだが、ええと、それは明らかに違う。その調子で頑張りなさい」。

思いっきり言われたままの事を言っただけのバートレットだがエインズリーはまだ少し混乱しているようで、その内容にはあまり注意を払っていな いようだ。バートレットが去ったあと、上級職員の呼びかけということでサムも行かなければならないがその前に放心状態のエインズリーに一言言う 。さっきのはちょっとヤバかったかも。だがエインズリーは見るからに失態を演じてしまったような顔をしているためもう一度だけ「いや、多分 大丈夫だよ」と言って足早にそこを立ち去るサム。

キャピタルビートにまたも出演しているCJだが番組は終盤に差し掛かっているようだ。マークがお知らせタイムを宣言しCJを脇へ連れ出す。ジャッ ク・スローンの件は彼も知っていたのだが友人としてまだ放送していなかったのだ。トビーが「古い友人と会わせたい」と言っているのを聞いたCJ はその件について丁度20分後に戻ってきて話し合う、とマークに約束し、その場を去る。

アビーが食事を取っている厨房にバートレットがやって来る。そして周りのスタッフを追い払うと彼女と二人きりになる。スピーチから女性への暴力 防止法案を除外したのは何のためなの、と尋ねるアビー。90分のスピーチを80分にするために削らなければならないものもあった、とバートレット 。それなら学校での制服着用を削ったほうが良かったわ、とアビー。

アビー:私たち約束したわ!

バートレット:今は・・・

アビー:あなたは約束したわ。ちゃんと決めてたはずよ!

バートレット:アビー・・・。

アビー:なのにいつ2期目の大統領選に打って出るって決めたの?

バートレット:それは今夜の本題じゃない・・・

アビー:それが今夜の本題の全てだわ!あなたは再選の準備をし、約束していたから私はここに座って サンドイッチを食べている。

バートレット:3年前だったな。

アビー:そうよ。

だがチャーリーから集まった、という報告を受けたバートレットは目前に迫っている問題に取り掛からなければならないためアビーに状況を説明して 厨房を出る。アビーはしばらく考え込んでいたがやがて厨房から出て行く。ドアを出たところで少しまた考えるために足を止めるがやがてまた歩き 出す。厨房を出て未だに人がごった返しているレセプション会場に戻ったアビーはゲストらと次々に握手を交わしていく。そこへTVのキャピタルビ ートの司会者マークの声が流れる。その話し振りからどうやら番組はまだ続くようだ。

-END-
Starring
Main Cast
Rob Lowe as Sam Seaborn
Dule Hill as Charlie Young
Allison Janney as C.J.Cregg
Janel Moloney as Donna Moss
Richard Schiff as Toby Ziegler
John Spencer as Leo McGarry
Bradley Whitford as Josh Lyman
And
Martin Sheen as Jed Bartlet

Sub Cast
Stockard Channing as Abigail Bartlet
Marlee Matlin as Joey Lucas
Bill O'Brien as Kenny Thurman
Emily Procter as Ainsley Hayes
Ted McGinley as Mark Gottfried
Peter James Smith as Ed
William Duffy as Larry
Corbin Bernsen as Henry Shallick
Tony Plana as Mickey Troop
Richard Riehle as Jack Sloane
Glenn Morshower as Mike Chysler
Doris McMillon as Sandy
JP Stevenson as Jonathan
Ralph Meyering Jr. as Tom
Gregalan Williams as Robbie Mosley
Barbara Eve Harris as Gretchen Tyler
Kelly McNair as Pollster
Keith Mills as Mr. Finney
Michael Francis Clarke as Congressman Satch
Susan Krebs as Gail Schumer
Melissa Fitzgerald as Carol
Devika Parikh as Bonnie
Kim Webster as Ginger
Nicole Robinson as Margaret
Kathryn Joosten as Mrs. Landingham



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